2025年11月21日物品保管

東京のトランクルーム相場は?費用の変動要素や選ぶ際のポイント


東京都内にはトランクルームやレンタル倉庫の数が多く、料金相場は広さ・階層・立地・環境によって大きく変動します。そこで本記事では、費用を左右する要素や、法人利用の際に気をつけるべきポイント、契約前に見直すべき点を踏まえて、コストとパフォーマンスと安全性を両立できるトランクルームの選び方を解説します。

東京のトランクルーム相場の目安

株式会社アンビシャスが行った調査(2023年2月24日公開)*によると、東京都のトランクルームユーザーは1畳以上2畳未満の広さのトランクルームを利用している層が最も多く(50.0%)、1畳未満のサイズと合わせると2畳より小さいサイズを利用しているユーザーが6割強(63.0%)になることが分かりました。また、価格帯では3,000円~4,000円未満の層が最多で(28.3%)、月額5,000円未満と答えた層が約6割(58.7%)という結果になっています。

つまり、2畳未満程度のトランクルームを借りるなら月額5,000円までが相場であると言えます。ただし、東京23区においては一般的なトランクルーム相場よりも高くなりやすいことや区によって、相場が違うことなどに留意しておきましょう。

*【東京都のトランクルームユーザー調査】トランクルームの利用サイズと料金相場(2023年2月24日)

トランクルームの料金を左右する主な要素

東京のトランクルーム料金は、「広さ・階層・立地・環境・セキュリティ」といった要素で大きく変動します。特に都心エリアでは地価とアクセスの良さが価格に直結するため、同じ広さでも郊外との料金差は2倍以上になることもあります。

ここでは、料金を構成する主な要素を詳しく解説します。

広さと高さ(積載効率)

東京都心におけるトランクルーム利用では、まず「広さと高さ(積載効率)」が料金に大きく影響します。トランクルームの広さは1畳から10畳以上のものまでサービスによって様々です。借りるスペースが広いほど高額になるのが一般的ですので、無駄な費用を払うことにならないよう、あらかじめ必要な広さを想定・計算しておく必要があります。

また、広さと同じくトランクルームの「高さ」にも注意しましょう。いざ預けようとしたら高さが足りずに入らないといった失敗がないようにしたいものです。高さのあるタイプを選ぶと収納効率が上がるため、単価が多少高くても結果的にコストパフォーマンスが向上するケースもあります。

階層の違い(1階・2階)

トランクルームでは、運搬の手間がかかることから2階よりも1階の方が割高になる傾向にあります。2階以上のトランクルームには多くの場合エレベーターが設置されていますが、それでも1階より運搬の負担が大きいことは明らかであるため、1階は2階や地下よりも2,000円〜5,000円ほど高めの設定が一般的です。しかし、同じトランクルームでもあえて2階を選ぶことで、コストダウンを図るのも一つの選択肢といえます。預ける物品の重さや大きさによって、エレベーターやスロープの有無も確認しながら決めると良いでしょう。

屋内型・屋外型の環境差(空調・防塵)

トランクルームには屋内型と屋外型があり、環境条件が料金を左右します。屋内型は空調・除湿・防塵対策が整っていて、都心部に多いことからデリケートな物品や書類の保管に適していますが、価格が割高になる傾向にあります。

一方、屋外型は屋外に設置されたコンテナの中に物品を収納するタイプのトランクルームが多く、コンテナ単位で契約します。郊外に設置されていることが多く、物品の運搬・出し入れに時間がかかるほか、空調設備が整っていない点から通気や防塵性では劣りますが、コストを抑えて手軽に利用できる点が魅力です。保管する物の性質に応じて、どちらが適しているかを見極めることが大切です。

立地とアクセス(駅近・幹線道路・駐車場)

東京都内では、トランクルームの立地も価格を左右する大きな要素の一つです。地価の関係や利便性から、駅から近い物件や幹線道路沿い、駐車場併設のトランクルームは利便性が高く、郊外よりも月額料金が2倍近くになることもあります。また、駐車場がない・周辺道路が狭いといった場合は、使い勝手の悪さから価格が低く設定されているケースがあります。配送業務や頻繁な出し入れを伴う法人利用の場合、アクセスの良さは時間コストの削減に直結するため、単価だけでなく効率面も含めて検討する必要があります。東京の場合は特に、東京23区と23区外で地価が大きくなる点に注意が必要です。

セキュリティ・保険の有無(監視・鍵管理・補償上限)

トランクルームは安全性の高さによっても価格が変動します。法人として利用する場合、預けるものは書類や備品など、いわば会社の資産です。外部に委託して損害・紛失してしまうことのないよう細心の注意を払う必要があります。リスクを最小限に抑えるためには、保管環境やセキュリティ対策を事前に確認しておきましょう。

監視カメラやICカード、個別ロックなどセキュリティ対策が充実している物件は、一般的に料金が高めです。また、火災・盗難などへの補償が付帯する場合は、月額費用に保険料が含まれます。高価な機材や書類を預ける場合には、料金よりも「補償上限額」や「免責条件」を重視した方が安心です。

法人がトランクルームを活用する背景


昨今の働き方の多様化による影響で、法人によるトランクルームの活用が増えてきました。法人がトランクルームを利用する理由は、単なる収納確保にとどまりません。オフィス縮小やBCP対策など、経営戦略やリスク分散の一環として導入が進んでいます。

ここからは、法人がトランクルームを選ぶ背景を3つの観点から解説します。

オフィス縮小・移転・テレワークによる保管ニーズの増加

近年、オフィス縮小や移転、テレワーク導入が進むなかで、「社内スペースの最適化」が企業課題として浮上しています。かつては書類棚や備品庫に使われていたスペースを削減し、必要最低限の設備だけを残して固定費を抑える動きが拡大しています。特に都心部では賃料が高いため、書類・季節品・プロモーション資材などを外部に保管することで、オフィスの面積を削りつつも業務効率を維持する企業が増えています。

社内スペース削減と固定費見直しの動き

トランクルームは、単に“物を預ける場所”ではなく、経営的なコストコントロールの手段になりつつあります。オフィス1坪あたりの賃料が2〜3万円を超える都内では、1畳1万円前後のトランクルームに物品を移すだけで、年間数十万円単位のコスト削減が可能です。総務やバックオフィス部門では、この「外部ストレージ化」が固定費見直し施策の一環として注目されているようです。

BCP(事業継続)・情報管理の観点からの重要性

天災が多い日本では、災害やシステム障害への備えとして、物理的なバックアップをトランクルームで行う企業も増えています。契約書やアーカイブ資料、展示会資材などを外部拠点に分散保管することで、BCP(事業継続計画)の一部としてリスク分散を図る動きです。セキュリティ体制が整ったトランクルームであれば、重要情報のオフサイト保管にも対応可能で、情報漏洩リスクを減らすと同時に、緊急時の迅速な業務復旧にも役立つでしょう。

トランクルーム選びで重視すべきポイント

トランクルームの選定では、料金だけでなく「セキュリティ」「利便性」「契約条件」の3点を総合的に判断することが重要です。特に法人利用では、情報資産や機材を扱うため、安全性と運用効率のバランスが欠かせません。

ここでは、選ぶ際に確認すべき具体的なポイントを紹介します。

セキュリティ体制(入退室・監視・補償)

法人利用では、セキュリティの強度が最重要項目と言えます。トランクルームに搬入するタイミングから、監視カメラの有無、入退室記録の管理方法、スタッフ常駐の有無、さらには万一の事故時にどのような補償があるかを必ず確認しましょう。特に個人情報や営業資料を扱う企業では、監視システムの稼働時間やアクセス制限の設定が、信頼性の判断基準になります。

書類・電子媒体の保管基準

紙資料や電子機器を保管する場合、経年変化に備えて温度・湿度管理が行き届いた屋内型を選ぶのが理想的です。なぜなら、通気性や除湿設備の有無が、書類の劣化や電子機器の故障を防ぐ鍵となるからです。特に機密文書を扱う企業では、トランクルームの空調や入室制限などの環境条件には細心の注意を払っておきましょう。

出し入れや配送の利便性(Web依頼・宅配対応)

荷物の出し入れをどのように行うかも、企業にとっては運用コストに直結します。運送業を生業としていない企業にとって、配送作業は社員にとってもストレスです。最近では、現地に行かずにWebで出庫依頼ができる便利なサービスや、宅配ピックアップ・デリバリーに対応した法人向けトランクルームも登場しています。このような仕組みを活用すれば、担当社員が直接倉庫へ足を運ぶ手間を省き、業務時間を有効活用できます。

コストと契約条件(最低利用期間・更新料)

料金表に記載された金額だけでなく、契約条件を総合的に見ることが重要です。最低利用期間が長すぎると柔軟な解約が難しく、更新料や管理費が別途発生する場合もあります。特に短期利用を想定している場合は、日割り計算や解約時の返金規定まで確認しておくと安心です。また、セキュリティ対策のための保険費用にも配慮する必要があります。

利用前に知っておきたい注意点


トランクルームを契約する前には、月額料金以外の“見えないコスト”や環境条件を把握しておく必要があります。初期費用や更新料、温湿度管理の有無、搬入制限や補償範囲を確認することで、利用後のトラブルを防げます。

ここでは、注意すべき代表的なポイントを紹介します。

初期費用・更新費用などの隠れコスト

多くの利用者が見落としがちなのが、初期費用や更新費用です。契約事務手数料、保証金、鍵交換費、更新料などが加算され、初月に想定以上の支出になるケースもあります。
東京都内の屋内型では、初期費用が月額の2〜3ヶ月分に達する場合もあるため、事前に総額を把握しておくことが大切です。

温度・湿度管理とカビ対策(通気・除湿)

保管する物品が長期保存を前提とする場合、温度・湿度の管理は欠かせません。通気の悪い屋外コンテナでは、梅雨や夏季にカビや結露が発生しやすく、衣類・紙資料・木製品の経年劣化が進みます。屋内型トランクルームを選び、空調・除湿機能の有無を確認することが、安心して長期間保管するための基本です。

搬入経路・サイズ制限・重量制限

契約前に搬入経路の確認を怠ると、搬入当日に「通らない」「載らない」といったトラブルが起こります。入口幅、天井高、エレベーターの有無、床の耐荷重などを事前にチェックしておくことで、余計な出費や再契約を防げます。特に展示会資材や什器など大型物品を扱う法人は、搬入ルートの利便性を重視すべきです。

損害補償の対象・免責・上限金額

契約書の小さな文字に書かれている補償範囲は、見落としがちなポイントです。火災・盗難・水漏れなどの際にどの程度補償されるのか、免責金額がいくらか、上限が設定されているかを確認しておきましょう。保管物の価値が高い場合には、施設側の補償とは別に自社で保険を掛けるケースも増えています。

まとめ|東京のトランクルーム相場を理解して最適なサービスを選ぶ

ここまで東京都内のトランクルーム相場、広さ・階層・立地・環境・セキュリティといった要素によって大きく変動することや、選び方・利用前に注意すべき項目などについて解説しました。特に法人利用では、単に「安い場所を探す」のではなく、保管目的やアクセス頻度に合った環境を選ぶことが重要です。

料金表だけでなく、初期費用や契約条件、温湿度環境、補償内容までをトータルで比較検討し、自社の運用スタイルに最も適した施設を選ぶことで、コスト削減と安心を両立できます。保管を“コスト”ではなく“仕組み化された資産管理”として捉える企業が増えている今こそ、東京のトランクルームを賢く活用し、スペース戦略を見直すタイミングと言えるでしょう。

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