人事書類の保管方法は?保存期間一覧や履歴書の管理・廃棄を解説

「人事書類は何年保管すればよいのか」「履歴書や雇用契約書を紙のまま残すべきか」と迷っていませんか。人事・労務に関する書類は、種類によって法定の保存期間や起算日が異なります。個人情報を多く含むため、「いつまで残すか」だけでなく、「誰が見られるか」「期限後にどう処分するか」までルールを決めておくことが大切です。
また、紙書類が増えると、必要な書類を探す手間や保管スペースも大きくなります。利用頻度に応じて電子化したり、長期保存する原本を外部へ預けたりすることで、人事担当者の管理負担を抑える方法もあります。
この記事では、主な人事書類の保存期間を一覧で紹介し、履歴書・応募書類の扱い、安全な保管方法、外部保管サービスの活用、保存期間を終えた書類の廃棄まで解説します。人事書類の管理ルールを見直したい方は参考にしてください。
この記事でわかること
- 主な人事書類の保存期間と起算日の考え方
- 履歴書・応募書類を保管する際のポイント
- 紙・電子による人事書類の保管方法
- 人事書類を外部保管する際の確認事項
- 保存期間を終えた人事書類の廃棄方法
人事書類の保存期間・起算日一覧

人事書類の保存期間は、書類ごとに適用される法令や起算日が異なります。まずは自社の書類を分類し、何年残す必要があるのかを確認しましょう。特に労働基準法関係は、本則と現在の経過措置で期間が異なるため、混同しないことが大切です。
| 書類の例 | 保存期間 | 主な起算日 |
|---|---|---|
| 労働者名簿 | 5年 ※当分の間3年 | 死亡・退職・解雇の日 |
| 賃金台帳 | 5年 ※当分の間3年 | 最後の記入日 ※賃金支払日が遅い場合はその日 |
| 雇入れ・退職関係書類 例:履歴書、雇用契約書、労働条件通知書など | 5年 ※当分の間3年 | 退職・死亡の日 |
| 年次有給休暇管理簿 | 5年 ※当分の間3年 | 対象期間満了後 |
| 雇用保険の被保険者関係書類 | 4年 | 書類の完結日 |
| その他の雇用保険関係書類 | 2年 | 書類の完結日 |
| 健康保険・厚生年金保険関係書類 | 2年 | 書類の完結日 |
| 扶養控除等申告書など | 原則7年 | 提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日 |
※上記は代表的な書類の例です。個別の書類や制度改正によって保存期間・起算日は異なるため、実際の運用時は最新の法令や行政機関の案内を確認してください。
労働基準法関係の書類
労働基準法では、労働者名簿、賃金台帳、雇入れ・解雇・災害補償・賃金その他の労働関係に関する重要な書類を5年間保存することとしています。ただし、経過措置により現在は当分の間3年間です。
起算日は書類によって異なります。労働者名簿は退職・解雇・死亡の日、雇入れや退職に関する書類は退職・死亡の日が基準です。賃金台帳は最後の記入日が基本ですが、賃金支払日がそれより後になる場合は、その支払日から数えます。
雇用保険関係の書類
雇用保険に関する書類は、被保険者に関するものとそれ以外で保存期間が異なります。事業主は、資格取得・資格喪失など被保険者に関する書類を完結の日から4年間、その他の雇用保険関係書類は2年間保存します。
保存期限を台帳へ登録し、被保険者関係とその他の書類を分けておくと、期限到来時の見直しを進められます。
社会保険関係の書類
健康保険や厚生年金保険に関する書類は、原則として完結の日から2年間の保存が必要です。資格取得・喪失や被扶養者に関する届出など、人事担当者が扱う機会の多い書類も含まれます。
電子申請を利用している場合でも、紙原本の扱いは書類や手続きによって異なります。電子申請したことだけを理由に紙を廃棄せず、保存要件や提出方法を確認したうえで管理しましょう。
税務関係の書類
給与所得者の扶養控除等申告書、配偶者控除等申告書、保険料控除申告書などは、原則として7年間保存します。起算日は、申告書の提出期限が属する年の翌年1月10日の翌日です。
税務関係書類にはマイナンバーが記載されるものもあります。必要な期間は適切に保管し、法定保存期間を終えて利用する必要がなくなった段階で廃棄・削除へ進みます。
履歴書・応募書類を保管する際のポイント

履歴書や職務経歴書には多くの個人情報が記載されています。採用後の従業員と不採用者では、保管する目的や扱いも異なります。採用結果ごとに管理方法を分け、応募時から返却・廃棄までの方針を決めておきましょう。
在職者の履歴書・雇入れ関係書類
採用した従業員の履歴書は、厚生労働省の労働局資料で雇入れ関係書類の例として示されています。在職中は、雇用契約書や労働条件通知書などとあわせて、人事資料として安全に保管しましょう。
対象者ごと、または書類の種類ごとに管理方法を統一し、人事担当者が必要なときに確認できる状態を整えておくことが大切です。
不採用者の履歴書・応募書類
不採用者の履歴書について、個人情報保護法は企業に返却義務を定めていません。一方、個人データを利用する必要がなくなった場合には、遅滞なく消去するよう努めることとされています。
ハローワークは、不採用者の応募書類について返却を推奨しています。返却しない場合は、選考終了後の廃棄方法などを事前に示し、情報漏えいを防げる方法で処理しましょう。選考終了後も目的なく長期間保管するのではなく、自社の採用方針に沿った取扱いを決めることが大切です。
退職者の履歴書・人事記録
退職者の書類は、退職した時点ですべて処分できるわけではありません。履歴書を含む雇入れ関係書類や労働者名簿などは、退職・死亡の日を起算日として法定保存期間が続きます。
さらに、税務・社会保険・雇用保険関係の書類は、それぞれ異なる保存期間が設定されています。「退職者の書類」と一括りにせず、書類ごとに期限を管理しましょう。退職日を台帳へ登録し、法令や社内規程に沿って廃棄予定日を設定すると管理できます。
応募者へ事前に示す書類の取扱方針
履歴書や応募フォームなどを通じて本人から直接個人情報を取得する場合は、原則として、あらかじめ利用目的を本人へ明示する必要があります。採用選考のみに利用するのか、採用後の雇用管理にも利用するのかなど、実際の取扱いに合わせて目的を示しましょう。
応募書類を返却しない場合は、その扱いも募集時や応募受付時に案内しておくと明確になります。「不採用時は返却せず、選考終了後に適切な方法で廃棄する」など、自社の方針を決め、人事担当者間でも同じ運用を徹底してください。
人事書類を安全に保管する方法
人事書類には、住所、給与、家族情報、マイナンバーなど、取扱いに注意が必要な情報が含まれます。紙と電子では必要な対策が異なるため、それぞれに合った管理方法を決めましょう。保管場所だけでなく、誰が閲覧できるか、いつまで残すかまで一緒に管理することが重要です。
- 紙書類の施錠・アクセス管理
- 電子化した書類の権限管理
- 保存期限・保管場所の台帳管理
- 利用頻度・原本要否による紙と電子の使い分け
紙書類の施錠・アクセス管理
紙の履歴書や雇用契約書などは、権限のない人が容易に閲覧できない状態で保管する必要があります。施錠できるキャビネットや書庫を利用する方法は、盗難・紛失を防ぐ代表的な対策の1つです。鍵を扱える担当者も必要な範囲に限定しましょう。
机上や共有棚に長期間置いたままにすると、紛失や不要な閲覧につながります。取り出した書類をいつ・誰が戻すのかも運用ルールに含め、利用後は所定の場所へ戻す仕組みを整えることが大切です。
電子化した書類の権限管理
人事書類を電子化する場合は、業務上必要な人だけがアクセスできるよう権限を設定します。人事部内でも、給与情報、採用情報、マイナンバーなど、担当業務に応じて閲覧できる範囲を分ける方法があります。
ID・パスワード等による認証に加え、利用者ごとの閲覧・編集・削除権限も必要に応じて設定しましょう。人事異動や退職があった際に不要な権限が残らないよう、利用者一覧を定期的に見直すことも欠かせません。
保存期限・保管場所の台帳管理
人事書類は種類ごとに保存期間が異なるため、保管しているだけでは期限管理が難しくなります。書類名、対象者、保管場所、保存期限、廃棄予定日などを台帳へ登録し、どこに何があるのかを把握できる状態にしましょう。
紙と電子が混在している場合も、同じ管理ルールで所在を追えるようにすると便利です。書類を移動した際や保存期限を変更した際は台帳も更新し、実際の保管状況と記録がずれないようにします。
利用頻度・原本要否による紙と電子の使い分け
人事書類をすべて紙、またはすべて電子へ統一する必要はありません。日常的に閲覧・共有する書類は電子化し、利用頻度が低い書類は紙原本で残すなど、用途に応じた使い分けができます。
ただし、電子化したから紙原本をすぐ廃棄できるとは限りません。法令や手続き上の要件を確認したうえで、原本を残すか判断しましょう。電子化の対象と紙原本の保存基準をあらかじめ決めることで、担当者ごとの判断のばらつきを抑えられます。
人事書類を外部保管する際のポイント

紙原本が増えて社内書庫を圧迫している場合は、外部の書類保管サービスも選択肢です。人事書類には個人情報が多く含まれるため、料金だけでなく、保管・運搬・取り出し・期限管理まで含めて委託先を確認しましょう。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 保管・運搬 | 入退室管理、監視体制、運搬時の安全管理 |
| 取り出し | 原本配送、必要時のスキャン・PDF化 |
| 期限管理 | 保存期限の登録、通知、廃棄依頼 |
| 保管場所 | 紙原本を社内・外部のどちらで保管するか |
委託先の保管・運搬セキュリティ
外部保管では、倉庫の入退室管理や監視体制に加え、集荷・配送中に書類をどのように扱うかも確認します。人事書類は、社内から保管庫へ移動する工程でも漏えいや紛失への対策が必要です。
委託先が個人情報を適切に管理できる体制を整えているか、作業者や運搬方法まで含めて見ておきましょう。マイナンバーを含む書類を外部委託する場合は、委託先に対する必要かつ適切な監督も求められます。
必要時の原本取り寄せ・PDF化
外部へ預けた人事書類でも、監査や労務対応などで確認が必要になることがあります。必要な書類をスキャンしてPDFで確認できれば、原本配送以外の閲覧方法も選べます。
当社の書類保管サービス ショコ(SHOKO)では、Webシステムから原本配送やスキャンを依頼できます。長期保存する原本は倉庫に預け、必要になった書類だけ電子データで確認するといった運用にも対応しています。
保管期限の通知・廃棄依頼機能
外部へ預けた後も保存期限を管理できるよう、期限到来時の通知や廃棄依頼に対応しているかを確認しましょう。
ショコでは、設定した保管期限に応じてアラート通知を受け取れます。不要になった書類については、Webシステムから機密処理の依頼も可能です。保管後の見直しまで同じ管理情報で進められるため、期限管理の負担軽減につながります。
長期保存書類の社内・外部保管の分担
紙原本の置き場所は、利用頻度を基準に分ける方法があります。日常的に紙原本を確認する書類は社内へ残し、保存義務はあるものの普段ほとんど取り出さない原本を外部へ預けるといった考え方です。
例えば、過年度の雇用関係書類や退職者の保存対象書類などは、取り出し頻度を見ながら保管場所を検討できます。社内と外部へ分ける場合は、管理台帳やシステム上で所在を一元管理し、必要な書類を探せる状態を維持しましょう。
保存期間を終えた人事書類の廃棄方法
保存期限を迎えた人事書類は、法令以外の保存理由や社内規程も確認したうえで廃棄します。期限だけを見て機械的に処分せず、引き続き保存する必要があるかを判断しましょう。個人情報やマイナンバーを含む書類は、内容を復元できない方法で処理します。
法令・社内規程による廃棄可否の確認
廃棄前には、法定保存期間を満たしているかだけでなく、契約や社内規程、係争・監査対応などで引き続き必要ではないかも確認します。法定保存期間は、その期間が過ぎたら一律に廃棄しなければならないことを意味するものではありません。
一方、利用する必要がなくなった個人データについては、遅滞なく消去するよう努める必要があります。廃棄可否を判断する担当部署や承認手順を決め、合理的な保存目的が残っているかを確認できる運用にしておきましょう。
復元できない方法による機密廃棄
履歴書や雇用契約書、給与関係書類などには多くの個人情報が含まれます。そのため、廃棄時は書類をそのまま一般ごみへ出すのではなく、第三者が内容を復元・閲覧できない方法で処理することが大切です。
社内で処理する場合はシュレッダーなどを使い、大量の書類をまとめて廃棄する場合は、溶解や破砕などに対応した機密文書処理サービスも選択肢になります。外部委託時は、処理方法だけでなく回収・運搬中の管理体制も確認しましょう。
マイナンバー記載書類の廃棄
マイナンバーが記載された書類は、個人番号関係事務を行う必要があり、法令上の保存期間が続いている間は適切に保管します。退職したからといって、扶養控除等申告書などをすぐに処分することはできません。
保存期間を終え、個人番号を利用する必要もなくなった場合は、できるだけ速やかに廃棄・削除します。廃棄時期を毎年度末など一定のタイミングにまとめる運用もできますが、必要以上に保有し続けないことがポイントです。
廃棄記録・処理証明書の管理
人事書類を大量に廃棄する場合は、いつ、どの書類を、どの方法で処理したか記録しておくと管理状況を確認できます。特にマイナンバーを含む特定個人情報では、削除・廃棄した記録を保存することが安全管理措置として示されています。
廃棄を外部へ委託する場合は、処理完了後に証明書を発行できるかも確認しましょう。ショコでは、保管期限を迎えた書類について機密処理を依頼でき、処理後の証明書発行にも対応しています。
人事書類の保管に関するよくある質問
人事書類は、法令や書類の種類によって保存条件が異なります。最後に、保存期間や履歴書、電子保管について特に確認しておきたい点へ簡潔に回答します。
労働関係書類は3年と5年のどちらで保管しますか?
労働基準法上の保存期間は原則5年ですが、経過措置により現在は当分の間3年です。書類ごとに起算日が異なるため、詳しくは「人事書類の保存期間・起算日一覧」を確認してください。
履歴書は必ず保管する必要がありますか?
採用した従業員の履歴書は、厚生労働省の労働局資料で雇入れ関係書類の例として示されています。不採用者の履歴書には同じ保存義務はなく、個人情報保護法上の返却義務もありません。採用結果に応じて保管・返却・廃棄の扱いを分けましょう。
人事書類は紙のまま保管する必要がありますか?
すべてを紙で保管する必要はありません。法令上の要件を満たし、必要なときに表示・出力できるなどの条件を満たせば、電子保存できる労働関係書類もあります。ただし、個別の手続きで原本保存が求められる場合もあるため、書類ごとの確認が必要です。
退職者の人事書類はいつまで保管すれば良いですか?
履歴書、雇用契約書や労働者名簿などは、退職日から起算して5年(経過措置で当面3年)の法定保存期間があります。また、税務・社会保険・雇用保険関係の書類は、それぞれ異なる保存期間が設定されています。「退職者の書類」と一括りにせず、書類ごとに期限を管理しましょう。
まとめ:人事書類は期限と安全性を意識して保管しよう
人事書類は種類によって保存期間や起算日が異なるため、まずは労働基準法、雇用保険、社会保険、税務などの区分ごとに期限を把握しましょう。
履歴書や雇用契約書など個人情報を多く含む書類は、紙なら閲覧できる人を限定し、電子ならアクセス権限を設定するなど、安全に管理できる仕組みも必要です。保存期限を迎えた後は、引き続き保管する理由があるかを確認し、不要になった書類を機密性に応じた方法で廃棄します。
当社の書類保管サービス ショコでは、人事書類の外部保管に加え、Webシステムでの管理、原本配送、スキャン、保管期限通知、機密廃棄まで対応しています。社内の書庫スペースや人事書類の管理負担を見直したい場合は、お気軽にご相談ください。





















