書類保管サービスの選び方は?おすすめのサービス6選
年々増え続ける紙の書類や文書の保管に、頭を悩ませている企業は少なくありません。
電子化が進む一方で、契約書や機密文書など、原本のまま厳重に保管しなければならない重要書類はまだ多く存在しています。さらに、重要書類はセキュリティ管理が確保された場所に保管しなければならず、それが保管場所の確保を一層難しい問題にしている要因でもあります。
こうした課題の解決策として注目されているのが、「書類保管サービス(文書保管サービス)」です。
本記事では、サービス選びで失敗しないための比較ポイントや選び方のコツを解説しながら、厳選したおすすめの書類保管サービス6社をご紹介します。
書類保管サービスとは?
書類保管サービス(文書保管サービス)とは、企業が保有する紙の書類や重要文書を、専門業者が代わりに安全に預かり、適切に管理・保管してくれる法人向けのサービスです。
単なる書類の保管にとどまらず、ラベリングやインデックス作成による整理、保管期限の管理、不要文書の適切な廃棄、セキュリティ対策など、サービス内容は多岐にわたります。
書類保管サービスを利用することでオフィススペースの有効活用をすることができ、業務の効率化も期待できるでしょう。また、契約書や人事・会計関連などの機密文書は法律で保管・廃棄期間が定められています。そうした煩雑な管理業務を外部に委託できることは、コンプライアンス強化という面でも企業にとって大きなメリットと言えます。
書類保管サービスを導入する主な目的
書類保管サービスを導入する企業が増えている背景には、業務効率の向上やコスト削減だけでなく、情報管理の高度化やコンプライアンスへの対応といった、さまざまな経営課題の解決ニーズがあります。ここでは、企業が書類保管サービスを導入する代表的な目的を4つに分けて解説します。
業務効率化
日々の業務において、書類の検索や整理にかかる時間は意外と多く、担当者の業務負担につながっています。書類保管サービスを活用すれば、書類の出し入れや検索、返却までを効率的に管理できるため、社内の業務フローをスムーズにし、生産性向上に貢献します。また、管理ルールの標準化により、属人化の防止にもつながります。
コスト削減
オフィス内に大量の書類を保管するには、保管スペースの確保やセキュリティ設備、書類管理にかかる人件費など、見えにくいコストが発生しています。書類保管サービスを導入することで、外部の専門業者に保管を委託でき、オフィススペースの有効活用とともに、トータルコストの削減が可能になります。
情報の一元管理
書類保管サービスを使うことで、分散しがちな書類情報を一元的に管理することができます。ラベリングやインデックス管理によって、どの書類がどこにあるかを正確に把握でき、必要なときにすぐアクセス可能な状態を実現します。これにより、情報の紛失や重複、誤廃棄といったリスクも軽減されます。
コンプライアンス対応
企業にとって、契約書や税務書類、労務関係書類などの法定文書は、法律で定められた保管期間や管理方法に準拠する必要があります。書類保管サービスでは、これらの法令を踏まえた適切な管理が可能となり、監査やトラブル時にも対応しやすくなります。情報漏えいや不適切な廃棄を防ぐことで、企業の信頼性向上にもつながります。
書類保管サービスの選び方
どの書類保管サービスを選ぶかがサービス利用後の利便性を左右するため、自社のニーズに合うものを選定することが重要です。単に「預けられるかどうか」だけで判断せず、サービス内容や対応範囲をしっかりと確認しましょう。特に、業務のスムーズな運用やセキュリティ確保、将来的な管理のしやすさに直結するポイントは見逃せません。ここでは、書類保管サービスを比較検討する際に注目すべき4つの観点をご紹介します。
書類・文書のセキュリティ対策
社内文書はそのほとんどが機密文書といっても過言ではないほど、外部に漏れてはいけない情報ばかりです。情報漏洩を防ぐためにも、委託先のセキュリティ対策を確認することが最も重要な点だと言えます。書類専用の保管庫に保管されているか、保管倉庫の入退室管理はされているか、監視カメラの有無、データベースによる文書管理体制など高度なセキュリティ環境かどうかをチェックします。情報漏えいや紛失リスクを最小限に抑えるには、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などの認証取得状況も確認しておくと安心です。価格が安すぎるサービスは、セキュリティ対策が十分でない場合もあるので注意しましょう。
書類・文書の保管環境
保管庫の環境もサービスを選ぶ一つの決め手になります。まずは、書類専用保管庫かどうかを確認しましょう。書類専用でないと、書類以外の他の荷物と混在してしまう可能性があります。
書類の状態を長期間良好に保つためには、保管環境の質も重要です。湿度や温度が一定に保たれているか、防火・防水対策が施されているかなど、施設の設備面をチェックしましょう。書類は温湿度が適正でないと劣化のスピードが早まってしまうため、保管庫の温湿度管理が実施されているサービスの方が安心だと言えるでしょう。経年劣化や災害リスクを避けるためには、書類に適した環境で、建物が耐災害仕様になっているかどうかが大きな差になります。
書類・文書の出し入れのスピード
一度預けた書類を再度取り出す方法や時間は各サービスによって異なります。預けた後に書類を頻繁に取り出すかどうかを想定し、委託先の対応を確認しておきましょう。
オンラインでの出庫依頼やスキャン対応の有無も、利便性を大きく左右します。
書類・文書の廃棄ができるか
保管している書類にも、一定の保管期間を過ぎれば廃棄が必要になります。そのため、書類の適切な廃棄処理を提供しているサービスをおすすめします。廃棄を書類保管庫から出して自分で廃棄手配をするのには手間がかかります。預けるときから廃棄するときまで一気通貫で実施してくれるサービスは、担当者の時間コストを減らしてくれるでしょう。ただ、廃棄してくれるサービスでも、廃棄時に書類が安全に廃棄されているかを確認しておく必要があります。機密書類を安全に廃棄するためには、溶解処理や焼却処分など、セキュリティに配慮した廃棄手段が用意されているか確認しましょう。また、廃棄証明書の発行が可能かどうかも信頼性の判断材料となります。
書類保管サービスおすすめ6選
ここでは、数ある書類保管サービスの中から、実績・サービス内容・使いやすさなどを基準に、おすすめのサービスを6社厳選してご紹介します。まずは、保管品質やセキュリティ体制に定評のある「SHOKO(ショコ)/日本パープル」から見ていきましょう。
書類保管サービス-SHOKO(ショコ)/日本パープル
SHOKO(ショコ)は、老舗の文書管理専門企業である日本パープルが提供する、法人向けの書類保管サービスです。高度なセキュリティと利便性を兼ね備えたトータルサポートにより、企業の情報資産を安全・効率的に管理できます。
WEBアプリを活用することで、書類の出し入れや保管状況の確認、履歴管理などをオンライン上で一括管理でき、離れた拠点からもスムーズな運用が可能です。また、業種や書類の特性に合わせて、企業ごとに最適な管理方法を提案してくれる点も魅力のひとつです。
さらに「おまかせプラン」なら箱詰めやラベリング、台帳作成などの初期作業を専門スタッフが代行してくれるため、忙しい企業でも手間なく導入できる、柔軟かつ実用的なサービス内容となっています。
保管環境
日本パープルの保管施設は、温度・湿度が24時間体制で管理されており、防火・防水対策も完備しています。紙文書の劣化を防ぎながら、長期的な保管にも耐えうる安定した環境が整えられています。
さらに、文書専用の保管庫は、保管庫自体をくるむ発想の「インシールド方式」を採用しており、外部からの物理的リスクにも強い構造です。他の荷物と混在することがなく、重要書類が汚損・紛失するリスクを最小限に抑えられます。
加えて、入退室管理や監視カメラといった常時モニタリング体制も整っているため、セキュリティ対策も徹底されており、外部からの不正アクセスにも万全の備えがなされています。
出し入れのスピード
書類の出庫や返却は、専用のオンラインシステム(WEBアプリ)から簡単に依頼できます。原本書類は15時までの依頼で、翌営業日に配達可能と、非常にスピーディな対応が特徴です。
さらに、スキャニングによるPDF送信にも対応しており、依頼から最短3時間でデータを受け取ることも可能です。急ぎで確認したい資料や、遠隔地からの対応が必要なケースでも安心です。
配送・回収には、機密保持適格審査に合格した限られたスタッフのみが対応します。さらに、GPSを搭載した「完全密封車両」によって輸送されるため、輸送中のセキュリティにも抜かりがありません。重要文書を預けるうえで、不安を感じさせない体制が整っています。
廃棄サービス
一定期間を過ぎた文書の廃棄にも対応しており、セキュリティに配慮した溶解処理を、自社処理施設で行う「機密処理サービス」を提供しています。
外部委託ではなく自社設備で処理されるため、情報漏えいリスクが低く、処理プロセスにも一貫性があります。
また、廃棄処理完了後には証明書が発行されるため、コンプライアンスや監査対応が求められる企業でも安心して利用できます。
保管から廃棄までをワンストップで任せられることは、管理負担を軽減する大きなメリットです。
導入実績
金融機関、製造業、法律事務所、医療機関など、多種多様な業界での導入実績があります。大手企業から中小企業まで、幅広いニーズに対応してきた信頼と実績があり、安心して任せられるパートナーといえるでしょう。
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セービングBOX / 大塚商会
セービングBOXは、ITソリューション大手・大塚商会が提供する文書保管サービスです。書類の特性や利用頻度に応じて、「段ボール預かり型」と「電子化オンデマンド型」から選べる柔軟な運用が特長です。
保管環境
保管倉庫は、地震などの自然災害から保護できる堅牢な構造で設計されており、重要書類の長期保存にも適した環境が整っています。
加えて、集中監視室による24時間365日の監視体制をはじめ、各種センサー・監視カメラによる警備、さらに入構・入館・入室を厳格に制限するアクセス管理システムが倉庫の内外に配備されており、物理的なセキュリティレベルは非常に高い水準を維持しています。
出し入れのスピード
利用頻度に合わせて、段ボール単位での預かり型と、必要なときに電子化して取り出せるオンデマンド型を選択できるため、書類の種類や業務内容に応じて柔軟な対応が可能です。
特に閲覧頻度が高い文書は、あらかじめ電子化してクラウド上で保管・共有できるため、業務スピードの向上にもつながります(※電子化は別途費用)。
廃棄サービス
不要になった書類については、提携する溶解処理サービスと連携して安全に廃棄することが可能です(※要別途費用)。情報漏えいリスクのある機密書類も、確実に処分できる体制が整っており、法令遵守の観点からも安心です。
保管から廃棄までを一気通貫で任せられるため、社内での文書管理業務の負担を大きく軽減できます。
URL
スマート書庫 / 三井倉庫
スマート書庫は、物流のプロフェッショナル・三井倉庫グループのノウハウを活かし、機密性とコストパフォーマンスを両立した書類保管サービスです。
金融機関や大手企業2,000社以上、累計800万箱の大規模な書類保管実績があります。預入箱数に応じた従量課金制のため、小規模オフィスでも導入しやすく、コストを抑えたい企業にも最適です。
保管環境
保管施設には、三井倉庫ビジネスパートナーズが選定した、24時間365日セキュリティ完備の書類保管専用倉庫を使用しています。
この施設は、書類専用として設計されており、外部からの侵入リスクを最小限に抑える高い物理セキュリティと、紙文書の長期保管に適した環境を兼ね備えています。
また、一般貨物と混在することがないため、重要書類や機密文書を安全に預けたい企業にとって、非常に信頼性の高い保管体制が整っています。
出し入れのスピード
依頼から配達までの目安は約2営業日となっており、計画的な出庫・返却に適した運用体制です。急ぎの対応には不向きな場合もありますが、安定した運用が可能な企業には十分なスピード感といえるでしょう。
必要に応じて、出庫スケジュールを管理することで、スムーズな書類の活用が可能です。
廃棄サービス
不要になった書類は、溶解処理サービスとの連携により、安全かつ確実に廃棄できます。外部漏えいのリスクを抑えた処理体制で、機密文書の適切な処分に対応しており、法令遵守やコンプライアンスの面でも安心です。保管から廃棄までを一貫して任せられるため、管理業務の簡素化にもつながります。
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書類保管サービス / キーペックス
Keepex(キーペックス)は、書類・文書の保管に特化したサービスを提供する専門企業です。
文書情報管理士が在籍しており、自社の文書特性や利用目的に応じた最適な保管プランを提案してもらえる点が特長です。さらに、保管箱には固有のバーコードシールを貼付して厳格に管理され、文書ごとの所在を明確に把握できます。
ファイリング・ナンバリングといったオプション作業にも対応しており、導入後の運用もスムーズです。
保管環境
保管場所は、長期保管に最適な定温定湿倉庫が採用されており、紙の劣化やカビなどを防ぐ環境が整っています。
また、震災に強い電動移動式ラックによる保管体制がとられており、災害リスクに備えた構造になっています。
出し入れのスピード
書類の出庫依頼は、午後4時までの受付で翌営業日の配送が可能です。
急ぎの業務対応にもある程度のスピードで応えてくれるため、業務を止めずに文書の活用が可能です。
また、オンライン上で在庫管理や保管期限の確認ができるため、どの文書をいつ取り出すか、不要な文書をいつ廃棄するかといった運用計画も立てやすくなっています。
廃棄サービス
保管期限を過ぎた文書や不要になった書類は、溶解処理サービスとの連携により、安全かつ適切に廃棄可能です。
重要書類や個人情報を含む文書も、環境と情報保護の両方に配慮した方法で確実に処分できる体制が整っており、法令遵守を求められる業種でも安心です。
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丸八倉庫
丸八倉庫株式会社が提供する書類保管サービスでは、安全性と利便性の両立を重視し、企業が安心して文書管理を任せられる環境を整えています。
保管は機密文書専用倉庫で行われ、静脈認証システムによる入退室管理、24時間体制の監視カメラ、そして耐震設備により、高いセキュリティが確保されています。
また、指定された文書のPDF化・WEBシステムでの閲覧も可能で、離れた場所や外出先からのアクセスにも対応しています。
保管環境
文書は専用の機密文書倉庫で厳重に管理され、安全性が確保された設備が用意されています。
静脈認証システムと24時間監視カメラにより入退室を管理し、さらに耐震設備を備えることで、災害リスクにも対応しています。
出し入れのスピード
当日15時までに依頼承認で、最短翌営業日に配送可能という迅速な対応が可能です。
さらに、指定された文書のPDF化とWEB閲覧サービスにより、物理的な出庫なしでも文書を確認できる利便性があります。
廃棄サービス
不要文書は、溶解処理サービスと連携して安全に処分可能です。
書類箱単位の処理で、開封せずに廃棄証明書を発行という方法により、高いセキュリティとコンプライアンス対応が実現されます。
URL
書類保管サービス / 寺田倉庫
寺田倉庫が提供する書類保管サービスは、業界トップクラスの保管環境とスピード対応が特長です。
免震・耐震構造の専用倉庫にて、温湿度を徹底管理し、重要書類の長期保存にも最適な環境を提供しているとともに、全国対応が可能で、24時間対応のWEBシステムから在庫管理や出庫・廃棄依頼も可能。専門のオペレーターによるサポート体制も整っており、初めての導入でも安心です。
保管環境
書類は、免震・耐震構造の専用倉庫で保管されており、地震などの自然災害にも強い設計が採用されています。
加えて、温湿度管理が徹底されている点も特長で、紙文書の劣化を防ぎ、長期保存にも対応可能です。
倉庫全体には、複数のセキュリティ対策が施されており、企業の機密文書も安心して預けることができます。
出し入れのスピード
当日11:00までに依頼すれば、最短で当日の午後に保管品が配達されるという、高いスピード対応を実現しています。
急ぎで原本を確認したい場合にも柔軟に対応できる体制が整っており、実務の中断を最小限に抑えることができます。
廃棄サービス
不要になった文書は、WEBシステムからの廃棄依頼に対応しており、スムーズかつ安全な処分が可能です。
24時間オンラインで依頼できるため、業務時間外のタイミングでも対応できる利便性があります。
廃棄処理に関するサポートも、専門オペレーターが対応してくれるため、コンプライアンス重視の運用も安心です。
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まとめ
増え続ける書類や文書の保管に悩む企業にとって、書類保管サービスや文書保管サービスの導入は業務効率化やコスト削減、情報管理の改善に非常に効果的です。
書類保管サービス比較をする際には、自社の業務内容や管理のニーズに合った機能を持つサービスを選ぶことが重要です。オンデマンド保管やWEB管理、全国対応の有無なども比較材料に含めて検討しましょう。
また、文書保管サービスは企業のコンプライアンス対応にも直結するため、安全性や廃棄サービスの質にも十分に注意が必要です。
複数の書類保管サービスをしっかり比較し、自社に最適なプランを見極めることで、重要書類の管理をより安全かつ効率的に行えます。
ぜひこの記事を参考にして、書類保管サービスの比較・検討を進め、最適なサービス選びに役立ててください。