人が集まる仕掛け満載!「はたらくをもっとおもしろくする!」独創的なオフィスに込めた思いとは?

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働きやすいオフィスの環境づくりは、業務の生産性向上と、社内コミュニケーションの活性化に欠かせません。とはいえその実現には物理的な時間や資金が必要となり、二の足を踏むことが多いのではないでしょうか。

今回取材させていただいた株式会社Legaseedは、今年11月で創業5年を迎えたベンチャー企業。しかし、早い段階からオフィスづくりに力を入れ、100坪を超える広さのツーフロア(2F・3F)に独創的な空間をデザイン。さまざまな人を呼び込むことによって、 ビジネスの大きな推進力につなげています

同社は、企業活動においてオフィスをどのような位置付けでとらえているのか。代表の近藤悦康さんに、オフィスづくりに込めた思いやねらいなどについて伺いました。

株式会社Legaseedってどんな会社?

株式会社Legaseedは、「はたらくを、しあわせに」を経営理念に、企業人事に対するコンサルティングを主軸としたビジネスを展開。そのなかでも新卒採用を切り口に、既存社員の意識変革や、組織づくりに大きなゆらぎを起こすサービスを提供しています。

人材採用の設計から、集客プランの構築、会社説明会・選考会のプログラムづくり、面接官のトレーニング、そして、内定者の育成にいたるまで。一気通貫のユニークなコンサルティング業務に、オフィスがどのような役割を果たしているのか。その関係に迫ります。

多彩な表情をもつオフィス。場づくりに込めた3つの思い

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▲2Fエントランス。ワラのトンネルを抜けると……

2階のエントランスには、ワラにつつまれたトンネルが……そして扉を開けて入ってみると、天井いっぱいのバオバブの木がお出迎え。いきなりLegaseedの世界観に引き込まれます。

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▲バオバブの木のオブジェ。永遠に続く会社でありたいという考えを表現

コンセプトは『都会の秘密基地』。幼い頃、川辺や山などで自分だけの秘密基地を発見すると、とてもワクワクしませんでしたか。そんな興奮や喜びを、都会のオフィスに再現できたら楽しいだろうなと思ったんです」

奥に進めば、開放的なカフェスペース、バーにもなるキッチン、ライブラリー、整理整頓された執務スペースなど、趣向を凝らした数々の「場」がつくられています。なぜオフィスづくりに力を入れているのかを尋ねると、3つのねらいを教えてくれました。

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▲ダーツ台もあるカフェスペース。奥にはキッチン&バーも

1、社員の働きやすさと、誇りをつくるため

「弊社の仕事は、学生さんへのテレアポから面談、採用に関わる多様なツールづくりなど多岐にわたるため、 仕事に合わせて集中できる場を選べるように、多彩な空間を用意しています。『チェンジスペース』と名付けたワークスタイルで、パフォーマンスの最大化をねらっています

来社した方々からは、「ここまでこだわったオフィスは見たことがない」「私もこんな環境で働けたら」といった意見が多く、社員のモチベーションにもつながっていると言います。

2、採用の優位性を強めるため

「通常の会社説明会は、自社の会議室やセミナールームを借りて行われることが多いのですが、弊社では オフィス全体を解放するイベント『オープンカンパニー®』を定期的に開催。大学のオープンキャンパスのように、学生さんが実際にオフィスを見て、社員と触れ合い、仕事を体験できるプログラムを通じて、弊社の理念を伝えています」

オフィスの独自性とプログラムのユニークさが人気を呼び、毎回100名以上の学生が参加しているのだとか。一味違う会社であることを印象付けることで、優秀な人材確保につながっているそうです。

3、営業効率を上げるため

一般的にサービスや商品に対する問い合わせを行った場合、相手先が営業に来るケースが通例です。しかしLegaseedはまったくの反対。問い合わせてきた先方に、“一度、ご来社ください”と切り出すそうです。

「理由のひとつは、オフィスそのものに会社の理念が込められているため、弊社が 大事にする価値観や学生が集まるメカニズムを直接ご体験いただけること。もうひとつは、 問い合わせの本気度をふるいに掛けられることです。もし本当に悩みを抱えていれば、自ら出向いてでも解決したいはずですから。つまり、本気の覚悟で来社されるお客様に、本気のご提案ができるため、決定率も格段にアップします。 こちらから出向く人件費や交通費を考慮すると、結果的には、オフィスへの投資が営業効率の向上に作用しています」

一つひとつの「場」に、意味と制度を設けること

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▲3Fは宇宙船をテーマに

打って変わって3階は、近未来的なつくり。このフロアは多種多様なセミナーの開催や、学生との面談、企業とのマッチングスペースとして活用されています。

コンセプトは『宇宙船』です。構想を練っていく段階で、学生さんのキャリアを考えられる場にしたいと思いました。スペースがもつ意味から着想を得て宇宙船をテーマにし、 学生さんの無限の可能性を引き出せるような、成長支援の場にしていきたいと考えています」。

一見すると奇抜に見えるアイデアも、紐解けばしっかりと会社の理念を体現しています。 オフィスづくりにあたって近藤さんは常に、一つひとつに意味を込めること、目的意識を考えることを大切にしているそうです。

「たとえばバオバブは1000年生きる木なので、永遠の命を持つ会社をつくりたいという思いを投影しています。一方でコンサルタントになるには知識が必須なため、ライブラリーを設置しています。そして、今年6月に新設した『ブリッジ』というスペースには、“船橋”の意味にちなんで、会社の方向性を考える場にしていくねらいがあります」

また近藤さんは、 場づくりに併せて社内制度をからめる工夫を行うと、より効果的にオフィスが活用されると言います。たとえばキッチン。ここには社食制度が組み合わされていて、月水金に当番となった3名が手作りランチをつくることになっています。部署が違う社員同士が協働することよって、コミュニケーションが活性化するとともに、会社全体に健康意識が広がっているそうです。

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▲多種多様なセミナーが開催される。右本棚には企業のパンフレットも

社員の当事者意識がより良いオフィス環境をつくる

さまざまなメリットをもたらしているLegaseedのオフィスづくり。とはいえ、ここまでつくり込むのは難しかったはず。

大事なのは設えることではなく、社員一人ひとりに、自分が働くオフィスであるという当事者意識をもたせることです。その意識づくりから始めなければ、どんなオフィスをつくってもパフォーマンスで終わってしまいます。むやみに新しいものを加えるのではなく、 まずはいまの環境を良くしていくのが第一歩。次のフェーズとして、コミュニケーションの活性化か、生産性の向上のどちらかに着目した企画やスペースをつくると効果的です」

同社では、社員がオフィスの状態を自分事としてとらえる意識を忘れないように、毎朝20分間をかけてその日の持ち場を掃除することや、定置管理を徹底させているそうです。さらに月一回、近藤さんが自ら環境整備チェックを実施。全員でキープしていく大切さを伝えています。

「学生さんや企業の皆さまには、本当に貴重な時間を使って来社いただいています。だからこそ、その 期待値を上回るオフィスであること、感動していただけることを目指しています。もちろんそのためには、社員一人ひとりの心がけも重要なため、常に感謝をこめた対応ができるように意識させています」。

さらなるアイデアで、はたらくをもっとおもしろく。

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▲代表の近藤さん。ライブラリーの前で

Legaseedは毎年ひとつ、新たな仕掛けをオフィスに加えているそうです。今後のアイデアを尋ねてみました。

「新しくフロアが空いたら、ジャングルみたいな空間と、凄い和のスペースをつくりたいですね(笑)。直近でやろうとしていることは、会社の数字や社員の健康状態を見える化することです。社員が会社や仲間の状態を客観的に分析できるようにすることで、より良いイノベーションにつなげられればと思います」

近藤さんの一つひとつの思いやアイデアは、結果として「都会の秘密基地」「宇宙船」という形で実現しています。まずは普段の整理整頓、小さな改善から、独自のオフィスづくりを目指してみてはいかがでしょうか。