シュレッダーで個人情報は漏洩する?安全・効率的な機密書類の廃棄方法

企業の情報漏洩対策といえば、社外からの攻撃だけに注目しがちですが、実は社内での文書管理こそ大きなリスクを抱えています。特に「シュレッダーで細断すれば安心」と思い込んでいるケースは注意が必要です。実際には、破砕が不十分なまま廃棄された書類から個人情報が読み取られたり、復元された事故事例も報告されています。

ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)においても、機密書類の適切な廃棄方法は重要な管理項目の一つです。もし社内での処理が甘ければ、従業員による機密情報の持ち出しリスクも高まり、知らぬ間に重大な漏洩につながる可能性があります。

本記事では、シュレッダーで個人情報は本当に安全に処理できるのか、そして企業が選ぶべき“安全で効率的な”機密書類の廃棄方法を詳しく解説します。

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【結論】シュレッダーだけでは不十分?個人情報漏洩リスクをゼロにするには

シュレッダーは手軽に機密書類を処理できるため多くの企業で利用されていますが、「細断しているから安心」という認識は十分とはいえません。実際には、ストレートカットのように断片が大きいタイプでは、情報が部分的に読み取れたり、復元されるリスクが残ります。
また、オフィスでの運用面のミスとして例えば、細断前の書類が放置される、シュレッダーの容量がいっぱいで裁断できていない、細断後の紙片がそのままゴミ箱に入れられるといったヒューマンエラーも情報漏洩の原因になります。

ISMSの要求事項でも「文書の廃棄方法の管理」は必須項目であり、シュレッダーを使うだけではなく、漏洩の可能性をゼロに近づける仕組みを整えることが求められます。
そのため、多くの企業では「溶解処理」「専用回収ボックスによる一括廃棄」「外部の専門業者による機密処理」など、シュレッダー以外の方法との併用を進めています。

安全な機密書類処理が求められる理由

機密書類の処理が厳格に求められる背景には、企業を取り巻くリスクの増加があります。

シュレッダーの事故事例では、細断後の紙片がゴミ袋から漏れ、第三者に拾われたケースや、破砕が粗いまま廃棄され内容を復元されたケースなどが報告されています。
つまり、“処分したつもり”の書類が、実はリスクを残したままになっているのです。

また、機密情報の持ち出しは、悪意のある従業員だけでなく、「廃棄前の書類が無防備に置かれていた」「裁断前の書類が大量に放置されていた」といった管理不備によっても発生します。
適切に処理できる体制をつくることは、内部不正を未然に防ぐことにも直結します。

さらにISMSでは、文書・記録のライフサイクル管理が明確に求められており、廃棄は最終段階の重要プロセスです。
適切な廃棄方法を決めていなかったり、現場任せになっている企業は、監査で指摘される可能性もあります。

社内で起こりやすい情報漏洩リスクとその実例

企業の情報漏洩事故は、外部攻撃だけでなく「社内の管理不備」や「従業員による持ち出し」によって発生するケースが後を絶ちません。誤廃棄・管理ミスといった“過失”もあれば、悪意を持った“故意の持ち出し”もあり、いずれも組織の情報管理体制に大きな影響を与えます。

ここでは、実際に発生した事例をもとに、企業に潜むリスクを整理して解説します。

従業員による情報持ち出し・誤廃棄のケース

■個人情報を含む機密書類を一般ごみとして誤廃棄した事例
2020年3月、大阪府立大手前高等学校において、卒業生を含む生徒の個人情報が記載された書類を一般ごみとして誤って廃棄したため、輸送中にトラックから書類が路上に散乱し、255名分の個人情報が流出する事故が発生しました。

本来であれば裁断や溶解処理などの適切な方法で処理すべき機密書類が、無加工のまま一般廃棄物として扱われていたことが原因です。
これは、多くの組織でも起こりうる「廃棄方法の誤り」や「運用ルールの徹底不足」が生んだ典型的な過失事例といえます。

■元社員による営業秘密の不正持ち出し
2021年1月には、ソフトバンク元社員が転職先の楽天モバイルに営業秘密を不正に提供したとして、不正競争防止法違反で逮捕されました。
元社員は在職中に4G・5Gネットワーク構築に関する機密ファイルを自分宛てのメールに添付して送信し持ち出していたことが確認されています。

このような事例は、退職前後のアカウント管理やPC・ストレージの監査、機密ファイルへのアクセス権管理といった内部統制の不備があると発生しやすく、企業規模に関わらず注意が必要です。

過失・故意による情報流出のパターン

情報漏洩は、原因によって大きく「過失」と「故意」に分けられ、どちらにも特徴があります。組織が対策を講じる際には、両方の視点を押さえることが重要です。

過失による流出の典型例としては以下の通りです。

  • ・機密書類を裁断せずに一般ごみに混入
  • ・シュレッダーの破砕が不十分(ストレートカットで復元可能な状態)
  • ・回収ボックスに鍵がかかっていない
  • ・裁断前書類の放置
  • ・ゴミ袋が破れて紙片が散乱

これらは「気づかないうちに漏洩させてしまう」形で起こり、日常的なチェック不足や運用ルールの曖昧さが要因です。

故意による持ち出しの典型例としては以下です。

  • ・退職前のデータコピー
  • ・USBメモリ・メールでの不正送信
  • ・顧客情報や営業秘密を転売目的で持ち出し

これらは悪意が伴うため、技術的・組織的な統制が不可欠です。

過失・故意いずれのケースも、

  • ・書類の管理体制
  • ・アクセス権・監査体制
  • ・廃棄方法の標準化
  • ・従業員教育

といった組織内部の運用レベルが不十分であると顕在化します。

情報漏洩は「誰かのミス」や「特定個人の悪意」だけで片付けられるものではなく、仕組みの弱さが露呈した結果であることを理解する必要があります。

情報漏洩が起きた場合の企業リスク

情報漏洩は一度発生すると、被害の範囲は「漏れた情報」だけに留まりません。企業としての信用、ブランド価値、事業継続性、さらに法的リスクなど、経営全体に長期的なダメージを与えます。
特に個人情報を扱う企業では、シュレッダーや廃棄工程の不備といった内部要因での漏洩が問題視されやすく、企業の管理体制そのものが問われることになります。

ここでは、情報漏洩が引き起こす主なリスクを整理して解説します。

信用失墜・顧客離れなど経営への影響

情報漏洩が発生した企業は、その内容がニュースやSNSで拡散され、企業イメージの急激な低下につながります。たとえ漏洩量が少なくても「情報管理が甘い企業」という印象が残り、企業ブランドの毀損は避けられません。

企業が直面する主な経営リスクは以下の通りです。

  • 顧客の解約・利用控え:顧客情報を扱う業界(教育、医療、通信、保険など)は特に離反が起こりやすいです。
  • 取引先からの信用低下・契約停止:BtoB企業では再発防止策の提示やISMSの再審査を求められるケースもあります。
  • 採用力の低下:情報管理が甘い企業は“安心して働けない”という印象が強まり、応募者が減少する可能性が高まります。
  • 売上減少・株価下落:大規模な漏洩は市場評価にも影響し、長期的な業績低下につながることがあります。

さらに、情報漏洩後は調査費用・謝罪対応・顧客への補償などの直接的なコストも発生します。
これは数百万円〜数億円規模に膨らむケースも珍しくなく、小規模企業ほど経営を揺るがす要因になります。

個人情報保護法違反に伴う罰則や行政指導

個人情報が漏洩した場合、企業は「個人情報保護法」に基づき重大な責任を問われます。
2022年の法改正以降、漏洩に対する行政の対応はより厳格になり、報告義務・公表義務・罰金の強化など企業の負担が増しています。

個人情報保護法に基づく主なリスクは以下の4つです。

  1. 個人情報保護委員会による報告義務・公表義務:漏洩の可能性が高いと判断される場合、企業は委員会への報告が義務化されています。不適切な廃棄や持ち出しによる漏洩も該当します。
  2. 行政指導・改善命令:文書廃棄プロセスの改善やアクセス権管理の強化、社内教育の徹底など、企業の内部管理体制そのものを見直す必要が生じます。
  3. 罰則(刑事罰・過料)の強化:法人に対する罰金は最大1億円に引き上げられており、故意の漏洩や重大な管理不備は重いペナルティの対象となります。
  4. 民事賠償のリスク:被害者が多いケースでは集団訴訟に発展し、巨額の損害賠償につながる可能性もあります。

実は、行政が厳しく見るポイントの一つが 「文書やデータの廃棄方法」 です。
適切に裁断されていない書類が漏洩した場合、安全管理措置の不備や内部規程の未整備
として法的責任を問われることがあります。

つまり、シュレッダーによる処理や持ち出し管理は、単なる作業ではなく法令遵守の重要な要素なのです。

シュレッダー処理の限界と3つの課題

オフィスで最も一般的な機密書類の処理方法といえばシュレッダーですが、便利な反面、その運用方法や構造上の問題から、個人情報漏洩リスクを高める原因にもなり得ます。

ここでは、日常業務の中で多くの企業が抱えがちな3つの課題を整理して解説します。

① 処理に時間がかかり、書類を溜め込みやすい

オフィスシュレッダーは処理できる枚数が限られており、特に小型タイプでは一度に数枚しか裁断できません。
業務が立て込んでいる時には処理が後回しになり、机の上やキャビネットに“裁断待ち”の書類が積み上がってしまうことがあります。こうして溜め込まれた書類は、紛失や誤って持ち出されるリスクを高めます。実際、営業資料や顧客情報が他の資料と混ざり、従業員の荷物に紛れ込むケースも起こり得ます。このように、処理の手間や時間のかかりやすさが、結果として情報漏洩リスクを引き上げてしまうのです。

② 面倒さから誤廃棄が発生するリスク

シュレッダーを使うこと自体が負担になる環境では、「メモだから大丈夫だろう」と安易に紙ごみに捨ててしまったり、機密書類と気づかず廃棄してしまう誤廃棄が起こりやすくなります。
シュレッダーが混んでいる、使うタイミングがない、操作が面倒といった日常的な小さなストレスが積み重なると、本来なら裁断すべき書類がゴミ箱に紛れ込む可能性が高まります。こうしたヒューマンエラーは、どれだけ技術的な対策を行っていても完全には防ぎきれず、運用ルールや廃棄方法そのものを見直す必要があります。

③ 裁断後の復元・情報漏洩の可能性も残る

シュレッダーの裁断方式によっては情報が読み取れる状態で残ることがあります。特にストレートカットのように断片が大きいタイプでは、文字がそのまま残ったり、意図しなくても内容を判別できてしまうケースがあります。
また、細断した紙片がゴミ袋の破損や清掃時の落下によって外部へ散乱する事故も発生しています。
さらに、裁断後の紙片が保管されている回収ボックスの管理が甘いと、内部で不正に持ち出される可能性も否定できません。

このように、裁断後でも情報が完全に消えるわけではないため、シュレッダーだけに依存した運用には注意が必要です。

電子データの削除も要注意!紙文書との違い

紙の書類は破棄方法が目に見えますが、電子データは「削除」ボタンを押しただけでは痕跡が残り続けることがあります。

シュレッダー処理の限界があるように、電子データにも特有のリスクがあり、紙とは異なる対策が求められます。

近年はUSBやクラウド、個人PCでのデータ持ち出しによる漏洩も増えており、紙だけでなく電子データの扱いも企業の情報セキュリティにおける重要な課題となっています。

削除しても残る「データ痕跡」と復元リスク

電子データはファイルを削除しても、その情報がすぐに完全消去されるわけではありません。多くの場合、OSは“消えたように見せているだけ”で、データそのものはストレージ内部に残り続けます。専門的な復元ソフトを使えば、削除済みファイルを取り戻せてしまうことも珍しくありません。

特に以下のような環境では復元リスクが高まります。

  • ・使い回しているPCやUSBメモリ
  • ・廃棄前にデータ消去のプロセスが整っていないストレージ
  • ・退職者の端末を初期化せずに再利用している場合

こうしたデータ痕跡は紙文書のように目で確認できないため、気づかないうちに重要情報が残り続けてしまいます。電子データの削除には、上書き消去や暗号化、専用ツールによる完全消去といった“見えないリスク”に対応した処理が欠かせません。

紙と電子、両方に共通する安全な廃棄の考え方

紙と電子データは形式こそ異なりますが、「廃棄」の考え方には共通点があります。それは、“誰も復元できない状態にする”ことが廃棄の完了であるという点です。

紙の場合は、裁断後の復元可能性や、紙片が散乱するリスクに気を配る必要があります。
電子データの場合は、削除後の痕跡や復元可能性、端末や媒体の管理体制が問われます。

つまり、紙でも電子でも、

  • ・復元されない状態まで破棄を徹底する
  • ・廃棄までの保管プロセスを安全に管理する
  • ・誰が、どの方法で廃棄したかを明確にする(証跡を残す)

といった基本姿勢は共通しています。

紙と電子を分けて考えるのではなく、“情報は形を問わず漏洩する”という前提で、統一したルールと処理方法を整えておくことが、企業全体のセキュリティレベルを大きく向上させます。

安全で効率的な機密書類の廃棄方法

シュレッダーの限界や管理ミスが繰り返される背景には、「正しい廃棄方法が定着していない」「安全で効率的な仕組みが整っていない」という根本的な課題があります。
機密書類の廃棄は、単に“処理する”だけではなく、誰が処理しても安全性が保たれる運用づくりが欠かせません。
ここでは、企業が優先的に取り組むべき対策を紹介します。

1. 社内ルールと従業員教育の徹底

従業員教育は、情報漏洩を防ぐための最も基本的かつ効果的な対策です。
どれほど優れた仕組みや設備があっても、従業員が情報管理の重要性を理解していなければ、安全な廃棄運用は成立しません。単に資料を配布して読ませるだけでは定着しにくいため、定期的な研修や勉強会、実例を交えたケーススタディ、Eラーニングでのテスト実施など、繰り返し触れる環境づくりが欠かせません。

また、廃棄に関する社内ルールも、何を機密書類とし、どのタイミングで、どういった方法で廃棄するか、誰が確認・管理するか、といった具体的な手順まで明確にしておくことで、誤廃棄や放置による事故を防ぎやすくなります。

従業員が迷わず行動できる環境を整えることが、結果として情報漏洩リスク低減に直結します。

2. 機密文書処理サービスの活用

大量の機密書類を日常的に扱う企業では、シュレッダーだけで対応しようとすると業務が滞ったり、処理が後回しになることがよくあります。特に、

  • ・シュレッダー待ちの行列ができる
  • ・ごみ袋の交換作業が負担
  • ・満杯で裁断できず書類を一時保管してしまう

といった状況は、情報漏洩リスクを高める一因になります。
こうした背景から、“安全性”と“効率性”を両立できる機密文書処理サービスが注目されています。
社内で裁断作業を行わずに済むため、従業員の負担が減り、運用面のヒューマンエラーも大幅に抑えられます。

専用ボックスに入れるだけで安全処理「保護くん」

日本パープルが提供する「保護(まもる)くん」は、専用のボックスに機密書類を投入するだけで安全に処理できるサービスです。ボックスには鍵がかかっており、一度投入した書類は取り出せない構造になっています。

回収は専任のセキュリティスタッフが行い、厳格な入退出管理が整った施設で処理されます。運搬車にはGPSが搭載されており、移動状況も管理されるため、輸送中の事故リスクも最小限に抑えられます。
また、処理後には証明書が発行され、リサイクルにも回されるため、環境面にも配慮されています。

さらに、ゼネラルリサーチによる調査では、

  • ・お客様満足度
  • ・安心して利用できる機密抹消サービス
  • ・業務効率がアップする機密抹消サービス

上記3つの部門でNo.1に選ばれており、実績面でも信頼できるサービスです。

自動回収で手間を省く「Smart保護くん」もおすすめ

より業務負担を減らしたい企業には、ボックスが一定量に達すると自動的に交換依頼が出される「Smart保護くん」も好評です。
書類がたまっているかどうかを従業員が確認する必要がなく、廃棄作業に割かれる時間をさらに短縮できます。IoTによる自動回収の仕組みが場所を問わず機能し、分散拠点でも管理者の業務負荷を軽減できるのが特徴です。

【お客様導入事例】Smart保護くんで業務効率化!

シュレッダーの故障やクリップ外し等の手間が課題だった企業様。

導入前の課題(シュレッダー)
故障を機に、買い替えか外部委託かを検討。クリップ・ホッチキス芯を外す作業が社員の大きな負担に。

Smart保護くん導入後の変化
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まとめ:シュレッダーに頼らず安全・効率的な情報管理を

情報漏洩のリスクを完全に回避することは難しく、例年多くの企業で情報漏洩事故が発生しています。しかし、社内ルールの整備や従業員教育、そして機密文書処理サービスの活用といった対策を組み合わせることで、リスクを限りなくゼロに近づけることは可能です。

今回ご紹介したポイントを参考に、まずは社内で実施できる安全管理の改善から取り組むことをおすすめします。シュレッダーだけに頼るのではなく、従業員の負担を軽減しながら確実に情報を処理できる仕組みを整えることが重要です。

日本パープルの「保護くん」を活用すれば、シュレッダー処理よりも手軽に、なおかつ高い機密性を保ちながら廃棄作業を行うことができます。導入すれば、従業員の負担を増やすことなく、安全で効率的な情報管理体制をすぐに始めることが可能です。

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