2020年4月22日お役立ち情報
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ERPとは? メリットとクラウドERPの特徴、レガシーからの刷新ポイントを紹介

ERP
Enterprise Resources Planning(ERP、企業資源計画)は、もとは企業の経営資源であるヒト・モノ・カネを適切に有効活用する計画という意味でしたが、現代では「統合基幹業務システム」といった意味で使われています。
従来のシステムは、ひとつの企業内に人事システムや生産管理システムなどがそれぞれ独立して存在していましたが、ERPは社内のあらゆる業務システムを統合します。
ERPを導入するとデータの一元化ができ、企業全体の状態をリアルタイムで把握することによって円滑な経営判断を可能にしてくれるといったメリットを得ることができます。

この記事では、ERPの基礎知識を紹介したうえで、企業がERPを導入するメリットと、最新のERP事情を解説します。

ERPとは「業務システムを一括管理すること」

ERPは、企業内で個別に行われていた人事・経理・総務での管理処理を統合し、それぞれのデータを効率よく運用するためのシステムを言います。ERPの効果を簡単に紹介します。

たとえば人事部が人事システムを使って残業時間を集計しているのに、経理部が異なるタイプの経理システムを使用している場合を想定します。すると人事部員が残業時間のデータをUSBに入力し、それを経理部員に渡して残業代を計算する、といった工数の増加が発生します。しかしERPによって統合された基幹業務システムであれば、事務系社員はすべて同じシステムを使用するため、人事部員が残業時間を入力すると、そのデータが給与システムの残業代に反映され、工数の削減につながります。

ERPの中には社内のすべての業務システムを統合するものもあり、支社や営業所のシステムも本社のシステムと統合することができます。またすべての部署のシステムのインターフェースが同じになるので、誰がどこに異動しても着任したその日から会社のシステムをストレスなく使えるようになります。

ERPは現場の従業員の作業効率を上げるだけでなく、経営陣にも大きなメリットをもたらします。この点は後段で詳しく紹介します。

クラウドERPの登場と特徴

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ERPの歴史を紐解くと、大きく「オンプレミスERP時代」と「クラウドERP時代」にわけられます。

オンプレミスの欠点を解消したクラウドERP

オンプレミスとは、自社でシステムを保有し、自社でシステムを管理する運用方法のことです。社内に物理的な空間としてのシステム室を用意しサーバーを置き、ERPを稼働します。

1970年代から80年代にかけて先進的な経営スタイルを模索する欧米企業を中心に導入が進んだことにより、日本用にカスタマイズされた製品が1990年代初頭に普及しました。オンプレミスERP時代の特徴は単純で、オンプレミスERPしかなかったということです。
そのため、ERPを導入する企業は、高額なサーバーを購入し、サーバーを管理し、ERPを運営できるエンジニアを雇用しなければなりませんでした。

オンプレミスの欠点の解消を目指したのが、クラウドERPです。90年代の後半の2000年問題や金融制度改革、市場のグローバル化といった経営環境の大幅な変化を受け、まず大手企業を中心に拡大しました。
クラウドERPでは、ERPのユーザー企業はサーバーを持ちません。ユーザー企業の従業員が使っているパソコンと、クラウドERPサービス会社のサーバーをインターネットでつなぎ、従業員の誰もがERPを使えるようにしています。

オンプレミスERPからクラウドERPにすれば、ユーザー企業はシステム室も、サーバーも、エンジニアも用意しないで済みます。
クラウドERPサービス会社に支払う使用料のほうが、格段に安く済みます。中小企業向けERPパッケージのほか、業種や業界、または特定業務に特化したパッケージが登場するなど確実にユーザーが増えたことで、価格低下が可能になりました。

導入が楽で場所を選ばない

クラウドERPのメリットは、導入時にもあります。ユーザー企業で用意するのは従業員が使うパソコンとネット環境くらいです。ハードもソフトもクラウドERPサービス会社がもっています。
そして、ネットでERPとつながることができるので、ユーザー企業の従業員たちは、ネット環境下であれば場所を選ばずに作業ができます。

セキュリティやスペック、カスタマイズ性の面でオンプレミスERPのほうが優位であるという意見もありますが、クラウドERPは日進月歩なので、その差は縮まっています。少なくともERPの導入を検討している企業は、クラウドERPとオンプレミスERPを比較検討するべきでしょう。

ERPのメリット

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企業がERPを導入するメリットは、データの一元管理とデータの見える化を同時に達成できることです。

データの一元管理と見える化

企業の事務作業は、部門や部署がどれだけ増えようとも、必ずどこかでつながっています。そのため、社内システムをERP化してすべての部署をつなげたほうが、効率的に事務作業を行うことができます。
たとえば、出張費の精算システムを経理の給与システムにつなげることで、経理部員は「社員のお金」のすべてを自分の机の上のパソコンで見ることができるようになります。これがデータの見える化です。
そして、これは同時に、経理部員が「社員のお金」を一元管理していることになります。ある従業員が札幌出張の出張費として精算システムに100万円を入力したら、経理部員はすぐにその従業員へ連絡し「1桁間違っていませんか?」と注意できます。

リアルタイムでデータを収集できるから経営判断が迅速になる

ERPを導入すると、経営者の判断が迅速かつ正確になるでしょう。
経営者が何か大きな判断を下すとき、売上や利益は重要な資料になりますが、それだけで決めることはないと思います。たとえば、工場の生産性や倉庫の在庫量、販売店の客数なども、経営判断を大きく左右します。
そこで、ERPを導入すれば、経営者は社内で発生するあらゆるデータをリアルタイムで入手することができます。経営者が「生の数字」や「生のデータ」に簡単に触れることができるので、「バイアスがかかった報告」や「忖度された情報」の惑わされないようになります。

内部統制とコンプライアンスを強化できる

ERPには社内のあらゆるデータが集まるので、経営者は管理職に対し、データに基づいた指示を出すことができます。また、従業員の評価も、データに基づいた公正なものになるでしょう。
こうした取り組みによって、経営者の内部統制力は強化されます。

さらに、どの部署の長も、実績やデータや数字を「粉飾」したり「嘘」を申告したりすることができなくなります。これはコンプライアンス意識を高めることにつながります。

レガシーERPからの刷新とポイント

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「レガシー」という言葉は、よい意味で使われることがほとんどですが、ITやシステムの世界ではネガティブな意味でも使われます。
「レガシーERP」には、古くなったERPというニュアンスがあります。
ERPをもっていなかった企業がERPを導入することは大きな一歩ですが、レガシーERPから最新のERPに刷新することも、それに負けないくらい大きな進歩を、企業にもたらすでしょう。

「2025年の崖」問題とは

経済産業省はDXレポートにて「2025年の崖」を「企業がデジタル・トランスフォーメーション(DX)の波に乗り遅れることによって2025年以降に生じる、最大年12兆円もの経済損失」と定義しています。
ERP化やレガシーERPの刷新も、デジタル・トランスフォーメーション(DX)に含まれます。レガシーERPで問題になっているのが、過剰なカスタマイズによるシステムの複雑化、ブラックボックス化です。カスタマイズは「使いやすいように」変更していく取り組みですが、それが重なると、多くの人にとって「使いにくい」システムに変わってしまうものです。

また、企業の成長や製品・サービスの多様化により、スペックが低いレガシーERPでは収集しきれないデータが出てきます。データは今や、ヒト・モノ・カネに次ぐ第4の経営資源と考えられているので、「データの取りこぼし」は機会損失と同じ意味をもつことになってしまうでしょう。

2層ERPとは

レガシーERPから最新ERPへの移行では、「2層ERP」を検討することをおすすめします。
2層ERPとは、本社が管理する「コアERP」と、支社・営業所などで稼働させる「ミドルERP」をわけて構築するERPのことです。

本社では本格的なERPが必要ですが、支社や営業所ではそれほど大規模なERPは必要ない場合があります。また、支社や営業所にはローカルルールが多数存在するので、それに合わせてERPを「カスタマイズ」したくなります。しかし、ローカルルールによってERPをカスタマイズすれば、複雑化やブラックボックス化が進んでしまいます。

そのため2層ERPでは、従来のコアERPとは別に、ローカルなミドルERPを構築するわけです。
ただし、コアERPとミドルERPはまったくの別物ではありません。データの互換性などは残しておきます。こうすることで、データの一元管理やデータの見える化、リアルタイムでのデータ収集といったERPのメリットを残すことができます。

企業規模の拡大に合わせてERPを充実させる

自社業務システムのERP化は、ある程度の規模に成長した企業には欠かせない投資といえるでしょう。企業が成長しているのにERPを導入しないと、作業効率や生産性が落ち、成長の鈍化を招くかもしれません。
また、すでにERPを導入している企業が、今後海外展開をしたり、国内拠点を大幅に増やしたりするときは、ERPを進化させることを忘れないでください。
クラウドERPや2層ERPはERPの進化版といえ、経営者が社内全体をグリップするために必要不可欠なツールになるでしょう。

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