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「専業禁止」が理念!?パラレルワークの先駆け・株式会社エンファクトリーにその真価を聞く


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近年においては副業や兼業の解禁が大きなトピックとなり、大手企業からその動きが活発化しています。しかし全体として容認・推進している企業は2割*ほど。長時間労働の助長や情報漏えいなどの懸念から、全面的な解禁をためらう声が多いのが現状です。

*出典:株式会社リクルートキャリア『兼業・副業に対する企業の意識調査』

そういったなか、2011年の創業当時から「専業禁止!! 〜生きる力、活きる力を身に付ける〜」を人材理念に掲げて「パラレルワーク」を推奨しているのが、株式会社エンファクトリーです。そこで今回は、時代に先駆けてその取り組みを始めた同社代表取締役社長 加藤健太さんに、専業禁止の意図、パラレルワークの価値などについて伺いました。

※「まもりの種」は保護(まもる)くんの日本パープルが運営しております。

株式会社エンファクトリーってどんな会社?

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▲代表取締役社長 加藤健太さん。リクルートを経て、AllAboutの創業メンバーとして財務、総務、人事、広報、営業企画など裏方周りのあらゆることを担当し、取締役兼CFOとして2005年に IPO。その後、現在の株式会社エンファクトリーを分社し代表に就任

株式会社エンファクトリーは、あらゆる「もの・こと・ひと」をつないで「縁」を築いていくことを目指して、オンラインショッピング事業、専門家マッチング事業、プロジェクト開発受託事業を中心にビジネスを展開している企業です。

一方で、専業禁止やパラレルワークといった言葉がフックとなり、さまざまなメディアの取材や関係機関からのヒアリングも受けています。加藤社長はそれらのキーワードについて「会社を立ち上げる以前から考えていたことを鮮明にしたもの」であるとともに、「社会に対する一つの提案であり、私たちの挑戦」であると語ります。

専業禁止は、積極的なチャレンジを促す「機会提供」の一つ

2▲エンファクトリーのパンフレットに入っている言葉

-専業禁止を人材ポリシーに掲げている意図は何でしょうか。

加藤:一つの、バズワードです。それによって多くの企業や機関から取材依頼がありましたから(笑)。

それはさておき……いまの時代、特にインターネットの普及後には、個人でさまざまなことができるようになりました。ネットで仕入れや調達できたり、PRができたり、その自由度や可能性が広がっているのは従前たる事実です。

その一方で企業側でも、バブル崩壊から経済的な環境が大きく変わりました。安泰と思われていた大企業が潰れたり、年功序列や終身雇用といった仕組みも機能しなくなっていたりします。

こうした時流のなか、個人も企業も、時代に合わせた変化が求められています。個人としてどう生きていくか。企業としてどうあるべきか。個々の自立が求められるいまだからこそ、“複業できる機会や時間があるのなら、積極的に挑戦して力を付けたほうがいい”というスタンスで、専業禁止を掲げているのです。

-それに続く言葉「生きる力、活きる力を身に付ける」にはどんな思いが込められているのでしょうか。

加藤:具体的な能力というよりも、さまざまなチャレンジをしていくなかで気付きを得て、自らの力を磨いていく姿勢を意味しています。答えは一つではないし、正解も不正解もありませんから。

しかし会社の仕事だけでは、そうした機会のすべてを提供できるわけではありません。そこで、「機会提供」の一つとして、パラレルワークを推奨しています

パラレルワークの成否を決めるのは、社員の「態度表明」と会社の「決意」

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▲enTerminalでプレゼン中の様子

-現在、どれくらいの社員さんが、どのようなパラレルワークをされていますか。

加藤:全体の6割がやっています。起業している者もいれば、個人事業主もいます。新しい事業やサービスの立ち上げや、タスク型の編集・開発のお手伝いなど、いろいろなことをしています。

-運用に当たっては、何かルールなどを設けているのでしょうか。

加藤:一つだけあります。それは、半年に一度行う「enTerminal(エンターミナル)」というイベントにおいて、“いま自分が何をやっていて、収支がどのくらいなのか、これからどうしていきたいのか”といった態度表明を、従業員全員の前でさせることです。

白日のもと、いい意味で人目にさらされると、本人たちは真面目に取り組みます。会社の仕事をサボることも、悪いこともできなくなります。また、活動を共有することによって、周りからアドバイスやサポートを受けることもできます。発表することで、そうした「正のスパイラル」が回り出します。

実際に、社員同士のコミュニケーションの活発化や、互いの刺激にもつながっています。パラレルワークをより具体的に感じられる機会になっているのではないかと思います。

-細かい規定がなくても、問題は起きないのでしょうか。

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▲enTerminalの打ち上げで談笑している様子

加藤:正直、ないですね。会社としての仕事はきっちり与えていますし、パラレルワークはその上で自主的にやることですから。そもそも自分の責任においてやることに価値があるので、会社から何かを施したり、レールを引いたりすることは、本末転等といえます。

問題が起きるのは、社員が隠れてやるときではないでしょうか。それでは経営陣に「仕事が疎かになるのでは」といった疑心暗鬼が生まれて当然です。また会社側においても、時代の流れだからとか、周りがやっているからといった考えで導入すると失敗につながります。どんな社内制度も「何のためにやるのか」を明確にできるかで成否が決まるからです。

パラレルワークに関しても「うちは認めない。なぜならこうだから」でいいと思います。その考えがしっかりしていれば、集まってくる人間はいますから

パラレルワークのメリットは「人材の育成」と「情報の享受」

-スタートから約8年、改めてパラレルワークのメリットとは何でしょうか。

加藤:会社としてのメリットは大きく二つあります。まずは「人が育つこと」です。

もともと私たちのパラレルワークが意味するのは、「副業」ではなく「複業」。つまり会社の仕事も、自分の事業もどちらも「本業」という考え方です。換言すれば、会社の外でミニ経営者をすることに他なりません。損益の数字を見るのも、確定申告をするのも、尻を拭うのも、すべて自分だからです。そうした経験は経営者としての資質や可能性を広げ、目線を押し上げます。そして高い視点で仕事ができる人間は往々にして成果を生むため、会社にもメリットが還元されます。

二つ目は、「新しい情報やビジネスのネタが入ってくる」こと。パラレルワークを通して外部と関わっている人間がいることによって、組織も外に開いていくからです。擬似的なオープンイノベーションと言えるかもしれません。特に人数の少ない中小企業においては事業のネタが飛躍的に広がるため、大きな価値があると思います。

個人においても、自分の実力や可能性を試すことができる機会ですし、金銭的なメリットもあると思います。失敗しても一つの経験ですから、デメリットはほとんどないのではないでしょうか。

次の時代の生き方・働き方を見据えた新たなチャレンジ

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▲「チームランサー」ページのトップ画面

加藤社長は結びに、専業禁止やパラレルワークの考え方をさらに推し進めた新サービス「チームランサーについて教えてくれました。

加藤:チームランサーとは、年々増加するフリーランスやパラレルワーカーが、個人や組織の垣根を超えて自由にチームをつくり、その能力を発揮していくための「チーム支援プラットフォーム」です。

このサービスを活用することで、異なるバックグラウンドを持つメンバーがひとつのチームを作り、何らかのプロジェクトに取り組むという働き方ができるようになります。パラレルワークのさらなる推進・発展に役立てることができるのです。

利用するには、Facebookアカウントで会員登録をして、ライターやマーケティング、イラストレーターなど職種を選択するだけ。既存のプロジェクトに参加したり、新しく自分でチームを作ったりすることができます。

生きる力・活きる力をもった「個」が集まり、それぞれが「自分ごと意識」をもってチームで仕事をする。そうしたスタンスが、これからの新しい個人の働き方・組織の在り方ではないかと考えています。理想論かもしれませんが、それが当たり前の世の中になれば、また次の段階へいけるのではないでしょうか。そのために私たちも、常に挑戦を続けていきたいと思います。

複業を解禁して正のスパイラルをまわそう

明確な考え方でパラレルワークを行うこと。そして、積極的に社外の人間やプロジェクトにつながっていくことは、会社にとっても個人にとっても新しい価値をもたらします。皆さんもぜひ、エンファクトリーの取り組みを参考にしてみてはいかがでしょうか。