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サービス業で有休取得100%義務化。「どんどん遊べ、どんどん学べ」の企業文化が実践する働き方改革


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待った無しの働き方改革。とはいえ、なかなか休暇を取れないイメージがあるのがサービス業界です。しかし今回取材をさせていただいたブライダル業界の株式会社ノバレーゼは、「有休取得率100%義務化」や「フレックスキャリア制度」といった多様な休暇制度や働き方の選択肢を用意することで、積極的に働き方改革を実践しています。

「スタッフのプライベートの充実が会社の成長につながる」という考えのもとで制度を立案・運用している同社。その総務人事部長 小高直美さんに、社内制度を成功に導くヒントを伺いました。

※「まもりの種」は保護(まもる)くんの日本パープルが運営しております。

株式会社ノバレーゼってどんな会社?

Screenshot_2018-08-22 株式会社ノバレーゼ|NOVARESE

引用:株式会社ノバレーゼ

株式会社ノバレーゼは、ブライダル事業(婚礼プロデュース部門・婚礼衣裳部門・レストラン部門)をメインに展開している企業です。2000年に創業し、現在では国内外54店舗29地域に拡大。アルバイトを含め約2,000名弱のスタッフが働いています。

「Rock your life –世の中に元気を与え続ける会社でありたい–」を経営理念に掲げ、喜びあふれるブライダルをプロデュースするとともに、スタッフに対しても“元気を与え続ける”社内制度・福利厚生を実施。今回は30弱もあるユニークな制度のなかから、働き方改革の視点でフォーカスしていきます。

スタッフが生き生きと働ける社内制度・福利厚生を目指して

-まずは、数多くの社内制度・福利厚生を運用されている意図についてお教えいただけますか。

弊社の使命は、お客様に本当にすばらしい結婚式をしていただくことにあります。そしてそれを実現するのは、お客様とのやりとりをしながら実際に式をつくりあげていくスタッフです。そのため、「スタッフが生き生きと働くことができなければ、お客様を幸せにすることはできない」という考えをもっています。

しかしブライダル業界も広い意味でサービス業ですから、労働環境に対してよくないイメージをもたれがちです。そのため弊社は、プライベートを充実させてさまざまな経験を積むことが、最終的には仕事に直結するという信念のもと、スタッフが楽しみながらやりがいをもって働き続けられるような社内制度・福利厚生の充実に注力しています。

制度に対する正しい理解が、従業員満足度アップにつながる

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-働き方改革の視点から、もっとも成果のあった制度を教えてください。

2014年に導入した「有給休暇取得率100%義務化」は、社員満足度が非常に高いものになっています。

制度の実施以前は、やはり気持ち的な面で取得をためらう声が多く、取得率はだいたい全国平均より少し下の45%程度でした。会社としても課題意識をもって取得を進めるアナウンスを行ってはいましたが、お客様優先のサービス業ということもあって伸び悩んでいました。その対策として議論を重ねた結果、“これはトップダウンで進めない限り変わらない”という結論に至り、100%取得の義務化に踏み切りました。

それでも導入当初には、「有休はとらなくてもいい」「子どもに何かあったときのために残したい」といった意見が挙がってきました。そのため、そういった声が挙がる度に制度の意味をじっくり説いたり、定期研修中に自分たちで考える機会を設けたりして、会社が押し付けているのではないことを理解してもらいました

そういった努力を経て、全員が利用できる制度になっていった背景があります。「有休を取ることが自分たちのためになる」という認識が浸透したことで、精神的に取得しやすくなったという話をよく聞きます。止むを得ない事情から結果的に取れないケースもありますが、取得率は90%前後にアップしています。

<その他の代表例>
■リフレッシュ休暇
3年に一度、社員自身がリフレッシュするために使える30日間の休暇制度。
■Rockの日
会社から特別に年2回付与される休暇制度。
■フレックスキャリア制度
正社員の雇用形態のまま、ライフステージに合わせて勤務時間や日数など“働き方”を変えられる制度。
■リモノバ(リモートノバレーゼ)
子育てをしながら働くスタッフが増えてきたことを受け、在宅勤務の制度を今年7月に制定。
■奨学金肩代わり
奨学金を返済している正社員に、奨学金の返済資金として最大200万円を支給する制度。

-そうした制度の実施前と後では、どんな変化がありましたか。

例えば、有休を使って出産に立ち会った男性社員もいますし、娘さんの結婚前に家族旅行をした者もいます。リフレッシュ休暇を活用して友人の海外挙式に参列したウエディングプランナーからは、自分自身が海外挙式を経験したことによって、お客様への提案の幅が広がったという話も聞いています。

また一方では、過去4年間の退職率が約8ポイント減少しています。結婚や出産などライフステージに応じてさまざまな働き方を選べることが将来に対する安心感につながり、そうした結果になっているのだと思います。

社内制度の運用を成功させる秘訣は、「公平性」と「本気度」

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引用:株式会社ノバレーゼ

-制度の制定は、どのようなプロセスで実施に至るのでしょうか。

弊社は現場スタッフと役員層との距離が非常に近いので、普段のコミュニケーションのなかから要望が挙がってくることが多いですね。もちろん代表が発案するケースもありますし、課題を掘り下げたいときにはプロジェクトを組んでグループディスカッションを行う場合もあります。

例えば先の「奨学金肩代わり」は、実際に奨学金を返済しながら働いている私の部下からの発案でした。弊社にもそうしたスタッフが一定数在籍しているため、会社としてできることを模索した結果です。

-立案・運用において気をつけていることは何でしょうか。

特に留意しているのは、公平性です。どうしても、制度によってメリットを享受できる人と、そうではない人が出てしまいます。とはいえ、すべての人に向けたものでは実現が難しくなります。そのため、会社や社員にとって本当に必要なこと、いつか誰かがその道を通る可能性がある物事に対しては、優先して取り組むようにしています。

-制度を成功させる秘訣は何でしょうか。

いつも思うのは、その制度を、会社がきちんとした思いをもってつくっているかどうか。そして、会社が全力で取り組もうとしているかどうか。つまり「本気度」に掛かっていると思います。真剣に取り組んでいる姿勢がスタッフにしっかり伝われば、その制度は根強く広がっていきますし、結果的に会社への帰属意識を高めることにつながっていくと思います。

会社全員で楽しみながら、より良くしていくこと

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小高さんは最後に、「楽しみながら取り組むことも大切。“どんどん遊べ、どんどん学べ”が弊社のモットーです」と笑顔で教えてくださいました。また、ただリリースして終わるのではなく、その時代により適した制度にしていくために、改変・統合を積極的に行うこともポイントだと言います。

スタッフの幸せを考えること、会社の本気度を見せること、そして楽しむこと。個人にも会社にも大きなメリットを生み出している同社のスタンスや考え方を、働き方改革を進める参考にしてみてはいかがでしょうか。