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残業削減のカギは?労働環境を改善するために企業がやるべき5つのこと


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近頃、ニュースで取り上げられることの多い残業問題」
残業代がきちんと支払われずに問題になるケースにとどまらず、過労死のような取り返しのつかない問題に発展してしまうものも少なくありません。

企業としては、残業を減らす取り組みをしていくことが急務。
では、残業の多い企業にはどこに問題があり、どうすれば残業を削減できるのでしょうか。

今回は、残業削減をはじめとした種々の人事・労務コンサルティング業務を数多くの企業にしてきた、菅田芳恵さんに残業削減のポイントを伺いました。

※「まもりの種」は保護(まもる)くんの日本パープルが運営しております。

リスクを正しく知ろう!残業の多い企業に起こりうる5つの問題

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まず前提として、「なぜ残業が多いことが良くないのか」を知っておく必要があります。

ここでは、残業時間が多い企業が抱えることになるリスクを具体的に紹介しましょう。皆さんの企業でも、実際にこのような問題が起きていないか、1つずつチェックしてみてください。

【リスク①】社員の健康問題

最初に影響を及ぼすものとして考えられるのは、「社員の健康問題」

社員の心と身体の健康障害リスクは、残業時間が月100時間を超えると高くなります。今世間を騒がせている過重労働で心身の健康を害し、自殺をしたケースはまさにこれに当てはまります。

心身の健康は仕事の効率を悪くし、モチベーションを低下させるという悪循環を引き起こしてしまうので、大きな問題だと言えるでしょう。

【リスク②】社員の健康被害による訴訟

社員が残業で健康をひどく害してしまうと、場合によっては「訴訟」を起こされかねません。

ひとたび訴訟を起こされてしまうと、一般的に企業名が新聞等に掲載されることになるので、企業ブランドが大きく傷つくことに。そこで企業は健康を害した社員と話し合いをして、金銭で和解をするケースが多いのです。

【リスク③】人件費や光熱費の増大

続いて考えられるのは、「人件費や光熱費の増大」

残業をしている社員には、適正な残業代を支払わなければなりません。特に深夜残業は、割増で残業代を支払わなければならないので、深夜残業はできる限り避けたいところ。

また、社員がオフィスに居る間の電気等の光熱費もかなりの負担に。人件費や光熱費のこうした積み重ねが、企業の利益圧迫につながってしまうのです。

【リスク④】未払い残業代によるトラブル

 サービス残業については、最近ニュースで取り上げられることが増え問題として認知されるようになりましたが、実はまだまだきちんと支払っている企業が少ないのが現状。「未払い残業代によるトラブル」には、注意が必要です。

現在、社員が労働基準監督署に訴え、労働基準監督署が企業に立ち入って賃金台帳とタイムカードを厳しく調査するケースが増加中。詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

【リスク⑤】退職する社員の増加

残業が多い企業を嫌って「退職する社員が増加」することも当然考えられます。

中でも優秀な社員は、次の転職先が容易に決まることが多いので、真っ先に辞めていくもの。残業を常態化させることは「人材」という貴重な資源を失うことにつながるのです。

残業の多い企業と、短い企業との間にはどんな違いがある?

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同じ業種であっても、残業の多さは企業によって大きく異なるもの。

それでは、残業が多い企業と少ない企業の間にはどのような違いがあるのでしょうか。残業を削減する鍵になる要素なので、「自分の会社はどうか」という視点で読み進めてみてください。

【違い①】仕事の協力体制

1つ目の差は、「社内に仕事の協力体制があるかどうか」です。

皆さんの企業では、誰かが仕事を休んだとき、または誰かの仕事の負担が増えた時に、仕事を他の人に代わってもらえる体制が整っていますか。

属人化した業務ばかりでは、一人当たりの負担がどんどん増えていき、「残業しないと仕事が終わらない」状況が出来上がってしまうもの。業務内容を“マニュアル化”したり、人材交流の活発化によって、幅広く業務に取り組める“オールマイティ”な社員を育てるようにしましょう。

【違い②】社員の健康管理

続いてのポイントは「社員の健康管理」です。

社員が心身共に健康な状態で100%仕事に力を発揮できているかどうかは、残業時間に大きく影響を与えています。健康診断の管理をきちんと行い、結果を受け止めて会社に問題がないかを振り返る必要があるのです。

【違い③】社員の労働時間管理

「社員の労働時間管理」ができているかどうかも、社員の残業量を決める上で重要なチェック項目。

社員個人で時間を管理するのではなく、それが適正かどうかを管理職がきちんと管理することが大切です。個人に任せてしまうと、どうしても「残業をすればいい」という方向に流れてダラダラと仕事をしてしまうもの。

管理職が各個人の適正な納期を設定し、納期の途中で必ず経過報告をさせ、進捗状況をしっかりと把握することが大切です。

【違い④】経営者が残業をさせないという意識

「残業をさせないという意識が経営者自身にあるかどうか」という根本的な問題も、無視できません。

会社というのは、経営者の意識が社員に伝染するようになっています。「残業している人=仕事を頑張っている人」という意識の経営者が多いのが現状で、そうした会社では、社員が当たり前のように残業してしまう環境が醸成されてしまっています。

小さなことから地道に始めよう!残業削減を実現させるための、5つの改善策

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では、残業を減らしていくには具体的にどうすればいいのでしょうか。改善策を5つ紹介しましょう。

【改善策①】残業についての社内アンケートを実施

社員から忌憚のない意見を書いてもらう「社内アンケート」を実施しましょう。

特に、自由欄を設けると職場の全体像がよく見えるので、職場環境を改善するヒントを発見できます。また、社員自身に残業を減らす方法を考えさせることで、「自分たちで会社を変えていく」意識を持たせることにもつながるので一石二鳥。

アンケートはやりっぱなしにするのではなく、結果を各職場に共有し解決する施策を採用・実践するようにしましょう。

【改善策②】定時になったら、PCを強制的にシャットダウン

仕事はすべてオフィスにある備えつけのパソコンで行う会社は、「定時になったら、PCを強制的にシャットダウン」する決まりを作るのも、有効な手段です。

会社の中に蔓延した「残業してもいい」という空気を変えるのは容易なことではありません。残業は基本的にはしてはいけないという意識を持たせるには、定時までに仕事を終えていないと仕事が終わってしまうという強制力が必要なのです。

いきなり定時で実施するのが難しい場合は、毎日ある時間になったら電源を落とすようにし、徐々に定時に近づけていくといいでしょう。意外ですが、実際に上手くいく例が多いのがこの方法です。

【改善策③】定期的に社員の個人面談を実施

社員にとって、たとえ仕事量が多すぎる状態であったとしても、それを口にするのは容易ではありません。上司に「仕事ができないやつだ」と思われてしまわないかと、不安に感じてしまうからです。

こうした状況を改善するために、管理職が「定期的に社員の個人面談を実施」するようにしましょう。短時間でもいいので1ヶ月に1回程度、定期的に行うことが望ましいです。

社員が仕事の量について相談できる空気づくりをすることによって、「誰に仕事が集中しているのか」「どの仕事を誰に任せるのがいいのか」を見えるようにしましょう。

【改善策④】残業をする際には、「残業届出」を出させるよう徹底

残業が必要な場合には、「残業届出」を上司に提出させることを強制しましょう。

そうすることで、上司は社員の仕事の進捗状況を確認できるようになります。ポイントは、上司が安易に残業許可を与えないこと。作業が遅れている理由を社員に問い、根本的な解決を社員に意識させるのです。

上司への届出は、原則として制度化していながらも実際には行われていない企業が多いので、徹底させるようにしましょう。

【改善策⑤】管理職の研修

残業を削減できるかどうかの最大のカギを握っているのは、現場の管理職

時間管理やコンプライアンス、労務管理、マネジメント等、管理職にスキルをアップしてもらうために、「管理者の研修」を積極的に進めていきましょう。

社員一人ひとりの意識を変えていくためにも、まずは管理職がその姿勢を行動で示す必要があるのです。

残業を削減するためには、とにかく「行動」すること

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残業をするのが当たり前の環境において、今までやってきた「常識」を変えるのはとても難しいものです。

もし本気で会社の状況を変えたいのなら、まずはとにかく残業を減らすための取り組みを“実行”すること。いくら頭の中で理想的な組織像をつくり上げても、実際に行動に移さなければ絵に描いた餅になってしまいます。

今回紹介した方法を参考に自身の企業で何ができるかを考え、実際にやってみてはいかがでしょうか。

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【監修者紹介】菅田芳恵
sugatayoshie
社会保険労務士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント等13の資格を活かして、様々なコンサルティングや研修を行っている。最近は企業においてワーク・ライフ・バランスの推進を行うところが多く、働き方改革についてのアドバイスや講演が多くなっている。

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