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管理職の20%が女性社員!サイバーエージェントが導入する女性活躍促進制度「macalon」とは


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“女性の社会進出”という言葉が叫ばれるようになって久しい現代。

帝国データバンクが2017年7月18日~7月31日にかけて全国2万3767社を対象に行った調査によると、管理職に占める女性の割合はわずか平均6.9%と、非常に低い割合であることが分かりました。女性が活躍できる社会を実現するためには、出産や育児がしやすい職場環境を整えることが重要です。

今回は、2015年から女性が働きやすい環境を実現するための包括的な支援制度「macalon(マカロン)」を導入している、株式会社サイバーエージェントを取材しました。女性の管理職比率が2割にも及ぶ同社は、どのような仕組みを運用しているのでしょうか。

※「まもりの種」は保護(まもる)くんの日本パープルが運営しております。

「あらゆる立場の女性」を支援できる制度を

IMG_8449▲人事本部労務グループの田村有樹子さん。「macalon」制度の立ち上げに携わった。

ー「macalon」を導入することになったきっかけを教えてください。

田村:2014年に行われた社内の経営合宿で、「育児と仕事を両立させたい女性を支援する制度を作ろう」という話が挙がったことがきっかけです。その案を実現するために、人事部で仕組みづくりを任せられました。

ーどのようにして制度を設計したのですか。

田村:最初は「妊活くらいインパクトのあるものをやろう!」という案が出ていたのですが、みんながみんなお子さんを産みたいと考えているわけではありません。私達はよく「しらけのイメトレ」という言葉を使うのですが、何か制度を作ろうとしたときに、対象とする人の反対の立場の人が使えないようなものだったり、しらけてしまうようなものだったりすると、制度として上手くいかないという考えを持っています。

なので、「妊活」という1つの考え方だけでなく、あらゆる立場の女性をサポートできる仕組みをパッケージ化して、みんなに積極的に使ってもらえるようにしたんです。「ママ(mama)がサイバーエージェント(CA)で長く(long)働く」という意味を込め、「macalon」という名称に決まりました。

「macalon」の概要と実施状況

導入当初からあった5つの制度

1.妊活休暇
不妊治療の通院等に月に1回使うことができる休暇。当日取得も可能。

2.妊活コンシェルジュ
月に1回30分、専門医や保健師の個別カウンセリングを受けることができる。月に3名受けられるようにしていたが、リリースした直後は特に反響が大きく、枠を倍に増やして運用していた。今でもコンスタントに月に3人程度の利用がある。

3.キッズ在宅勤務
子供の看護や通院時に在宅勤務を認めるもの。急な通院後半日など、当日取得も可能。

4.キッズデイ休暇
学校行事や誕生日などの記念日に、年2回半休を取ることができる。半休にすることによって、「パパ社員」も取得がしやすいよう配慮しているため、パパ社員からの反響が特に大きい

5.エフ休(Female休暇)
女性の有給取得申請はすべて「エフ休」に統一した。上司や周囲に利用用途が分からないよう配慮している。

※エフ休の全体イメージ
①妊活休暇
・子供を授かる為の通院等に取得できる特別休暇。不妊検査、不妊治療に利用
・本格的治療(体外受精、顕微授精等)で、入院・長期の休みが必要な場合は人事に相談。特別休職などで対応
②年次有給休暇(プラス月1日)
生理休暇
・生理日の就業が著しく困難な場合取得できる特別休暇
婦人科治療
・婦人科系治療の為の通院等に取得できる特別休暇
・不妊検査より前の治療・通院(子宮、乳房の疾患・検査)に利用
つわり
・つわりが重く就業が著しく困難な場合取得できる特別休暇
・安定期前(4ヶ月ぐらいまで)を目処。1週間出社できないような状態の場合は、人事に相談。傷病休職へ切り替えるなど対応
妊娠中検診
・妊娠初期、定期検診のための通院時に取得できる特別休暇
・妊娠23週まで4週に1日、24〜35週まで2週に1日、36週以降1週間に1日
年次有給休暇
・理由を問わず取得可能。年1回、勤続年数に応じて付与
・最大40日、次年度まで持ち越し可能

2016年6月に新たに追加された3つの制度

1.おちか区ランチ
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保活情報や育児にまつわる情報についての情報交換・相談ができるよう、同市町村区に住むママ社員のランチ会費用を補助。同じ市区町村に住むママ社員が4名以上集まれば実施が可能で、4ヶ月に1回、1人当たり3000円のランチ代を会社が負担する。

2.認可外保育園補助
認可保育園・認証保育園に子供が入れず仕事復帰できない社員を対象に、高額な認可外保育園料の一部を会社が負担。ネットに投稿された「保育園落ちた、日本死ね!!!」という文章が話題になったことを受けて制度化したという。

3.ママ向け社内報「mama:HO」
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育児と仕事を両立するママ社員の経験談や会社の最新情報を掲載し、産・育休中のママと会社、ママ同士をつなげる社内報。社内のママ社員有志で制作し、ママ社員の自宅に郵送している。メールなどでたくさんの感想が送られてきたり、男性社員からも「欲しい」という声が挙がったりしているなど、反響は大きい。

経営者と社員の架け橋になり、社内でカルチャーを醸成することが必要

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ー制度を運用する中で、新たに課題になっているや今後実現したいことがあれば教えてください。

田村:実はこの前、「おちか区ランチ」について社員から「これって、さすがに子供が高校生くらいだったら適用されないですか?」という素朴な疑問をもらったんです。制度を利用するママたちは1〜2歳くらいのお子様がいる方が多いのですが、たしかに子供が大きくなってからも「中学受験どうするの」「高校生になったら男の子ってどうなるの」とか、悩みは尽きませんよね。

おちか区ランチで繋がった人たちが、子供が大きくなってからもエスカレーター的に繋がっていけるような周知をそろそろしてもいいのかなと考えたりしています。当面のママたちの課題は、「保育園入れるか」といったことにいきがちなんですけれども、macalonが目指すのは「女性社員が長く活躍できる制度」なので。

お子様も大きくなっても、ママたち同士が繋がっていけるようなサイクルができたらいいなと考えています。

ー女性が働きやすい制度をこれから社内で作ろうと考えている方に、アドバイスをお願いできますか。

田村:10年前にmacalonみたいな制度をやりましょうといっても、上手くはいかなかったと思います。ママ社員が増えてきて、「妊活」という言葉が世の中で使われるようになったタイミングだからこそ、実現できました。

私たちはよく役員から「経営者と社員のコミュニケーションエンジンになりなさい」と言われています。それは、経営者のメッセージをうまく噛み砕いて社員に伝えてあげることだし、社員が何を考えているかを経営陣に伝えることです。経営者の希望と社員の希望が相反することも当然ありますが、それを常にやり続けたことによって、制度より先にカルチャーが醸成されると思うんです。

なので、「制度」という大きな視点で見るのではなく、まずは経営と社員と対話をしながら、「今起きていることは何なのか」を把握し、カルチャーを作っていくことが大切なのではないかと思います。

制度の運用を成功させるために、2つのポイントを抑えよう

サイバーエージェントには、女性社員が働きやすいように隅々まで考え抜かれた制度があり、社会の状況に合わせて進化を続けています。

制度を作る上で特に大切なのは「社内にカルチャーを醸成する」「反対の立場の人がしらけない制度にする」こと。この2点を意識して作られているからこそ、制度をきちんと運用させることができているのです。

これから新たに制度を作ろうとしている方や、現行制度が上手く運用に乗らずに悩んでいる方は、この2点を意識するようにしてみてはいかがでしょうか。