Pマーク更新の準備はいつから?必要な作業と不備・相談先を解説

Pマークの更新時期が近づき、「いつから準備を始めればよいのか」「どの書類や記録をそろえるべきか」と不安になっていませんか。更新申請には決められた期間があり、直前に動き出すと、書類不足や運用記録の不備に気づくのが遅れます。
更新申請は、有効期間満了の8か月前の日から4か月前の日までに行います。準備は、受付開始のさらに前から始めるのが現実的です。個人情報管理台帳の棚卸し、委託先の確認、教育・内部監査・マネジメントレビューの実施状況の確認、前回審査での指摘事項への対応には、いずれも時間がかかるためです。申請後も、形式審査、文書審査、現地審査、是正対応、付与契約手続きが続きます。社内だけで進めることが難しい場合は、Pマーク更新支援のコンサルティングサービスを利用する方法もあります。
この記事では、更新準備の逆算スケジュール、必要な作業と書類、遅れや不備が起こりやすい場面、外部に相談できる範囲を解説します。
この記事でわかること
- 更新申請の受付期間と、準備開始の目安
- 申請から更新完了までの審査プロセス
- Pマーク更新前に必要な作業と書類
- 遅れや不備が起こりやすい5つの場面
- 更新にかかる費用と、外部へ相談できる範囲
Pマーク更新の準備はいつから始めるか

Pマーク更新は、有効期限が近づいてから動き出すのでは間に合いません。申請受付期間から逆算して準備を進めます。
更新申請の受付期間
更新申請は、プライバシーマーク付与の有効期間満了の8か月前の日から4か月前の日までに行う必要があります。満了日そのものではなく、受付期間の開始日と終了日を確認してください。
有効期間と前回の審査機関は、JIPDECから交付されたプライバシーマーク登録証に記載されています。まずは登録証を確認しましょう。
なお、受付期間の最終日が審査機関の休業日(土曜日、日曜日、祝祭日等)にあたる場合は、直後の営業日まで延長して受け付けられます。
有効期限から逆算した準備スケジュール
受付期間の開始を待ってから準備を始めると、間に合いません。申請書類の作成だけでなく、台帳の棚卸し、委託先の確認、運用記録の点検が必要になるためです。
| 時期(有効期間満了からの逆算) | 実施すること |
|---|---|
| 12か月前 | 前回申請書類と審査での指摘事項を確認する。担当者、確認者、承認者を決める |
| 10か月前 | 個人情報管理台帳と委託先を棚卸しする。事業内容・組織体制の変更を洗い出す |
| 9か月前 | PMS文書と規程類を、現在の運用に合わせて見直す |
| 8か月前 | 教育、内部監査、マネジメントレビューの実施状況を確認する。不足があれば実施する 【更新申請の受付期間が開始】 |
| 8〜6か月前 | 申請書類を作成し、社内承認を得て申請する |
| 4か月前 | 【更新申請の受付期間が終了】 |
| 申請後〜満了まで | 形式審査、文書審査、現地審査、指摘への是正対応、付与契約手続き |
上記は目安です。担当者が兼務している場合、前回更新時の資料が整理されていない場合、前回更新後に事業や組織が大きく変わった場合は、さらに時間がかかります。
受付期間の後半に申請するリスク
受付期間は4か月間ありますが、期間の終わり近くに申請すると、審査で指摘を受けた際の是正時間が確保できません。
申請後には、形式審査、文書審査、現地審査、審査結果の連絡、必要に応じた改善対応、付与契約手続きが続きます。書類の不備や指摘事項への対応が発生すれば、その分だけ日程が後ろ倒しになります。
受付期間の前半で申請できるよう、逆算して準備を進めてください。
申請から更新完了までの流れ
Pマーク更新は、申請して終わりではありません。申請後のプロセスを把握しておくと、必要な準備が見えてきます。
| 手順 | 内容 | 準備しておくこと |
|---|---|---|
| ①申請 | 審査機関へ申請書類を提出する。JIPDECへ申請する場合は、Pマークポータルサイトからのオンライン申請も可能 | 申請書類一式、社内承認 |
| ②形式審査 | 提出書類が要件を満たしているかを確認される | 添付漏れ、記入漏れのない書類 |
| ③文書審査 | PMS文書が指針の要求事項に適合しているかを審査される | 最新版のPMS文書、規程類 |
| ④現地審査 | 文書どおりに運用されているかを、現地で確認される | 台帳、教育記録、内部監査記録、マネジメントレビュー記録、委託先管理の記録。回答する社内体制 |
| ⑤審査結果の連絡 | 指摘があれば、是正処置を行い、改善報告を提出する | 是正の実施と記録。承認ルート |
| ⑥付与契約手続き | 付与適格決定後、JIPDECと付与契約を締結し、付与登録料を納付する | 契約手続きの担当者、費用の予算確保 |
現地審査では、書類の内容と実際の運用が一致しているかを確認されます。文書だけを整えても、現場の運用が伴っていなければ指摘を受けます。
Pマーク更新前に必要な作業と書類
更新では、申請書類をそろえるだけでなく、有効期間中(2年間)の運用状況が実態に合っているかを確認する必要があります。作業は、申請書類の作成、個人情報管理台帳と委託先の棚卸し、運用記録の確認、PMS文書の見直し、前回指摘事項への対応の5つに分かれます。時間がかかるのは、書類作成そのものではなく、実態の確認です。
更新申請書類一式の作成
更新申請では、申請書類一式を最新の様式に沿って作成します。前回の申請書類をそのまま使ってはいけません。現在の組織体制や業務内容に合わせて見直します。
部署名、責任者、事業内容、個人情報の取扱い範囲に変更がある場合は、申請書類にも反映してください。古い情報が残ると、審査時の確認に時間がかかります。
個人情報管理台帳と取扱い状況の棚卸し
個人情報管理台帳は、更新準備で最も時間がかかる資料のひとつです。構築・運用指針では、台帳に少なくとも次の項目を含めることが求められています。
- ・個人情報の項目
- ・利用目的
- ・保管場所
- ・保管方法
- ・アクセス権を有する者
- ・利用期限
- ・保管期限
- ・管理する個人情報の件数(概数でも可)
台帳の内容は、少なくとも年1回、および必要に応じて適宜に確認し、最新の状態で維持することが求められます。
新しいサービスの開始、採用活動、問い合わせ管理、外部ツールの導入により、前回更新時から取扱い内容が変わっていることがあります。部署ごとに棚卸しを行い、実際の業務と台帳が一致している状態にしてください。
委託先と再委託先の棚卸し
個人情報の取扱いを外部に委託している場合は、委託先と再委託先の状況を洗い出します。給与計算、クラウドサービス、配送、システム保守、採用管理など、個人情報が関わる委託業務は広範囲に及びます。
構築・運用指針では、すべての委託先を漏れなく特定すること、委託先選定基準を確立すること、委託契約書を当該個人データの保有期間にわたって保存することが求められています。
契約書、覚書、委託先評価の記録、再委託の有無を確認し、現在の委託状況と資料の内容が合っているかを見直しましょう。
教育・内部監査・マネジメントレビューの実施
Pマーク更新では、PMSを継続的に運用しているかが確認されます。構築・運用指針では、次の項目をいずれも少なくとも年1回、および必要に応じて適宜に実施することが求められています。
| 運用項目 | 求められる頻度 | 残す記録 |
|---|---|---|
| 従業者への教育 | 少なくとも年1回 | 実施日、対象者、内容、理解度の確認結果 |
| 内部監査 | 少なくとも年1回 | 内部監査実施計画、内部監査報告書、指摘と是正の記録 |
| マネジメントレビュー | 少なくとも年1回 | 実施記録、改善の決定内容 |
| 個人情報管理台帳の確認 | 少なくとも年1回 | 更新履歴、最終更新日 |
| リスクアセスメントの見直し | 少なくとも年1回 | 見直しの記録、リスク対応計画 |
実施したつもりでも、記録が残っていなければ説明できません。審査時に記録を確認できる状態にしておくことが必要です。
PMS文書と規程類の更新
PMS文書や規程類は、現在の運用に合わせて更新されている必要があります。個人情報保護方針、個人情報保護規程、委託先管理規程、教育規程、内部監査規程が、実際の業務とずれていないかを確認しましょう。
利用しているシステムや委託先が変わっているのに規程が古いままだと、文書審査と現地審査の双方で指摘を受けます。文書は形式を整えるだけでなく、現場で守れる内容になっていることが大切です。改定履歴と承認記録も残しておきましょう。
事業内容や組織変更の反映
前回更新以降に、新規事業を始めた、部署を統合した、拠点を増やした、システムを入れ替えたといった変化がある場合は、更新前に反映が必要です。
事業内容や組織体制の変更は、個人情報の取得方法、利用目的、保管場所、委託先にも影響します。変更があったにもかかわらず申請書類や台帳に反映されていないと、審査時に追加確認が発生します。前回申請時の情報と現在の業務を見比べ、差分を洗い出してください。
前回審査での指摘事項への対応
前回の審査で指摘を受けている場合は、対応状況を必ず確認します。指摘内容、是正処置、再発防止策、完了日、承認者が記録として残っているかを見直しましょう。
口頭で対応したつもりでも、記録がなければ説明できません。前回の指摘が今回も残っていれば、運用改善が進んでいないと判断されます。更新準備では、前回審査の結果を最初に確認し、未対応や記録不足があれば早めに補ってください。
Pマーク更新で遅れや不備が起こりやすい場面

更新が遅れる背景にあるのは、書類作成そのものではありません。日常運用の記録不足と、現場から管理部門への共有不足です。次の5つが、特につまずきやすい場面です。
申請書類の添付漏れや記入漏れ
前回の資料を参考に作成していても、様式が変わっていたり、現在の事業内容と合わなくなっていたりします。特に、責任者名、所在地、事業概要、個人情報を取り扱う業務の内容は、変更が反映されているか確認が必要です。
提出直前に不足が見つかると、社内承認や再作成に時間がかかります。作成者と確認者を分けることで、見落としを減らせます。
管理台帳と取扱実態の不一致
新しいフォームや外部ツールを導入した場合、現場では運用が変わっていても、管理台帳への反映が後回しになります。現場の変更が管理部門に共有されていないと、更新直前に台帳の修正と関係部署への確認が必要になります。
更新前には、部署ごとに個人情報の取得、利用、保管、廃棄の流れを確認し、台帳と照合してください。
運用記録の欠落
教育、内部監査、マネジメントレビューは、いずれも少なくとも年1回の実施が求められます。実施していても、記録が残っていなければ説明できません。
実施日、対象者、内容、結果、是正対応の有無を確認し、不足があれば早めに状況を整理しましょう。記録の作成日だけを後から整えるのではなく、実際に行った内容がわかる形で残すことが必要です。日常的に記録を残す仕組みを作れば、次回更新時の負担も抑えられます。
委託先や再委託先の反映漏れ
現場部門が新しいクラウドサービスや外部委託先を利用し始めた場合、管理部門への共有が遅れます。再委託がある場合は、その扱いも確認しましょう。
現場で利用しているサービスが管理部門に共有されていないと、更新準備の段階で情報収集から始めることになります。契約一覧や利用サービス一覧を活用し、委託先管理の抜けを防いでください。
担当者任せによる進捗の停滞
更新準備を特定の担当者だけに任せていると、進捗が見えなくなります。担当者が多忙になったり、異動や退職で不在になったりすると、どこまで準備が進んでいるのか社内で把握できません。
更新準備では、申請書類、台帳、教育記録、内部監査、委託先管理など、複数の部署に関わる作業が発生します。担当者だけで抱え込まず、確認項目、担当部署、期限、進捗状況を共有できる形にしておきましょう。
Pマーク更新にかかる費用
更新では、審査機関とJIPDECへ支払う費用が発生します。
| 費用 | 内容 | 支払先 |
|---|---|---|
| 申請料 | 申請時に必要。審査結果にかかわらず必要で、形式審査で受理されなかった場合も返却されない | 申請した機関(JIPDECまたは審査機関) |
| 審査料 | 文書審査、現地審査、改善内容の確認審査などの工数に対する費用。審査結果にかかわらず必要 | 申請した機関(JIPDECまたは審査機関) |
| 現地審査の交通費・宿泊費 | 審査を担当した機関の規程により別途請求される | 審査を担当した機関 |
| 付与登録料 | 付与適格決定後、有効期間(2年間)分を一括で納付する | JIPDEC |
金額は、事業者の規模(業種、従業者数、資本金)によって変わります。最新の料金は、JIPDECまたは申請先の審査機関が公表している料金表を確認してください。
なお、JIPDECは料金改定を公表しており、2026年10月1日申請分から新料金が適用されます(※公開前に最新の公表情報との整合をご確認ください)。申請時期によって費用が変わるため、予算を立てる際は申請予定日を確認しておきましょう。
外部支援を利用する場合は、審査機関へ支払う費用とは別に、コンサルティング費用がかかります。費用だけでなく、社内工数と期限内に対応できるかも含めて判断してください。
Pマーク更新を外部に相談できる範囲

更新は自社でも進められます。一方で、更新期限が近い、前回更新後に事業内容や委託先が大きく変わった、Pマーク運用の知見が社内に残っていないといった状況では、外部支援を活用したほうが確実です。
支援会社に依頼できる業務と、自社で行うこと
| 支援会社に相談できること | 自社で行うこと |
|---|---|
| 更新スケジュールの確認と優先順位の整理 | 実際の運用状況の把握 |
| 必要書類の整理 | 各部署へのヒアリング |
| 個人情報管理台帳の見直し | 台帳に記載する取扱実態の確認 |
| PMS文書・規程類の確認 | 規程内容の最終承認 |
| 内部監査・マネジメントレビューの準備支援 | 監査の実施と経営層によるレビュー |
| 審査前の課題洗い出し | 是正の実施と記録 |
すべてを外部任せにはできません。審査で回答する主体は事業者であり、実際の運用状況は社内で把握しておく必要があります。支援会社は、社内運用を整えるための伴走役として活用しましょう。
支援会社を選ぶ判断基準
支援会社を選ぶ際は、Pマーク更新の支援実績、PMSへの理解、対応範囲を確認します。テンプレートを渡すだけではなく、自社の業務内容と個人情報の取扱いに合わせて助言してくれるかが重要です。
更新期限が近い場合は、短期間で優先順位を示してくれるかも判断材料になります。書類作成の代行だけでは、次回更新でも同じ問題が起こります。今後の運用が社内で続けられる形に整えてくれるかを見てください。
情報セキュリティコンサルティング コーチマモル(Coach MAMORU)
コーチマモル(Coach MAMORU)は、株式会社日本パープルが提供する情報セキュリティコンサルティングサービスです。Pマーク取得支援、Pマーク更新支援、ISMS取得・更新支援、情報セキュリティ教育を提供しています。
Pマーク更新支援では、一度の更新を支援するだけでなく、自社内で運用・更新できる体制づくりをサポートします。現状確認、必要書類の整理、運用ルールの見直し、更新期限が近い場合の進め方まで相談できます。
担当者が減った状態でもPマークを取得できた事例もあります(株式会社GEARの導入事例はこちら)。
なお、前任者の退職により引き継ぎが十分でない場合の進め方については、Pマーク担当者が退職したら?更新前に引き継ぐべきことで解説しています。
Pマーク更新に関するよくある質問
Pマーク更新では、受付期間、申請先、費用、審査での指摘への対応について疑問が生じやすいものです。Pマーク更新に関するよくある質問と回答を紹介します。
更新申請の受付期間を過ぎた場合はどうなりますか?
通常のスケジュールで更新手続きを進めることが難しくなります。プライバシーマーク登録証で有効期間を確認したうえで、申請先の審査機関またはJIPDECへ早めに相談してください。あわせて、申請書類と運用記録の不足を確認し、対応の優先順位を決めましょう。
更新申請はどこに提出しますか?
原則として、前回プライバシーマーク付与適格決定を受けた審査機関に提出します。どの審査機関で付与適格決定を受けたかは、プライバシーマーク登録証に記載されています。登録証が見つからず不明な場合は、JIPDECプライバシーマーク推進センターの審査担当へ問い合わせれば確認できます。
Pマーク更新の費用はどのくらいかかりますか?
申請料、審査料、付与登録料が必要で、金額は事業者の規模によって変わります。現地審査にかかる交通費・宿泊費は別途請求されます。JIPDECは料金改定を公表しており、2026年10月1日申請分から新料金が適用されるため、申請予定日を踏まえて最新の料金表を確認してください。
更新審査で指摘を受けた場合も有効期限に間に合いますか?
指摘の内容、残り期間、社内の対応スピードによります。期限直前に指摘を受けると、是正、社内確認、承認に時間がかかり、対応が難しくなります。受付期間の前半で申請し、指摘が出ても是正できる余裕を持って準備を進めることが大切です。
まとめ|Pマーク更新は、有効期限の1年前から準備する
更新申請は、有効期間満了の8か月前の日から4か月前の日までに行います。ただし、準備を始めるのは受付開始の8か月前ではありません。台帳の棚卸し、委託先の確認、運用記録の点検、PMS文書の見直しには時間がかかるため、有効期限の1年前を目安に着手してください。
教育、内部監査、マネジメントレビュー、台帳の確認は、いずれも少なくとも年1回の実施が求められます。実施していても記録がなければ説明できません。運用記録がそろっているかを、早い段階で確認しましょう。
申請後も、形式審査、文書審査、現地審査、是正対応、付与契約手続きが続きます。受付期間の前半で申請できるよう、逆算して進めることが確実です。
自社だけで判断が難しい場合は、情報セキュリティコンサルティング コーチマモル(Coach MAMORU)へご相談ください。現在の運用状況を確認しながら、更新に向けた進め方を整理します。





















