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「センスがあれば、即最終面接」インスタ採用を実施する株式会社大熊工業の狙いとは


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企業の採用担当者にとっての使命とは、求める人材を手に入れること。

そのために、自社で会社説明会を開催したり、多くの求人媒体に採用情報を掲載したり、就職活動や転職活動のエキスポに参加するなど、さまざまな努力をされていることでしょう。それでも「求めている人材が面接に来てくれない」「内定を出しても辞退されてしまう」など、悩みを抱えている会社が多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、「インスタ採用」を実施した株式会社大熊工業です。多くの採用手法がある中、あえてインスタ採用を実施した狙い今後の展望についてお話を伺いました。

※「まもりの種」は保護(まもる)くんの日本パープルが運営しております。

「地盤改良・建築・インテリア」一貫して安全で豊かな生活環境を創る!株式会社大熊工業ってどんな会社?

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平成8年(1996年)に創業した株式会社大熊工業は、「地盤改良・建築・インテリアにおける技術とノウハウで創る安全で豊かな生活空間」をコンセプトに、建築からインテリアまで一貫して住まいの悩みを解決してくれる企業です。

2017年冬、ららぽーと湘南平塚にインテリアショップ「KAJA(カジャ)」の新しい店舗がオープンします。それに合わせ、多様性のある人材の採用を目指すこととなり、同年の8月に実施した採用施策が「インスタ採用」でした。

開始2ヶ月で、求める人材を2名の採用に成功した大熊工業。なぜ成功したのか、そのカラクリに迫ります。

きっかけは、採用情報サイトを広めるための「手段」だった

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今回お話を伺ったのは、株式会社大熊工業 代表取締役の大熊英樹さん。インスタ採用を始めた背景には、中小企業が抱える悩みが根底にあったようです。

大熊:大手企業は、名前が知られていることもあり、採用活動を開始するだけで人が集まってくるでしょう。ですが、弊社のような中小企業は知名度が低く、人はなかなか集まらず、採用活動は苦しいものです。就職活動や転職活動のタイミングで知らない企業は、エントリー候補の選択肢に入ることができませんよね。

多くの中小企業が抱える採用活動の苦しさ。その状況を打開するために、ファンを増やすことを目的とした採用情報サイトを立ち上げました。

大熊:弊社の仕事や働き方について情報を発信する、採用情報サイトを立ち上げました。サイトに訪れた人が、メンバーや仕事紹介などのページを見ているうちに、「なんかいいね」とファンになる。そうしたら、いつか仕事を探すときに思い出してもらえるのではと思ったのです。
しかし、サイトを立ち上げただけでは見に来てもらえません。そこで、話題になりそうな「インスタ採用」を始めてみることになりました。

インスタ採用は、同社の建築部門のブランディングを協働している面白法人カヤック(@kayac_inc)代表取締役・久場智喜氏とのブレストから生まれたもの。せっかく作った採用情報サイトを目立たせたいと思っての施策でした。

インスタ採用の新奇性、話題性が評価され、Twitter、Facebookで話題に上がり、多くの方がサイトを訪れました。

採用可否の決め手は「センス」

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▲KAJAのリクルート「特殊採用(インスタ書類採用)」ページより

2ヶ月で20人もの応募があり、実際に2人採用されたインスタ採用。気になるのは採用の判断基準ではないでしょうか。一体どのように採用可否を決めているのか、伺ってみました。

大熊:インスタ採用の目的はインテリア事業部に多様性のある人材を採用することです。この事業部では、オリジナル家具・雑貨の開発や仕入れ、お客様へ納品・設置するまでの工程を行うため、個人のセンスの良さが業務にとって欠かせません。ですが、履歴書を見ても、面接をしても、その人の素の部分やセンスは分かりませんね。そこで、インスタを見ることになったのです。
インスタ採用の流れは、インスタグラムの投稿画面のスクリーンショットをポートフォリオがわりとし、KAJAの求めるセンスを持つ人全員を最終面接にお呼びする、というもの。
その人の「暮らしと趣味」、「センス」を見て、写真1枚1枚が「なんかいいな」と思えたり、色の組み合わせが豊富だったりする人がインテリア事業部に合うんじゃないかと判断し、最終面接に呼びました。

求める人材は、業界やタイミングによって違うものです。それなのに、応募フォーマットが画一化されている必要はない。そんな気づきを得ることができました。

他者とは違う視点を持つ人を採用できる。その化学反応は計り知れない

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▲KAJAのリクルート「メンバー」ページより

インスタ採用を実施して良かった点は、採用できる人材のバリエーションが増えることだと言います。

大熊:インスタ採用の面白いところは、似ている人が来ないことです。多種多様な人たちの中から、より自分たちの事業に合う人は誰かを探ることができます。
今まで通りの採用方法だと、インテリアに興味のある人ばかりがエントリーして来ていました。インスタ採用を実施したことで、これまでとは違う視点を持つ人との出会いを構築できたのです。たとえば、「家具も雑貨も好きじゃないけど、空間が好き」という人は、特定の家具や雑貨が好きな人と比べると、より広い視野で接客してくれるかもしれません。その違いは、すでに働いているスタッフにも、何かしらの良い影響をもたらすでしょう。その化学反応は計り知れないものです。

社内では「これからのインテリア事業部が変わっていくのが楽しみ」とポジティブな声が多数挙がっています。実際に社員が自ら採用のことを発信したり、これまでより自社のファンになったりと、採用面だけでなく、社内のモチベーション向上に一役買っているのです。

大熊:採用情報サイトには、各事業部のメンバーが座談会形式で仕事のことを語るページがあります。今から1年半くらい前に、milieuの編集長・塩谷舞(しおたん・@ciotan)さんにブログの書き方を教わって、カヤックと共同制作しているものなんです。
せっかく会社に興味を持って採用情報サイトに来ても、仕事の内容がわかるページが少ないともったいないですよね。会社を知ってWebサイトに訪れた人たちが、もっと弊社のことを知りたいと感じたとき、参考にできるページを作り続けているのです。

様々な接点から企業に興味を持った方たちの受け皿をきちんと用意しておきたい。大熊さんはその思いから、自社のサイトのコンテンツ制作に注力しているのです。

本物を知るために、「世界を旅する会社」として楽しく羽ばたいていきたい

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大熊工業の今後の目標は、会社の情報をもっと発信していくこと。大熊さんは、建築の面白さや働き方について情報を届けることに注力したいと言います。

大熊: 今後は、採用面の拡充というよりも、採用情報サイトやFacebookで情報を発信していきたいと考えています。まずは建築の面白さを伝える、「世界を旅する会社」というページの制作を考えています。
私たちの仕事は、ねじりハチマキで図面を書いて、お客さんに「どうですか?」とプレゼンするような仕事だけではありません。建築事業は世界のリゾートホテルをテーマに展開しているので、私が「いいな」と思ったホテルへ、デザイナーや営業担当と一緒に泊まりに行くことがあります。そこで建築やインテリアを学び、ときにはインテリアをどうやったら再現できるか、現地で業者と交渉することもします。私たちは、そういう風に仕事をしています。
こういった働き方を「世界を旅する会社」としてまとめて、発信するのです。採用はもちろん、自社のブランディングに繋がると考えています。

大熊工業の成功事例を、自社の採用活動に生かそう!

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インスタ採用は多様な人材を採用するのに最適な方法だった、ということがわかりました。どの会社も、求める人材は違うもの。現状の採用方法が本当に最適なのか、一度考えてみる余地はあるのかもしれません。

大熊工業の「インスタ採用」が成功を収めることができた要因をまとめてみます。

【成功要因】
①採用方法の注目度の高さ
②求める人材像(多様な人材が欲しい)とセンスを見る採用方法がマッチしていた
③業界にとって新奇性があった

自社を取り巻く環境から抜きん出たいというとき、会社の規模が小さいと、同じ採用方法では良い人材にはなかなか巡り会えないものです。採用活動で悩む中小企業の担当者の方は、業界内でこの採用方法は新しい思うアイデアをたくさん出してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。きっと、探していくうちに自社事業との親和性が見つかり、求める人材に出会える可能性がぐっと広がることでしょう。