2021年6月16日お役立ち情報
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IT化とDXの違いは?DXの前提となる電子化の重要性とは?

馴染みのある言葉となって久しい「DX」という言葉。知っているけれど、正確に説明できるかどうか不安だという方もいるでしょう。今回はDXについて、IT化との違いや今注目されている理由、これからの企業としての取り組み方について解説していきます。

DXとIT化は何が違うのか

DXと混同されることの多いIT化。まずはこの2つの言葉の意味の違いについて確認していきましょう。

IT化とは?

ITとは、Information Technology(インフォメーションテクノロジー)の略語で、コンピュータとネットワーク技術の総称です。IT化とは、デジタル技術を用いて作業・業務の効率化を行うことを指します。これまでアナログで作業していたことをITに置き換えることで、作業時間を短縮させて社員の残業を減らすといった「生産性の向上」を目的としています。

DXとは?

DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略語で、企業がデジタル技術を活用し、ビジネスモデルや企業そのものを変革していくことを意味します。従って、自組織をどうしたいのかというビジョンを描くことが成否を分けるポイントとなるため、IT部門だけが取り組むことではなく全組織で取り組む必要があるのです。

DXの定義は存在していませんが、経済産業省では「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」の中で以下のように位置づけています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」(出典:「DX推進ガイドライン Ver.1.0(平成30年12月)」)

このようにITを駆使して、組織全体の変革に取り組むことがDXの根幹と言えます。

DXとIT化の違いとは

大まかに見るとDXとIT化は同じように感じるかもしれませんが、この違いを明確に理解することはビジネスを一歩進めるためには肝要です。

IT化は組織の生産性向上を「目的」としてIT導入やデジタル化を進めるのに対し、DXはそれを「手段」としてビジネスモデルの変革を行います。つまりIT化はDXにおける手段のひとつということになります。「新しい会計ソフトを導入した」「インターネットを高速化した」だけでは単なるIT化に過ぎず、例えばその後に「支払い方法の選択肢を多く提供することで、顧客層が幅広くなり、データを使ったビジネスもできるようになった」といった具合に、これまでの仕組みが変化することそのものがDXということです。

今なぜDXが注目されているのか

今なぜDXが注目されているのか。きっかけは2018年に経済産業省が発表したレポート『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』にあります。同レポートは、DXへの取り組みが進まないと2025年以降に最大12兆円の経済損失が生じる可能性があると示しました。今ビジネスモデルの変革を行うことが重要であるということです。特に少子高齢化によって労働人口が減少している日本では、今後さらに進むであろう人材不足の穴を埋めるための改革も必要だと言われています。その有効な手段がDXだということです。このレポートは、国内企業のDXに対する認識を高める役割を果たしました。
(出典:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~

DXの成功事例

DXを推進することが企業にもたらすメリットとは一体何なのか。DXの事例は膨大にありますが、ここでは2つの事例に絞ってメリットを含めて見ていきましょう。

家庭教師のトライ

家庭教師派遣事業を行うトライグループ(家庭教師のトライ)では、既存のノウハウを活かした「Try IT」という中学生・高校生向けの映像授業サービスを提供。学生がスマホで利用しやすいよう1回15分の授業を配信、講師に質問する仕組みを整えました。ITを活用することのみならず、15分というちょうど良い時間のコンテンツを配信することで、これまでの「家庭教師の派遣事業」から「学習コンテンツを提供するビジネスモデル」へと大きく舵を切りました。

大塚製薬

大塚製薬はポカリスエットやカロリーメイトなど健康食品の生産・販売で有名ですが、医療品事業も大きな柱となっています。同社は、異なる処方薬の飲み忘れ防止「アプリ」をNECと共同で開発。利用者の服薬をサポートする目的だけでなく、服薬に関連するデータを収集・分析することで新たなビジネスモデル確立を目指しています。

DX推進が企業にもたらすメリット

DXが企業にもたらすメリットとして下記が例として挙げられます。

働き方改革・生産性向上

DX推進で最大のメリットは、ビジネスモデルや企業そのものを変える上で前提となる業務の効率化や生産性の向上と言えるでしょう。DXに取り組む際にまず最初に行うべきことのひとつはIT化ですが、既存の作業をデジタル化することで仕事に余白が生まれ、より重要な仕事に時間を費やすことが期待できるのです。

新たなビジネスモデルの確立

これまで見てきた通り、DX=ビジネスモデルの変革です。新型コロナウイルス感染症などの外部要因を含めた変化が著しいマーケットを生き抜いていくためには、既存のスタイルからの脱却、新たなビジネスモデル確立を目指すことが重要になってきます。DXに取り組むことで企業の新たなビジネスの源泉を発見できる可能性があります。

DXの前提となるIT化で重要なこと

これまで DXとIT化の違いを中心に見てきましたが、なんといっても前提となるのがIT化。IT化にはさまざまなポイントがありますが、そのなかでも下記はとりわけ重要です。

データの電子化

今、テレワークの普及とともに、データの電子化に取り組むことが主流になっています。これまでの組織のあり方や仕事の方法を棚卸するという意味も込めて、電子化は必須とも言えるでしょう。

クラウドなどの活用によるリモート環境の整備

リモート環境の整備はデータの電子化と平行して取り組んでいきたい事項です。働き方の多様化が求められている今、どこにいてもオフィス同等の仕事ができる環境作りを行っていきましょう。

IT化を進めるうえで役に立つサービス

DXを進めるうえで重要なのはスピードです。そのためにはIT化の導入を迅速に行う必要があります。そこでおすすめするのが電子化の外部委託サービス。下記に、満足度が高いと言われている日本パープルの電子化サービスのおすすめポイントをご紹介します。

<おすすめポイント>

  • ・文書のスキャニング・データ入力代行から原本の保管・廃棄までを一括サポート
  • ・納品形態は各企業の事情に合わせ、CD-RやDVD-R納品、ハードディスク納品、システムアップロードなどが選べる
  • ・最新のセキュリティ対策が導入された厳重な保管庫を有しており、契約書の保管も安心

電子化における企業のお悩みを解決する便利なサービスが充実しています。

DX推進は電子化から。スピーディーな変化のためには外部委託の活用を

IT化を発展させ、企業のビジネスモデルを変革させるDX。本記事ではIT化とDXの違いをおさらいしました。また、実現のためには、まず企業のIT化を迅速に進める必要があることも確認しました。外部委託サービスを上手く活用して、DXへの基盤を整えることが重要です。

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