2016年8月15日お役立ち情報

20時強制退社!?日本一制度の多い会社を目指す、テモナ株式会社を訪問

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本メディアでも度々お伝えしているように、近年会社の成長に沿って独自の制度を導入する企業が増えています。
カレンダーの土日祝日と平日をオセロに見立てたオセロ休暇を導入する未来工業株式会社さんや、朝ヨガを導入するレバレジーズ株式会社さんなど様々な企業がある中で、社員主体で制度をつくり、会社をよくしていくことで、日本一制度が多い会社を目指すテモナ株式会社さんをご存知でしょうか?

今回はそんなテモナ株式会社さんに、多数の制度を作ることになったきっかけや、制度を導入した効果について伺って参りました。

たまごリピートとヒキアゲールで話題のITベンチャー、テモナ

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2008年に設立されたというテモナ株式会社
現在は主にEC事業者向けのサービス開発を行っており、ECサイトのリピーターを増やすたまごリピートと、お客様の行動履歴・購入履歴などの情報を分析し、1人1人に合わせて自動的にLPを差し替えるヒキアゲールという2種類のメインサービスを行っています。

もちろんプライバシーマークもしっかりと取得しており、右肩上がりに成長を続ける、今注目のITベンチャーです。

会社の成長に貢献した、100の行動リレーとそこから生まれた発想力

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画像:今回お話いただいた、経営管理グループリーダーの工藤長人氏

そんなテモナ株式会社ですが、多数の制度を取り入れるようになったのは実はここ数年なのだそう。元々は現在の社長が3人で始めたという同社。現在は40数名の社員を抱えているそうですが、数年前までは15名程度しかいなかったのだとか。

その頃は少人数ということもあり、社員1人1人が自発的に行動するというよりは、どうしても社長の考えを中心にみんなが行動するという形だったそうです。
しかし社長も忙しいため外出が多く、いつも社員のそばに居られるわけではありません。そのやり方のままではどうしても事業拡大、社員の増加が難しいということで1人1人が同じ目標、理念に向かって考え、自発的に行動できる会社を目指すことにしたそうです。

とはいえ、社長の考えを中心に動いたメンバーが、急に自発的に考え、行動することはできません。そこで社長が社員のみんなに命じたのが100の行動ラリーです。

何でもいいから、とにかくみんなで100個アイディアを出し、実現してみなさい」という趣旨の100の行動ラリー。言われるがまま会社のメンバーはとにかく考え、みんなで富士山に登ってみたり、つけヒゲをつけて仕事をしてみたり、社員の元気が無くなったときのために元気がでる動画を作ってみたり、会社の歌を作ってみたり、意味があるのかないのか分からないことをとにかく100個実現したそうです。

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しかし、100個終えたところで「まだ足りない」ということで、もう1セット100の行動ラリーが行われたのだとか。合計200のアイディアを出し、実現したメンバーは気づくと自発的に考えることのクセがついていました。
また、とにかく大量にアイディアを出して行動に移して行く内に生み出されるアイディアも精査され、質の良いものへと変わっていった,そうです。

それ以降、メンバー全員が会社の理念、目標に向けて自発的に考え、行動することができるように。その後は採用面でもそういった意向に沿った人のみを採用するようになり、1人1人アイディアを持った社員が40数名も集まる現在のテモナ株式会社ができました。

会社の現状に危機感を覚える経営者は多いものの、短期的な利益を顧みず、長期的な成長を考えて実際に施策を打てる経営者はなかなかいません。この時の社長の決断が会社の大きな成長に繋がったと言えるでしょう。

社員1人1人が自発的に生み出した、会社を成長させる制度とは?

そんな同社には、実際にどのような制度があるのでしょうか。
現在導入されているという制度の一部をご紹介します。

本当の意味で生産性を上げる!20時強制退社制度

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10:00〜19:00が定められた労働時間だという同社。元々は21時強制退社制度というものがあったそうですが、「ベンチャー企業なんだからもっと仕事がしたい」、「会社の成長のためにもっと仕事をするべきだ」という声が挙がり、一度廃止になったのだとか。

しかし、実際にいくらでも残業をできる環境になったところ、時間は増えたものの質が低下し、ミスの頻度が高くなるという問題が浮上しました。仕事のミスは、1つ挽回するためにその何倍もの労力を費やさなければなりません。
結果的に本来やらなくてもいいはずの業務がどんどん増えていき「効率が悪い」「生産性が下がっている」という結論に。そこで新たに生まれたのが20時強制退社制度です。

ここで注意したいのは、この制度は20時になったら家に帰れるのではなく20時までにその日の業務を絶対に終わらせるという趣旨の元にあるということ。そのためには日中どう働くべきなのか、1人1人が考えて行動する必要があります。どうしても20時以降も残業をしなければならない場合は事前にきちんと申請を出すという徹底ぶり。

結果的に1人1人の仕事のパフォーマンスが上がり、生産性が向上しました。

自分の人生と会社の方向性マッチしてる?社員夢制度

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1人1人が自発的に考え、行動する同社。
そのためには、ある程度みんなが同じ方向を向いている必要があります。

そこで同社が大切にしているのが社員夢制度
入社時に「なんのために自分の人生を使うか」「こういうことをして生きていきたい」という夢や目標を書き、社員全員の前で発表を行うそうです。

基本的に個人個人がもつ夢と、会社の理念「世の中をてもなくする」(便利にする)がマッチする人を採用しているため、ここで語る”夢”も他のメンバーが共感できるようなものが多いとのこと。

これをみんなの前で発表することで、「あの人はああいうことをやりたいって言ってたから、うちの会社の中でもこの仕事が向いているんじゃないか」「あの人あれやりたいって言ってたし、これ紹介してみよう」といったように、お互いがお互いの夢に協力し合うことができます。

また、人間関係において、相手のことを良く知らないから不信感を抱いてしまうことがトラブルの元になってしまうことがありますが相手の夢を知ることでなんとなくこれまでの相手の人生や、これから目指して行く方向性を知ることもできます。

世の中をてもなくするために!社長育成制度

また、社長育成制度というものもあります。
世の中をてもなくする」(便利にする)ために、優秀な起業家をたくさん排出したいと考える社長が、月に一度のペースで他企業の成功している社長を招き、社内でセミナーを開くのだとか。

社員の中には将来的に独立を目指す人が多く、そうでない人にとっても自身の成長のために非常に有意義な時間となっているそうです。

会社を変えたのは、共通の目標と1人1人が考える制度だった

事業拡大、社員の増加のきっかけになったと言っても過言ではない社内制度
社員1人1人のアイディアが社内制度をつくり、その制度によって業務が効率化され、生産性も上がっているのです。

そしてテモナ株式会社の強みは、なんといっても全員が同じ方向を向いているということ。個人事業ではなく複数人の会社であることの強みが、みんなが同じ方向を向くことで最大限に活きてきます。

みんなで同じ方向を向くこと、そしてその上で1人1人が共通の目標に向かってアイディアを出すことが両立されている同社はこれからも現状に満足せず、新たな制度をどんどん導入すること成長を続けていくのではないでしょうか。

みなさんの企業でもテモナ株式会社を参考に、会社であることの強みを最大限に活かせるような仕組み作り、制度作りをしてみてはいかがでしょうか。

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