図面の保管方法は?紙図面の整理・電子化のポイントを解説

「紙図面が増えて保管場所に困っている」「必要な図面をすぐに見つけられない」「古い図面と最新版が混在している」といった悩みはありませんか。建築図面や設計図、竣工図などは大判のものも多く、保管方法を決めずに増やしていくと、劣化や紛失、検索に時間がかかる原因になります。
図面を適切に管理するには、紙原本を湿気や直射日光から守るだけでなく、案件や図面番号による分類、最新版と旧版の区別、必要に応じた電子化などを組み合わせることが大切です。大量・大判の図面を長期保管する場合は、社内だけで保管せず外部の書類保管サービスを利用する方法もあります。
この記事では、紙図面の保管方法から整理・管理のポイント、電子化、保存期間の考え方、大量・大判図面を外部保管する方法まで解説します。図面を探しやすく、安全に保管できる環境を整えたい方は参考にしてください。
この記事でわかること
- 紙図面を適切に保管する方法
- 図面を探しやすく整理・管理するポイント
- 紙図面を電子化して保管する方法
- 図面の保存期間・廃棄の考え方
- 大量・大判図面を外部保管する際のポイント
紙図面を適切に保管する方法

紙図面は、サイズや利用頻度に合った収納方法を選び、劣化しにくい環境で保管することが基本です。日常的に使う図面と長期保存する図面では向いている方法も異なります。図面の大きさや量、取り出す頻度を踏まえて、無理なく続けられる保管方法を選びましょう。
- ・図面ケース・ファイルによる保管
- ・キャビネット・専用棚による保管
- ・湿気・直射日光・温度変化を避ける環境
- ・大判図面のサイズに合った収納
図面ケース・ファイルによる保管
日常的に参照する紙図面は、図面ケースやファイルにまとめて保管すると扱えます。案件別、顧客別、年度別など、自社の業務に合う単位で分け、背表紙や表面に内容が分かるラベルを付けておきましょう。
頻繁に出し入れする図面は案件単位でまとめると確認できます。1つのファイルへ詰め込みすぎると取り出しにくくなるため、量に応じて分冊し、保管場所も決めておくことが大切です。
キャビネット・専用棚による保管
図面を大量に保管する場合は、キャビネットや図面専用棚を使う方法があります。ファイルやケースを立てて収納する棚のほか、図面を平らな状態で収納できる引き出し式の保管設備も選択肢です。
保管設備は、図面のサイズと量だけでなく利用頻度も考えて選びます。よく使う図面は取り出しやすい場所へ配置し、長期保存用は別のエリアへ分けると、日常業務で必要な図面を探せます。
湿気・直射日光・温度変化を避ける環境
紙資料は、高温多湿や大きな温湿度変化、強い光などによって劣化が進みます。図面を長期保存する場合も、湿気がこもりにくく、直射日光が当たらない場所を選ぶことが重要です。
紙資料は、低温・低湿で温湿度の変化が少ない環境ほど劣化を抑えられます。オフィスで保管する場合は、窓際や水回りの近くを避け、空調や換気の状況も確認しましょう。長期保管では、カビや虫害、紙の変色などがないか定期的に確認することも大切です。
大判図面のサイズに合った収納
A0・A1・A2などの大判図面は、一般的な書類ファイルへ無理に収めると折れや破れが生じやすくなります。図面サイズに対応したケースや保存箱、専用棚を選び、必要以上に折り曲げない状態で保管しましょう。
丸めて保管する方法もありますが、長期間巻いた状態が続くと、広げた際に扱いにくくなることがあります。利用頻度や保管期間を踏まえ、平置き、専用ケース、筒型ケースなどから適した方法を選ぶことがポイントです。
図面を探しやすく整理・管理するポイント
図面は安全に保管するだけでなく、必要なときに迷わず取り出せる状態にしておくことが重要です。分類方法や図面番号が部署ごとに異なると、保管場所が分かっていても検索に時間がかかります。紙図面の管理ルールを統一し、最新版や所在まで把握できる状態を整えましょう。
- ・案件・顧客ごとの分類
- ・図面番号・管理ラベルの統一
- ・最新版と旧版の区別
- ・図面の所在をまとめた管理台帳
案件・顧客ごとの分類
紙図面は、案件、顧客、製品、建物、年度など、自社で探す機会が多い単位に分けて保管します。分類方法を決める際は、担当者個人の感覚ではなく、ほかの従業員でも同じ場所へ戻せるルールにすることがポイントです。
例えば、案件ごとにファイルを分け、その中を設計図、構造図、設備図などの種類別に並べる方法があります。関連する仕様書や検査記録を一緒に確認する機会が多い場合は、図面との関係が分かるよう管理すると、必要な資料をまとめて探せます。
図面番号・管理ラベルの統一
図面番号や管理ラベルの付け方を統一すると、見た目から図面を識別できます。図面番号、案件名、版数、作成日など、自社で検索に使う情報を決め、同じ形式でラベルへ記載しましょう。
同じ図面に複数の呼び方があると、担当者によって保管場所や検索方法が変わります。命名ルールを決め、ラベルを貼り替えた際は管理台帳も更新してください。担当者が変わっても同じ方法で探せる状態を保つことが大切です。
最新版と旧版の区別
設計変更や修正が繰り返される図面は、最新版と旧版が混在すると誤った図面を参照するおそれがあります。現行版には版数や改訂日を記載し、旧版は履歴用として別に保管するなど、状態が一目で分かるルールを決めましょう。
旧版を残す必要がある場合でも、最新版と同じ場所へ無秩序に混在させるのは避けます。旧版であることを明記し、通常利用する図面とは区別して保管することで、作業時の取り違え防止につながります。
図面の所在をまとめた管理台帳
図面の点数が増えたら、保管場所を一覧で追える管理台帳を用意します。図面番号、案件名、版数、保管場所、作成日、保存期限などを登録しておけば、キャビネットや保存箱を1つずつ確認する手間を減らせます。
社内書庫と外部倉庫の両方を利用する場合も、保管場所を同じ台帳で管理すると所在を追えます。図面を移動した際は台帳も更新し、記録と現物にずれが生じない状態を維持しましょう。
紙図面を電子化して保管する方法

紙図面の電子化は、保管スペースを減らし、図面を探す時間や共有の手間を抑える方法の1つです。ただし、すべての図面を一度にデータ化する必要はありません。利用頻度や共有範囲、原本保存の必要性を踏まえて対象を決め、スキャン後の命名ルールやバックアップまで含めて運用を整えましょう。
閲覧頻度・用途による電子化対象の選定
最初に、どの図面を電子化するかを決めます。頻繁に参照する図面、複数拠点で共有する図面、紙では検索に時間がかかる図面などは、電子化を検討しやすい対象です。
一方、長期保存が必要でもほとんど閲覧しない図面まで一律に電子化すると、スキャン作業や費用が増えます。図面の量や閲覧頻度、利用目的を踏まえて優先順位を付け、業務上の効果が高いものから進めるとよいでしょう。
スキャン・PDF化による保存
電子化する図面は、複合機や大判対応スキャナーなどを使って読み取り、PDFなどの形式で保存します。A0やA1といった大判図面は一般的な複合機では読み取れない場合があるため、対応可能な原稿サイズを事前に確認してください。
スキャンでは、細い線や注記、寸法が読める状態になっていることが重要です。読み取り後は、図面の端が欠けていないか、必要な情報が判別できるかも確認しましょう。大量の図面や大判図面を電子化する場合は、専門業者へ依頼する方法もあります。
ファイル名・フォルダ構成の統一
電子化した図面は、保存するだけでは検索しやすくなりません。図面番号、案件名、版数、作成日など、検索に使う情報をファイル名へ含め、フォルダ構成も統一します。
例えば「年度/顧客名/案件名」のように階層を決め、同じルールで保存すると、担当者が変わっても目的の図面へたどり着けます。紙原本と電子データを併用する場合は、台帳上の図面番号とファイル名を合わせておくことで、原本との照合も行えます。
バックアップ・アクセス権限の設定
電子化した図面は、端末や1つの保存先だけに置かず、障害や誤操作に備えたバックアップを用意します。バックアップ先や取得頻度を決め、必要なデータを復元できる状態か定期的に確かめることも大切です。
また、製品設計や建築物に関する図面には、社外へ公開できない情報が含まれる場合があります。保存先では、業務上必要な人だけが閲覧・編集できるよう権限を設定し、共有範囲を管理しましょう。利用するシステムによっては操作履歴を確認できるものもあります。
図面の保存期間・廃棄の考え方
図面の保存期間は、すべての企業・図面で一律ではありません。業種や図面の種類によって法令上の保存義務があるほか、契約や社内規程、将来の改修・トラブル対応を踏まえて長期間残す場合もあります。何を根拠に残すのかを明確にし、電子化後に紙原本を残す必要があるかも含めて判断しましょう。
法令・契約・社内規程による保存期間
まず、対象となる図面に法令上の保存義務があるかを確認します。例えば、建築士事務所の開設者には、業務として作成した一定の設計図書や工事監理報告書などを15年間保存する義務があります。
ただし、すべての建築図面や製造図面に同じ期間が適用されるわけではありません。契約上の取り決めや社内規程で保存期間を定めている場合もあります。「図面だから○年」と一律に判断せず、図面の種類ごとに保存根拠を確認し、管理台帳へ期限を登録しておきましょう。
電子化後も原本を残す図面の判断
紙図面を電子化した後に原本を廃棄できるかは、図面ごとに確認が必要です。法令や契約などで保存方法に条件が定められている場合は、その条件に沿って判断しましょう。
例えば、建築士法で保存対象となる一定の図書は電子的保存も認められているため、必ず紙原本を残さなければならないわけではありません。一方、押印や手書きの記録など、紙そのものを残す必要がある場合は、電子データと原本を併用します。社内で判断基準を決めておくと、電子化後の扱いを統一できます。
保存期間を終えた図面の廃棄
保存期限を迎えた図面は、法令・契約・社内規程などを確認し、残す必要がなければ廃棄を進めます。期限を終えた図面を残し続けると保管スペースが増え、最新版と不要な旧図面が混在する原因にもなります。
設計情報や顧客情報など機密性の高い内容を含む図面は、情報の重要度に応じて、第三者が内容を復元・閲覧できない方法で処理することが大切です。裁断や溶解など、図面の機密性に適した廃棄方法を選びましょう。廃棄後は管理台帳も更新し、保管中と廃棄済みの図面を区別します。
大量・大判図面を外部保管する際のポイント

紙図面が増えて社内の書庫だけでは収まらない場合は、外部の書類保管サービスを利用する方法があります。特に長期保存する大判図面では、対応サイズ、必要時の取り出し方法、保管施設の安全性まで確認することが大切です。電子化後も紙原本を残す図面を中心に、社内と外部の役割を分けましょう。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 保管対象 | 紙原本の利用頻度や保存期間に応じた社内・外部の分担 |
| 大判対応 | 図面サイズに合う保存箱・保管設備 |
| 利用方法 | 原本取り寄せ・必要時のスキャン |
| 安全管理 | 保管施設と運搬時のセキュリティ |
社内保管と外部保管の役割分担
電子化後も紙原本を残す図面については、すべてを社内に置く必要はありません。日常的に原本を確認する図面は社内へ残し、長期保存が必要でも普段ほとんど取り出さない原本は外部へ預けるといった分け方が考えられます。
外部保管する図面を決める際は、保管期間やサイズだけでなく、原本を利用する頻度も確認しましょう。社内と外部で保管場所が分かれても、管理台帳を共通化することで図面の所在を追えます。
大判図面に対応する保存箱・保管設備
外部保管サービスを選ぶ際は、自社の図面サイズに対応する保存箱や保管設備が用意されているかを確認します。一般的な文書保存箱では、大判図面を折り曲げなければ入らない場合があるためです。
当社の書類保管サービス ショコ(SHOKO)では、A1版の大判図面を保管できる図面専用保存箱を用意しています。A1を超えるサイズの図面を預ける場合は、保管方法や対応可否を事前に確認してください。現在の保管状態や図面量も伝え、適した方法を相談するとよいでしょう。
必要時の原本取り寄せ・電子化
外部へ預けた後も図面を利用する可能性がある場合は、原本の取り寄せ方法を確認しておきましょう。保管後に必要になった図面だけをスキャンできるサービスなら、原本を毎回配送せず内容を確認する方法も選べます。
ショコでは、Webシステムから原本配送やスキャンを依頼できます。大量の図面を事前にすべて電子化するのではなく、長期保存する紙原本は倉庫へ預け、必要になった図面だけスキャンするといった運用にも対応できます。
保管施設・運搬時のセキュリティ
図面には製品仕様や建物の設計情報など、取り扱いに注意が必要な情報が含まれることがあります。外部保管では、保管施設の入退室管理や監視体制だけでなく、集荷・配送時の管理方法も確認しましょう。
ショコでは、書類・文書専用のセキュリティ保管庫で書類を保管し、監視体制のもとで取り扱っています。また、運搬時には専用ツールや密閉車両を使用しています。大判図面をまとめて移す場合は、保管後だけでなく移送中の管理まで比較することがポイントです。
図面の保管に関するよくある質問
図面の保管方法は、サイズや利用頻度、保存目的によって変わります。特に紙図面を折ってよいか、すべて電子化するべきか、何年保存するのかは判断に迷いやすいところです。社内の慣習だけで決めるのではなく、図面の使い方や保存根拠を踏まえて判断しましょう。図面保管でよくある疑問へ簡潔に回答します。
紙図面は折って保管しても問題ありませんか?
折って保管できる図面もありますが、大判図面を何度も折り曲げると折り目から傷みやすくなります。長期保存する図面や頻繁に広げる図面は、対応サイズのファイルやケース、専用保存箱などを使い、必要以上に折り曲げない方法が適しています。
紙図面はすべて電子化した方がよいですか?
すべてを電子化する必要はありません。頻繁に閲覧・共有する図面は電子化と相性がよい一方、利用頻度が低い長期保存図面は、紙原本を安全な場所へ保管する方法もあります。電子化費用や原本保存の必要性を踏まえて対象を決めましょう。
青焼きの図面や製本された図面も電子化できますか?
青焼き(ジアゾ感光紙)の図面や製本されている図面も電子化できます。ただし、原本の保存状態により印字がかすれていたり、著しく劣化していたりするとスキャンができない場合もあるため、専門業者に相談しましょう。
図面は何年間保管する必要がありますか?
図面の保存期間は、業種や図面の種類、保存の根拠によって異なり、すべての図面に共通する年数はありません。建築分野のように法令で保存期間が定められている図面がある一方、製造業の製品図面などには一律の法定保存期間がないケースも多くあります。
法定の保存期間がない図面は、製品のライフサイクルや取引先との契約、品質保証・トラブル対応の必要性などを踏まえて社内で期間を決めます。例えば製造物責任法では、製造物を引き渡した時から10年を経過すると損害賠償を請求できなくなると定められているため(一定の例外あり)、この期間を目安の一つとして保存期間を設定する企業もあります。
図面ごとに保存根拠を確認し、決めた期間を管理台帳へ登録しておきましょう。
まとめ:紙と電子を使い分けて図面を保管しよう
図面を適切に保管するには、紙を傷めにくい環境を整えるだけでなく、案件や図面番号による分類、版管理、管理台帳まで含めて運用することが大切です。閲覧頻度が高い図面は電子化し、ファイル名や保存先を統一することで、検索や共有の負担も軽減できます。一方、保存義務や契約条件などから紙原本を残す図面は、保存期間を確認したうえで安全に保管しましょう。
当社の書類保管サービス ショコでは、A2版の大判図面に対応する専用保存箱を用意し、原本配送やスキャンにも対応しています。社内の保管スペースや大量図面の管理に課題を感じている場合は、外部保管を含めた管理方法についてお気軽にご相談ください。





















