2025年10月16日情報セキュリティ
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ISO27001(ISMS)とは?要求事項や取得のメリット・方法を解説


国際標準化機構(ISO)が定める「ISO認証」には、世界で5万種類以上あると言われています。その中でも、近年日本国内で特に注目され、認証件数が増加しているのが、ISO27001(ISMS認証)です。
ISO27001は、企業や組織が情報セキュリティを適切に管理・運用するための国際規格であり、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の構築を通じて、機密性・完全性・可用性を確保します。
近年では、取引先からの信頼獲得や競争力強化を目的に、ISO27001の取得を目指す企業が増えています。

本記事では、ISO27001(ISMS)とは何か、その要求事項や取得のメリット、そして認証取得までの流れをわかりやすく解説します。

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ISO27001(ISMS)とは?


情報漏えいや不正アクセス、サイバー攻撃などのリスクが日々高まる中、企業や組織にとって「情報セキュリティ」の強化は最優先で取り組むべき課題です。そんな中、注目を集めているのがISO27001(ISMS認証)です。
ISO27001は、組織が情報資産を適切に管理・保護するための体制が整っていることを、国際的に証明できる規格であり、社内の情報セキュリティ体制の強化と対外的な信頼の向上を両立できる指標でもあります。

ここでは、ISO27001の定義や目的、ISMSの意味、日本規格との違い、さらにプライバシーマークとの違いについて詳しく解説します。

ISO27001の定義と目的

ISO27001とは、「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)」に関する国際規格の一つで、正式には「ISO/IEC 27001」と表記されます。国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)が共同で定めたこの規格は、企業や組織が情報資産を守るための仕組みと運用体制を構築・運用・改善していることを第三者機関が認証する制度です。

その目的は、情報の「機密性(Confidentiality)」「完全性(Integrity)」「可用性(Availability)」をバランスよく保ち、ビジネスにおける情報リスクを低減することにあります。取得することで、顧客や取引先に対して情報セキュリティへの高い意識と実践を示すことができるため、企業の信頼性や競争力の向上にもつながります。

ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)とは

ISMS(Information Security Management System)は、日本語で「情報セキュリティマネジメントシステム」と訳され、企業や組織が保有する情報資産をリスクから守るための管理体制を指します。単なるIT対策にとどまらず、人・プロセス・システム・組織文化といったあらゆる側面から情報セキュリティを維持・向上させる枠組みです。

ISMSでは、情報の保護を「一度きりの対策」ではなく、継続的な改善(PDCAサイクル)を通じて運用し続けることが求められます。そのため、企業内での情報セキュリティ意識の向上や、内部統制の強化といった副次的な効果も期待できます。
ISO27001の認証取得は、このISMSが有効に機能していることを第三者機関が審査・評価し、国際的な基準に照らして証明するものです。

ISO27001とJIS Q 27001の違い

「ISO27001」と似た表記に「JIS Q 27001」というものがあります。これは、ISO27001の国際規格を日本語に翻訳し、日本の国家規格として定めたものであり、日本産業規格(JIS)に基づいて制定されています。

両者の内容に大きな違いはなく、規格そのものは同一ですが、JIS Q 27001は日本国内における公式な表記・引用の際に使われることが多く、法令や指針などではこちらの表記を見かけるケースもあります。

つまり、「ISO27001」は国際的な規格名、「JIS Q 27001」はそれを日本の産業規格として反映した名称であると理解しておくとよいでしょう。

プライバシーマークとの違い

ISMS認証(ISO27001)とよく比較されるのが、プライバシーマーク(Pマーク)です。両者ともに情報管理に関する認証制度ですが、目的や対象範囲に明確な違いがあります。

ISMS(ISO27001)は、個人情報に限らず、企業が保有するすべての情報資産(顧客情報、業務データ、知的財産など)を対象とした包括的なマネジメントシステムを構築するための認証です。
一方のプライバシーマークは、日本の制度であり、あくまでも個人情報保護法に基づいて、個人情報を適切に取り扱っている事業者に対して付与される認証です。
そのため、プライバシーマークは主にBtoC事業を展開する企業で取得される傾向があり、ISMSはより広範な情報管理体制を整えたい企業に向いています。

プライバシーマーク制度とのより詳しい比較についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ご参考ください。

ISO27001の要求事項とは

ISO27001を取得するためには、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を構築し、国際規格に定められた「要求事項」を満たす必要があります。これらの要求事項は、情報の適切な管理と保護を実現するための仕組みやプロセスを構成するもので、企業・組織がリスクを把握し、継続的に改善するためのガイドラインとなります。

以下では、ISO27001における要求事項の全体構成と、附属書Aに記載されている具体的な管理策について解説します。

要求事項の全体構成(附属書Aの概要)

ISO27001の要求事項は、主に本文(0〜10章)と附属書A(Annex A)の2つに分かれています。本文部分では、ISMSの構築と運用に必要なマネジメントシステムの枠組みが定義されており、組織の状況分析、リスク評価、方針策定、改善活動などが求められます。

一方、附属書Aは「管理策(コントロール)」と呼ばれる具体的な対策のリストで、2022年の改訂版(ISO/IEC 27001:2022)では、全93項目の管理策が整理・分類されています。これらは4つのカテゴリ(組織的、人的、物理的、技術的)に分類され、リスクへの対応をより体系的に行えるようになっています。

附属書Aはあくまで参考情報ですが、ISO27001を取得する際には、これらの管理策の中から自社に適したものを選定・実施し、適用宣言書(SoA)としてまとめる必要があります。

主な管理策とポイント

附属書Aで示されている管理策は、情報セキュリティ上のリスクに対応するための具体的な手段であり、組織全体でのセキュリティ体制の強化に直結する要素です。2022年の改訂では、管理策が以前の14カテゴリから4つのテーマに再編され、よりわかりやすく実践しやすい構成となっています。

以下では、それぞれのカテゴリごとに代表的な管理策とそのポイントを解説します。

組織的管理策

組織的管理策は、情報セキュリティを組織全体で運用・管理するためのルールや体制づくりに関する対策です。セキュリティポリシーの策定、役割と責任の明確化、リスクアセスメントの実施、外部委託先(サプライヤー)の管理などが含まれます。

特に重要なのが、「情報セキュリティの方針をトップマネジメントが承認し、組織全体に周知すること」です。これにより、部門をまたいだ一貫したセキュリティ対策が実現され、事故発生時の対応も迅速に行える体制が整います。

人的管理策

人的管理策は、従業員や関係者が情報セキュリティに対して適切な意識と行動を持つことを目的とした対策です。入社時の契約・誓約書、セキュリティ教育・訓練、職務の見直し、退職時の情報アクセス権の解除などが含まれます。

特に、人的要因による情報漏えいは多くの組織で発生しているため、継続的な教育・訓練の実施が極めて重要です。従業員のセキュリティ意識を高めることで、ヒューマンエラーや内部不正のリスクを最小限に抑えることができます。

物理的管理策

物理的管理策は、情報資産が保管されている建物や設備に対する物理的な保護を目的とした対策です。アクセス制限、入退室管理、監視カメラの設置、機器の持ち出し制限、災害対策などが該当します。

オフィスやサーバールームへの入退室を管理することで、物理的な侵入による情報漏えいや盗難のリスクを低減できます。また、災害時の事業継続を支えるバックアップ対策や電源の確保なども、物理的管理策の一部として求められます。

技術的管理策

技術的管理策は、ITシステムやネットワークに関するセキュリティ対策です。アクセス制御、暗号化、ウイルス対策、ログ管理、システム監視、認証機能などが含まれます。

これらの対策を講じることで、不正アクセスやマルウェア感染などのサイバー攻撃に対する防御力が大幅に向上します。また、ログ管理やシステム監査により、不正の兆候を早期に察知し、迅速な対応を可能にします。

ISO27001を取得するメリット

ISO27001の取得は、単なる「認証マークの取得」にとどまらず、組織全体の情報セキュリティレベルを向上させるための実質的な手段です。顧客や取引先からの信頼性向上、法令遵守、リスクマネジメントの強化など、さまざまな面でプラスの効果があります。

ここでは、ISO27001を取得することで得られる代表的な4つのメリットをご紹介します。

社内の情報セキュリティ体制が整う

ISO27001の認証取得プロセスを通じて、情報の取り扱いや管理に関するルールや手順が明確になり、社内の情報セキュリティ体制が体系的に整備されます。
これにより、部署ごとにバラバラだったセキュリティ対応が統一され、全社的なセキュリティ意識の底上げにつながります。結果として、情報漏えいやヒューマンエラーの防止、インシデント発生時の迅速な対応も可能となります。

取引先・顧客からの信頼性向上

ISO27001は国際規格であり、世界中の企業や団体に通用する情報セキュリティの信頼証明です。そのため、認証を取得していることで、顧客や取引先に対して「情報を適切に管理している企業である」という安心感を与えることができます。

特に、個人情報や機密情報を扱う業種においては、取引開始の条件として認証取得を求められるケースも増えており、ビジネスチャンスの拡大や入札案件での優位性にもつながります。

リスクマネジメントの強化

ISO27001では、情報資産に対するリスクを特定・分析・評価し、それに応じた対策を講じる「リスクアセスメント」が中心的な要素となっています。これにより、従来は見過ごされていたリスクや潜在的な脆弱性を可視化し、計画的に対応できるようになります。

単にセキュリティ対策を施すだけでなく、「どのリスクにどの程度対応すべきか」を経営的な視点で判断できる体制が整うため、組織の健全な運営にも寄与します。

コンプライアンス・法令順守の支援

情報セキュリティに関連する法令や規制は年々強化されており、企業には法令順守の姿勢がますます求められています。ISO27001を取得することは、個人情報保護法やマイナンバー制度、GDPRなどの国内外の法規制への対応を後押しするものとなります。

また、第三者による審査を通じて社内の運用状況が定期的にチェックされるため、コンプライアンス体制の維持・強化にもつながり、企業としてのリスクを大幅に低減できます。

ISO27001取得までの流れとスケジュール

ISO27001の認証を取得するには、社内で情報セキュリティシステム(ISMS)を構築・運用し、その有効性を第三者機関に審査してもらう必要があります。
このプロセスは、計画から運用、審査、認証取得後の維持まで多くのステップを伴うため、全体スケジュールを把握し、各フェーズに合わせた準備と対応が不可欠です。

以下では、取得までに必要なステップを時系列で整理しながら、それぞれの作業内容やポイントを解説していきます。

取得までの全体スケジュールの目安

ISO27001の取得には、一般的に約8ヶ月〜12ヶ月程度の期間が必要です。

構築・準備フェーズ(方針策定~社内運用開始)で約4〜6ヶ月、申請・審査フェーズ(審査申請~認証取得)で約3ヶ月前後なので、全体の見込み期間は企業の規模や準備状況にもよりますが、余裕を持って約1年と想定しておくと安心です。

特に、審査機関のスケジュールが混み合う時期(年度末や上半期)には、予約が取りにくくなることもあるため、早めに計画立案を始めるようにしましょう。

1. 適用範囲の決定

はじめに、ISO27001認証の適用範囲(スコープ)を明確にします。これは、「どの部署・事業所を対象にするか」を決める重要な工程です。

たとえば全社で取得するケースもあれば、特定の部門(例:情報システム部、開発部門など)に限定することも可能です。適用範囲が広いほど、認証取得までの準備負担やコストも大きくなるため、実際の業務に必要な範囲に絞ることがポイントです。

2. プロジェクトチームの発足

適用範囲が決まったら、ISO27001取得に向けたプロジェクトチームを立ち上げます。このチームは、情報セキュリティ責任者を中心に、部門横断で構成されるのが理想です。

トップマネジメントの関与が非常に重要であり、経営層がリーダーシップを持って推進することが、スムーズな認証取得のカギとなります。この段階で、おおまかなスケジュールや役割分担も整理しておくと、後の進行がスムーズになります。

3. 情報セキュリティ方針の策定

プロジェクトの最初の業務として行うのが、情報セキュリティに関する基本方針(ISMS基本方針)の策定です。

この方針は、組織としてどのような情報を守りたいのか、どのような考え方でセキュリティを推進していくのかを明文化したものです。たとえば、「顧客情報の保護を最優先する」「事業継続性を重視する」など、自社の事業特性に合った方針を明確に定めましょう。

この基本方針は、後の運用や監査・審査でも参照される重要文書となります。

4. リスクアセスメントの実施

ここからがISMS構築の中心となる実務作業です。まず、対象範囲に関わるすべての情報資産を洗い出し、「情報資産台帳」に整理します。資産には、ハードウェア・ソフトウェア・データ・紙資料・人材などが含まれます。

次に、洗い出した情報資産に対してリスクアセスメント(リスクの特定・分析・評価)を行い、どのようなセキュリティリスクがあるのかを明らかにします。
リスク評価の方法は組織によって異なりますが、一般的には「ベースラインアプローチ」などを活用し、既存のガイドラインや業界基準を基にして評価・対策を決定します。

この段階で、管理策(コントロール)の適用範囲と内容も併せて整理し、後の文書化へとつなげます。

5. 文書化と教育・運用

リスク評価をもとに、ISMSの構築に必要な各種文書を整備していきます。主な文書には、以下のようなものがあります。

  • 適用宣言書(SoA:Statement of Applicability)
  • 情報セキュリティ手順書
  • 対策マニュアル
  • 運用ルール・社内規定 など

これらの文書は、単なる形式ではなく、実際の業務運用と整合性が取れていることが重要です。文書整備後は、全社的な教育を行い、従業員の理解と意識の醸成を図ります。

その後、実際に社内での運用を一定期間実施し、ISMSが機能している状態を作ることが求められます。

6. 内部監査

ISMS運用開始後、内部監査を実施して、定めたルールが実際に現場で遵守されているかをチェックします。

監査はできる限り客観性を保つため、別部署や第三者的立場のスタッフが担当するのが望ましいとされます。
不備が見つかった場合は、是正処置(改善対応)を記録・実施し、次の工程につなげます。

7. マネジメントレビュー

内部監査の結果や社内からのフィードバックをもとに、トップマネジメントがISMSの運用状況をレビュー(評価)します。これが「マネジメントレビュー」です。

運用上の課題や改善点があれば、方針や体制の見直しにつなげます。ISO27001では、このレビューを少なくとも年1回以上実施することが求められています。

8. 認証機関の選定・申請・審査

ISMSの構築と社内での運用が一定期間安定して行われたら、次は第三者による認証審査のフェーズに進みます。このときに必要となるのが、審査を実施する「認証機関」の選定です。

認証機関によって審査の実施方法や費用、日程の柔軟性などに違いがあるため、可能であれば複数の機関から見積もりを取り、自社の状況に合った審査機関を選ぶことが望ましいでしょう。日本国内には、2025年9月24日時点で27のISMS認証機関が存在しています。(出典:ISMS-AC公式サイト

審査は一般的に二段階に分かれて行われます。まず行われるのが「第一段階審査」で、これは主に文書を対象とした確認です。ここでは、ISMSに関するポリシーや手順書、リスクアセスメントの結果、適用宣言書などが適切に整備・文書化されているかがチェックされます。

続く「第二段階審査」では、実際に構築されたISMSが日々の業務の中で適切に運用されているかどうかを、現地訪問などを通じて確認されます。審査官は、社内の関係者にヒアリングを行ったり、業務フローや記録、運用体制の整合性を精査したりします。

なお、審査の結果は「合否」で判断されるものではなく、不備や改善点があった場合には「是正処置」を講じた上で再確認を受けることで、最終的に認証を取得することが可能です。こうした対応まで含めて計画的にスケジュールを見積もっておくことが大切です。

9. 継続的なPDCAサイクルの実施

認証はゴールではなく、スタート地点です。ISO27001の有効期間は3年間で、毎年1回の定期審査と3年ごとの更新審査を受ける必要があります。

ISMSを継続的に改善し、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回していく体制を維持することが、真に価値ある情報セキュリティ管理へとつながります。

また、ISMSの維持には、人的リソースや費用の継続的な投資も求められます。認証取得後の体制や予算についても、事前に見込んでおくことが重要です。

ISO27001の取得費用と期間の目安

SO27001の取得にかかる費用や期間は、企業の規模や認証の適用範囲、社内体制の整備状況によって大きく異なります。ここでは、おおまかな費用感や期間の目安、そして取得後に必要となる維持費用について解説します。

企業規模別の費用感

ISO27001を取得するためには、外部審査機関への審査費用だけでなく、社内体制の構築や教育、場合によってはコンサルタントの活用費用なども必要となります。
中小企業の場合、初期費用はおおよそ100万円〜200万円前後が一般的とされており、従業員数が増えるほど審査対象が広がるため、それに比例してコストも上がる傾向があります。
一方、大企業やグループ全体での認証取得となると、500万円〜1,000万円以上の予算を見込むケースも珍しくありません。

また、認証機関やコンサルタントによって価格体系が異なるため、複数の見積もりを取り、費用対効果を比較することが重要です。

取得完了までにかかる期間

ISO27001の認証取得に要する期間は、社内体制の準備状況や判断スピードにもよりますが、一般的には6ヶ月〜1年程度が目安です。

情報セキュリティ方針の策定やリスクアセスメントの実施、社内教育、文書化、内部監査、マネジメントレビューなど、認証取得前に実施すべき項目が多く存在するため、短期間での取得を目指す場合には、社内リソースの集中的な投入が必要です。

特に審査機関の予約状況によっては、想定よりも審査日程が遅れるケースもあるため、全体スケジュールにはある程度の余裕を持たせるのが現実的です。

維持・更新に必要なコスト

ISO27001は、取得したら終わりではなく、その後も継続的な運用と改善が求められます。認証の有効期間は3年間であり、毎年の定期審査と、3年目の更新審査が必要です。

維持にかかる年間コストは、数十万円〜100万円程度が一般的で、組織の規模や運用体制によって上下します。また、ISMSの維持には定期的な内部監査や社員教育の実施、文書の見直しなどの運用工数も発生するため、人的リソースと時間的コストも含めて予算計画を立てておくことが重要です。

ISO27001取得をスムーズに進めるコツ

ISO27001の取得は、組織全体を巻き込んだ中長期の取り組みになります。社内の準備状況や取り組み方によっては、想定以上に時間や手間がかかってしまうこともあります。ここでは、ISO27001取得をより円滑に進めるための3つのポイントを紹介します。

経営層の理解と社内協力体制の構築

ISO27001の取得は、単なる情報システム部門の取り組みにとどまりません。組織の運営方針や社員の行動にまで関わるため、経営層の理解とリーダーシップが不可欠です。

プロジェクトの初期段階から経営層が積極的に関与し、目的や期待する効果を明確に打ち出すことで、社内全体に取り組みの重要性が浸透しやすくなります。また、現場レベルでも協力体制を整えておくことで、文書作成や監査対応などがスムーズに進行します。

「情報セキュリティは全社の取り組みである」という意識を醸成することが、成功の秘訣です。

文書化・記録のテンプレート活用

ISMS構築においては、リスクアセスメントの結果や運用ルール、手順書、教育記録など、多くの文書・記録の作成と保管が求められます。

これらを一から作成することは非常に手間がかかるため、ISO27001の要求事項に即したテンプレートやひな形を活用することが有効です。各種文書テンプレートをうまく活用することで、作業負担の軽減だけでなく、内容の抜け漏れ防止や審査対応の精度向上にもつながります。

社内のリソースだけでの対応が難しい場合は、外部からテンプレート提供を受けることも検討に値します。

専門コンサルタントのサポート活用


ここまでISO27001取得の流れをご紹介しましたが、「想像以上にやることが多い」と感じた方も多いのではないでしょうか。
特に、ISMSに関する知識や経験が社内にない場合、最初のステップでつまずいてしまうケースも少なくありません。

そこでおすすめしたいのが、ISO27001取得支援に特化した専門コンサルタントの活用です。専門知識を持つ第三者からのアドバイスや伴走支援を受けることで、手続きのミスや不要な手戻りを防ぐことができ、社内の負担を抑えつつスムーズに認証取得を進めることが可能になります。

コンサルタントは、初期の方針策定やリスク評価のアドバイスはもちろん、文書のテンプレート提供や審査対応のリハーサル支援など、取得プロジェクト全体を通じた実務的な支援も行います。
社内の体制やスケジュールに不安がある場合は、一度検討してみてはいかがでしょうか。

おすすめのサービス:日本パープルの情報セキュリティコンサルティング

ISO27001の取得を検討するうえで、実績のある外部パートナーを活用することは、プロジェクト全体の成功率を大きく高めるポイントのひとつです。ここでは、情報セキュリティ分野で高い評価を得ている「日本パープル」のコンサルティングサービスについて紹介します。

日本パープルのサービス概要

日本パーブルは、長年にわたり機密情報の保管・電子化・廃棄処理などを手がけてきた、情報管理の専門企業です。そうした知見を活かして提供されているのが、ISO27001取得に向けた情報セキュリティコンサルティングサービスです。

このサービスでは、情報セキュリティの専門知識を持つコンサルタントが、企業ごとの業種・規模・体制に応じた支援を行います。単なる認証取得のサポートにとどまらず、「実際に運用できる情報セキュリティ体制の構築」までを見据えた実践的なコンサルティングが特徴です。

また、ISO27001の最新規格や運用ガイドラインに即した支援を受けられるため、規定の変更にも柔軟に対応することが可能です。

サポート内容と強み

日本パープルのコンサルティングサービスの大きな強みは、支援の幅広さと実効性の高さにあります。ISO27001認証取得に必要な文書整備・リスクアセスメントの進行・社内教育・内部監査対応といった各工程について、具体的な方法や運用に即したアドバイスを提供してくれます。

さらに、日本パープルは情報セキュリティそのものの運用も事業として展開しているため、電子文書の保管や廃棄、データ管理など、実務の観点からもセキュリティ強化をサポートできる体制が整っています。これは、単なる取得支援にとどまらず、認証取得後の運用フェーズにも強いパートナーであることを意味します。

無理な制度導入を強いるのではなく、企業ごとの実態に即した現実的な運用プランを提案してくれる点も、多くの企業から支持を集めている理由の一つです。

実績と信頼性

日本パープルは、これまでに10,000件を超える事業所と情報セキュリティ関連の取引実績があり、その豊富な経験とノウハウがサービスの信頼性を裏付けています。特に、金融・医療・自治体など、高度なセキュリティ管理が求められる分野においても実績を重ねており、機密性の高い情報を取り扱う現場での知見に長けている点が高く評価されています。

また、国内での法令やガイドラインに対する理解も深く、ISMSの規格要件に加え、日本独自の運用事情にも対応可能な点が、他のコンサルティング会社にはない大きな強みです。

情報セキュリティ対策を単なる「認証の取得」で終わらせるのではなく、「事業の成長や信頼につながる仕組み」として構築していきたい企業にとって、日本パープルの支援は非常に有効な選択肢となるでしょう。

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ISO27001(ISMS)に関するよくある質問(FAQ)

ISO27001の取得や運用を検討する際、多くの企業が共通して抱える疑問を、Q&A形式でわかりやすく解説します。

Q1. ISO27001とISMSは同じ意味?

完全に同じというわけではありませんが、密接に関連しています。
ISO27001とは、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格の名称です。一方で、ISMSは「Information Security Management System」の略で、企業や組織が情報セキュリティを体系的に管理する仕組みそのものを指します。

つまり、ISMSという仕組みを、ISO27001という規格に基づいて構築・運用し、第三者機関の審査を経て認証を受けるという流れです。
実務上は、「ISO27001認証」「ISMS認証」ともに同じものを指して使われるケースが多くあります。

Q2. ISO27001の取得は義務なの?

ISO27001の取得は、法的に義務付けられているものではありません。
あくまで任意の認証制度であり、企業が自らの判断で取得するものです。

ただし、昨今では情報漏えいやサイバー攻撃のリスクが高まっており、取引先や顧客から情報セキュリティの信頼性を問われるケースが増えています。特に、自治体や上場企業、医療・金融業界などとの取引では、ISO27001の取得が「実質的な取引条件」となることもあるため、競争力や信頼獲得の観点から取得を検討する企業が増加しています。

Q3. どのくらいの期間で取得できる?

ISO27001の取得にかかる期間は、企業の準備状況や組織規模、適用範囲などによって異なりますが、一般的には6ヶ月から1年程度が目安です。

たとえば、社内に情報セキュリティの運用体制がすでに整っている企業であれば、比較的スムーズに取得が進むこともあります。一方、ゼロから構築を始める場合や、社内調整に時間がかかる場合は、1年以上かかるケースも珍しくありません。

また、審査機関のスケジュール状況にも影響されるため、全体の工程を逆算して早めに計画を立てることが重要です。

Q4. 維持・更新には何が必要?

ISO27001の認証は、取得して終わりではなく、取得後も継続的な運用と改善が求められます。
認証の有効期限は3年間であり、その間に年1回の定期審査、3年目に更新審査が行われます。

維持や更新のためには、以下のような取り組みが必要です。

  • 情報セキュリティに関する社内ルールの定期見直し
  • 社員への継続的な教育と意識向上
  • リスクアセスメントの定期実施と対応策の更新
  • 内部監査とマネジメントレビューの継続的な実施

また、これらの活動に関する記録の管理と改善履歴の保存も求められるため、日々の業務にISMSの運用を根付かせる工夫が重要です。
社内での対応が難しい場合は、外部コンサルタントや運用支援サービスの活用も有効です。

まとめ|ISO27001取得で企業の信頼性を高めよう

情報漏えいやサイバー攻撃のリスクが年々高まるなかで、情報セキュリティの重要性はすべての企業にとって無視できない課題となっています。
そのような時代において、ISO27001(ISMS)認証の取得は、単なる制度対応を超えた「信頼の証」として、大きな意味を持ちます。

取得までのプロセスには一定の労力と時間がかかりますが、コンサルタントの活用や社内体制の工夫により、効率的かつ確実に進めることも可能です。
とくに、実績豊富な日本パープルの情報セキュリティコンサルティングは、認証取得にとどまらない運用支援まで視野に入れた、心強いパートナーとなるでしょう。

これからISO27001取得を検討する企業の皆さまにとって、本記事が一つの道しるべとなり、持続的な成長と信頼性の向上につながる第一歩となれば幸いです。

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