2019年10月9日お役立ち情報
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拡大するHRテックの市場規模。ランキングからみた最新情報を紹介‼︎

HRテック
労働力人口の減少が問題視される中、企業の人事関連業務を支援するHRテックに注目が集まっています。すでに多くの企業で導入されているHRテックですが、その拡大背景には何が要因となっているのでしょうか。
今回は、HRテックの導入効果から現在の市場規模、HRテックのランキングなど最新情報をお届けします。

HRテックとは?対象業務と導入効果を解説

導入効果
HRテックとは、「HR(Human Resource):人的資源」と「テクノロジー(Technology)」を掛け合わせた造語です。人工知能(AI)やクラウド、ビックデータ解析などの最先端技術を活用して、人事業務領域が抱える課題を解決し、効率よく質の高い業務を支援するサービス全般を指します。ここでの人事業務とは、採用・育成・勤怠・評価・配置など、人的資源に関わる業務から、給与計算や労務管理まで幅広い領域を含みます。
では、HRテックの具体的な導入効果について見ていきましょう。

HRテックの導入効果

HRテックの導入で期待される主な効果は以下の3つになります。

定型業務の効率化
これまでExcelやその他のシステムで多重管理していた給与計算・勤怠管理・従業員の労務管理など、企業のバックオフィスには定型的なオペレーション業務が煩雑していました。こうした時間と労力がかかる業務も、APIやRPAなどのHRテックの導入によって、データ入力の自動化・一元管理が可能になります。常に安定した成果を生み出すHRテックは、ヒューマンエラー等を未然に防ぎ、人件費の削減にもつながるのです。その結果、余ったヒューマンリソースを、ロボットにはできない創造性が求められる価値の創出など、売上拡大に直結する業務に当てることができます。

データに基づいた最適な人材配置と採用
人事の経験や勘に頼ってきた人材配置や採用業務も、HRテックの導入でデータに基づいた客観的な意思決定が可能になります。AIによって解析されたデータを活用し、従業員一人ひとりの特性を活かした業務への人材配置や育成プランの作成。働き方改革を背景に進む働き手の多様化にも、採用前に応募者の個性を多角的に把握し、自社に適した人材かを判断できます。企業へのメリットはもちろん、従業員にとって最適な職場環境の提供となるでしょう。

コミュニケーション活性化と従業員満足度の向上
ビジネスチャットやビデを通話などのコミュニケーション活性化ツールもHRテックの一つです。従業員同士の柔軟かつ円滑なコミュニケーションがストレスフリーな人間関係を構築し、上司によるマネジメントの向上にもつながるでしょう。また上記で紹介した定型業務の効率化や最適な人材配置は、従業員満足度を高め、離職率の低下と定着率の向上を進めます。現在は、従業員満足度をアンケートによってデータ化する従業員サーベイの導入も活発化しています。

従業員満足度についてはこちら→企業の持続的な成長に欠かせない従業員満足度とは?考え方や事例を紹介

拡大するHRテック市場、その普及背景とは?

HRテックのクラウド市場
(ミック経済研究所:「HRTechクラウド市場の実態と展望2018年度版」をもとに作図)

ミック経済研究所による、2017年〜2019年度のHRテック市場規模調査によれば、2019年度のHRテックのクラウド市場は355.0億円と、前年度から141.5%成長しています。また、同社では2023年度には1000億円以上の市場規模になると予測しています。
今後も拡大し続けるHRテック市場ですが、その背景には何が要因となっているのでしょうか。

HRテックの普及背景

HRテックの普及背景には、以下の3つの要因が考えられます。

SaaSの普及
従来のHRテックでは、ソフトウェアのパッケージを購入し、社内のサーバで管理するオンプレミス型が主流でした。オンプレミス型は追加アップデートのたびに課金する仕様のため、二の足を踏む上、初期費用が高く、中小企業への導入は現実的でなかったのです。しかし、定額課金性のクラウド型サービス「SaaS」の登場により、企業は常に新しいバージョンでサービスを利用でき、初期投資を抑えた導入が可能になりました。

スマートフォンなど、デバイスの変化
スマートフォンやタブレットの普及によって、現在は人事以外の従業員でも簡単に自身のデータを入力できるようなサービスが登場しています。その結果、これまで紙やメールで提出されていたデータを手作業で一つひとつ入力していた人事業務への負担が減り、正確なデートをリアルタイムで管理できるようになったのです。従業員が入力したデータへの迅速なフィードバックや、全体への広報など、アウトプットにおいても人事業務を効率化させています。

労働力人口の減少による人材確保
少子高齢化を背景に、日本では労働力人口の減少が大きな問題となっています。今後企業には、限られた人的資源の中での生産性向上が求められます。そこでポイントになるのが優秀な人材の確保です。現在はダイバーシティ経営など、人材確保には従業員の多様性を認めた上での最適な人材配置、多様な雇用形態を進める管理システムの導入が必要になります。そのため、バックオフィスの採用活動や勤怠管理を支えるHRテックに注目が集まっているのです。

ダイバーシティ経営についてはこちら→ダイバーシティ経営とは?経済産業省の推進背景や事例を紹介‼︎

HRテックの最新情報

最新情報
2019年7月5日、企業が抱える業務の課題解決に寄与する、HR Techサービスを表彰するコンテスト「HR Tech GP2019 Final」が開催されました。ここでは、受賞した3つの企業とサービスを紹介します。

グランプリ:株式会社KAKEAI

見事グランプリに選ばれたのが株式会社KAKEAIです。属人的になってしまう上司から部下へのマネジメント。部下が日々何を感じ、どのような状況にいるのか、KAKEAIは脳科学に基づいて上司と部下の掛け違いをなくすAIシステムです。従業員満足度にも大きな影響を及ぼすマネジメント領域において、「個人に眠っている知見が広く展開される状態を創出した点」が評価されました。

参考記事: HR Tech GP 2019「KAKEAI」がグランプリを獲得!

人事賞:株式会社トランス

AIが採用候補者の入社後活躍・退職確率を予測するサービス「TRANS.HR」を提供する、株式会社トランスが人事賞を獲得しました。人的資源の獲得が課題になる中、企業は離職率を抑えた従業員の定着率向上が求められます。事前に採用候補者をデータに基づいた分析で評価できる点は、まさに人事の採用活動や適切な人材配置において、画期的なサービスといえます。

参考記事:TRANS.,Inc(株式会社トランス)

オーディエンス賞:株式会社soeasy

オーディエンス賞には株式会社soeasyが選出されました。同社が提供するスマホアプリ「soeasy buddy」は、企業に蓄積された従業員が持つノウハウを、スマホ一つで簡単に共有できる組織強化ツールです。AIや動画、チャット機能を活用した情報共有の仕組みによって、従業員同士のコミュニケーションが直接生産性の向上につながります。

参考記事:soeasy buddy: AIと動画を使った組織力強化ツール

自社に合ったHRテックの導入を

今回はHRテックの普及背景から最新情報まで紹介しました。今後、企業成長や競合他社との優位性確立にはHRテックの活用がポイントになるでしょう。とはいえ、HRテックが対象とする業務領域は広く、サービスもさまざまです。そのため、まずは自社の課題を洗い出し、課題解決に役立つHRテックの機能を明確にした上で比較検討しましょう。
また、HRテックは必ずしも人事などのバックオフィスに限ったサービスではありません。今後は従業員一人ひとりが活用するツールとなり、全社的な取り組みとなることが予想されます。人事担当者は、HRテック導入による効率化された業務の先にあるイノベーションの創出に注力し、戦略的な経営視点を持ちましょう。

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