2025年9月25日文書管理
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書類の電子化の課題や困りごと!悩みの解決・対策方法を解説


業務の効率化や働き方改革などによって、書類を電子化する企業は増加しています。近年はテレワークの影響もあり、電子化はより一層推進されるでしょう。しかし、実際には「文字起こしやデータ入力が面倒」「時間と労力がかかるため、ストップしている」「電子化してみたが効果的な運用ができていない」といった悩みを抱える企業が多いようです。電子化は、経費削減や社内の構造改革など様々な導入メリットがあり、今後積極的に進めておきたい取り組みです。
今回はそんな書類の電子化にまつわる課題や困りごとや解決方法につながるヒント、電子化のメリットなどについてご紹介します。

書類を電子化する際の課題・困りごと


書類を電子化すれば業務効率やコスト削減につながりますが、その過程で新たな負担や悩みが生じることも少なくありません。特に金銭面や作業負担、管理体制などは多くの企業がつまずきやすいポイントです。
ここでは、電子化の現場で実際に起きやすい課題や困りごとを整理して解説します。

初期導入コスト

電子化するにあたってシステムを導入することになりますが、システムの初期導入コストはそれなりにかかります。社員全員分のIT機器を用意し、セキュリティ対策を講じるということになれば、想定以上の費用が必要になる可能性もあります。
ただし、クラウド型のサービスを選択すれば初期費用を抑えられる場合もあり、自社の規模や予算に合わせて方式を検討することが重要です。

時間的・人的コスト

電子化するための作業には、時間的コストや人的コストに関する課題があります。以下で、どのような課題があるかについて詳しく見ていきましょう。
こうした負担はOCR機能の活用や外部委託を組み合わせることで大幅に軽減できるため、早い段階で対策を検討しておくと安心です。

スキャンニングが面倒

スキャニングは、書面をスキャンしてパソコンに転送し、保存してリネームを行う、といった作業を行います。スキャニング作業には多くの作業が伴うため、慣れないうちは面倒に感じることも多いでしょう。

文字起こしやデータ入力自体に時間がかかる

文字起こしやデータ入力を手作業で行う場合、タイピングの速い人でもある程度の時間が必要になります。校正作業も含めると、人件費がかかることが予想されます。

紙のほうが全体像を見れる

例えば、大きな表や図面を確認する場合、パソコン画面では一度に全体を見渡せずスクロールが必要になります。その点、紙であれば一目で全体像を把握できるため、作業効率が高い場面もあるでしょう。特に製造業や建設業などでは、紙のほうが実務に適しているケースも少なくありません。
ただし、紙に依存しすぎると保存スペースや共有効率の問題が残ってしまいます。大判の図面や表は専門のスキャナーで電子化し、デジタル上では部分拡大や検索を活用、必要に応じて紙に出力するという「併用型」の運用を検討するとバランスが取りやすくなります。

電子化後の管理

スキャニングを行っても、保存や管理が不十分だとかえって業務効率を下げてしまいます。検索に時間がかかる、保存場所が不明確で資料を探すのに手間取る、といった声はよく聞かれます。
これを防ぐには、ファイル名のルールを統一したり、部署ごとに保存先を整理したりといった管理体制の整備が欠かせません。クラウドや文書管理システムを導入すれば、アクセス権限を設定してセキュリティを高めつつ、検索性や共有性も向上させることができます。電子化は「保存したら終わり」ではなく、運用ルールを作り、定期的に見直していくことが重要です。

紙とデータ保管が並存

紙とデータ保管が並存してしまい困っているというお悩みも聞かれます。
また、電子化後、原本をきちんと処理せずにいると紙と電子の同じデータが重複してしまい、誤った資料をもとに仕事を進めてしまう可能性があります。こうした状況を防ぐには、紙とデータをどちらかに一本化するか、役割を明確にしたうえで併用ルールを決めることが求められます。

電子化したデータのセキュリティ対策

セキュリティ対策は、電子化と必ずセットで検討されなければならない問題です。アクセス制限やパスワード設定など専門性のある対策が必要とされていますが、対応できる部署がないと電子化を進めにくいようです。
その場合は外部のクラウドサービスや専用システムを導入することで、自社に専門部門がなくても一定水準のセキュリティを確保できる場合があります。

書類の電子化の課題・困りごとの解決・対策方法


課題や困りごとは、そのままにしておくと電子化の効果を十分に発揮できません。目的や管理ルールを見直したり、外部サービスを上手に取り入れたりすることで、負担を大幅に軽減できます。
ここでは、具体的な解決策や実践のポイントを紹介します。

電子化の目的を明確にする

電子化を進める際に最も重要なのは「何のために取り組むのか」をはっきりさせることです。目的が曖昧なまま導入すると、期待していた成果が得られずに途中で頓挫するケースも少なくありません。たとえば「生産性向上」「セキュリティ強化」「オフィス縮小」など、優先順位を明確にすることで社員全員が共通意識を持ちやすくなります。場合によっては、紙で残す方が効率的な業務も見えてくるため、目的を整理すること自体が最適な選択につながります。

電子化後の管理方法を決めて見える化する

電子化は保存したら終わりではなく、運用ルールを定めることが欠かせません。ファイル名の付け方や保存場所のルールを統一する、重要データにはアクセス制限を設ける、といった基本的な仕組みを最初に整えておく必要があります。ルールは文書化して見える化し、社内で共有することで定着しやすくなります。さらに定期的に運用状況をチェックし改善を繰り返すと、無駄なく安全に活用できる仕組みへと進化させられます。

外部サービスを活用する

電子化作業を自社で全て行うと、膨大な手間と人件費がかかり、本来の業務に支障をきたすことがあります。外部サービスを活用すれば、スキャンやホチキス外しなどの細かい作業をプロが代行してくれるため、時間と労力を大幅に削減できます。さらにOCRによる文字認識や高度なセキュリティ管理など、自社では用意しにくい機能を利用できるのも強みです。費用は発生しますが、業務効率やミス削減を考えればコスト以上の効果が期待できるでしょう。

書類を電子化するメリット

電子化のメリットは単に「紙を減らせる」ことにとどまりません。セキュリティの強化や情報共有のスピード向上、オフィススペースの有効活用、さらにはBCP(事業継続計画)対策まで、幅広い効果があります。
ここでは代表的な4つのメリットを取り上げます。

セキュリティ管理がしやすい

紙の書類は持ち出しや紛失といったヒューマンエラーによる情報漏洩リスクが常にあります。電子データ化すれば、IDごとにアクセス権限を設定したり、持ち出しを制限したりできるため、情報管理を徹底しやすくなります。
さらにログを残せば「誰がいつ閲覧・編集したか」を追跡できるので、不正利用や内部統制上の課題にも対応可能です。セキュリティ強化とコンプライアンス対応を同時に進められる点は大きなメリットといえます。

検索・共有が簡単

紙の書類はキャビネットやファイルを探すだけで時間がかかりますが、電子化されたデータならファイル名やキーワード検索で瞬時に探し出せます。OCR機能を活用すれば、スキャンした書類の中身からも検索可能です。
加えて、クラウド上で管理すれば複数人が同時に閲覧・編集でき、場所を問わずに利用できます。リモートワークや拠点間での情報共有もスムーズになり、作業効率が格段に向上します。

経費削減

電子化はオフィススペースの削減につながるだけでなく、紙にまつわる隠れたコストも削減できます。用紙代やコピー代、郵送費といった直接的な費用に加え、書類のファイリングや保管、シュレッダー処理にかかる人件費も軽減可能です。
さらに、紙書類を減らせばオフィス縮小や賃料削減にもつながります。初期投資は必要ですが、長期的には投資対効果が高い取り組みといえるでしょう。

BCP対策になる

BCP(事業継続計画)対策として、地震や火事など不測の事態に備えた電子化はおすすめの手段です。
地震や火災、洪水などの災害発生時に紙の書類が失われると、業務継続は困難になります。電子化されたデータであれば、クラウドや複数拠点にバックアップを置くことで、災害時でも情報を守ることができます。
これにより、BCP(事業継続計画)の実効性が高まり、緊急時の迅速な復旧が可能になります。また、電子データは監査対応や法令遵守の観点からも有効で、企業の信頼性向上にもつながります。

書類の電子化サービス選びのポイント


数多くの電子化サービスが存在する中で、自社に合ったものを選ぶことは簡単ではありません。目的やコストだけでなく、セキュリティや操作性といった要素も見逃せないポイントです。
ここからは、サービス選びでチェックすべき観点を具体的に解説します。

目的・業務への適合性

書類の電子化サービスを選ぶ際には、まず自社が電子化によって何を達成したいのかを明確にすることが大切です。たとえば「業務効率化」や「オフィス縮小」「セキュリティ強化」など目的は企業によって異なります。
加えて、自社の業務フローに沿ったサービスかどうかも重要です。製造業なら図面対応、法律事務所なら機密保持の仕組みなど、業種ごとに必要な要件が異なるため、実務にフィットするかを確認しておきましょう。

セキュリティと法令遵守

電子化するため、物理的な紛失をするリスクは低いですが、データが漏洩するリスクはあります。機密情報が含まれている文書のデータが漏洩した場合、会社の信用を失うことは避けられず、会社にとって大きな損失となります。
書類の電子化サービスを選ぶ際は、書類が適切に扱われ、セキュリティ対策を講じているかどうか確認しましょう。他にも、個人情報保護法などの法令の順守を徹底しているかどうかも、サービス選びにおいて重要です。

機能と操作性

サービスの機能や操作性は、日常業務での使いやすさに直結します。基本的な検索機能やOCR機能に加えて、ユーザーインターフェースの分かりやすさや、スマホ・タブレットからの利用可否も確認しておきたいポイントです。
また、利用人数や保存容量が増えた際にスムーズに拡張できるかどうかも長期利用の安心材料となります。現場の社員が直感的に使えるかどうかも大きな判断基準です。

コストと契約内容

導入前には初期費用と月額費用の両方を把握し、トータルコストで検討することが必要です。利用量に応じた従量課金制か定額制かによってもコストの見え方が変わります。
さらに、データ容量の超過や追加機能の利用に伴って発生する追加費用の有無、解約時の条件なども事前に確認しておきましょう。契約内容を丁寧にチェックすることで、予想外の出費や運用上のトラブルを防ぐことができます。

まとめ

これまで見てきたように、書類の電子化に伴う悩みごとが多く存在します。ポイントは、何のために電子化するのかという目的を明確にすることです。その上で、どんな方法で電子化するかを設定しておくとよいでしょう。人出が足りなければ、一つの方法として外部委託の検討をおすすめします。
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外部委託を検討している場合は、一度相談してみる価値があるかもしれません。

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