導入事例

ピープル株式会社

情報セキュリティは企業の「落とし穴」。 自分ごと化できる教育研修で従業員の意識が変わりました。

ピープル株式会社

「親・子、双方の目線で子育てを楽しく」

ピープル株式会社は、0~3歳児を中心とした乳幼児玩具・遊具・自転車の企画開発及び委託生産による販売を主要業務としている乳幼児玩具メーカーだ。

『子育て生活を研究し、新しい「ためになる」をつくる』をミッションに置く同社の商品は、特徴的なキャラクターをメインにしたものではなく、子どもが本能的に遊びに手を伸ばしていくことを重視し、将来の子どもの欲求に発展していくような玩具作りを意識しているという。

また育児に励む母親が、ストレスを感じずに楽しく養育をしながら生活を送れるように、単なる育児グッズではない育児用品の企画開発にも事業を拡大している。

今回は、情報セキュリティ教育研修を利用された経緯や効果についてお話を伺った。

企業名

ピープル株式会社

URL

取締役兼代表執行役 桐渕 真人様

導入商品・サービス

  • 情報セキュリティ教育・研修

情報セキュリティへの課題と、教育研修の実施背景

情報セキュリティへの危機意識が高まる中で、代表の桐渕氏自らが感じていた不安とは。

取締役兼代表執行役 桐渕 真人様
取締役兼代表執行役 桐渕 真人様

桐渕様:
弊社では毎年80~100人のお母さんを対象に、主に試作品への意見をいただいています。実際に企画担当者が試作品で子供遊ぶ様子を観察しながらお母さんに感想を聞くなど、一般消費者のリアルな声を商品開発に反映する「つながり」を大切にしています。また新商品に投入した愛用者カードを返送して下さった消費者の方と、ご記入いただいた内容についてお電話で聞き合わせする中で検証を重ね、商品開発に活かす取り組みもしています。

しかし個人情報を扱うことになるため、情報漏えいの危険性が発生してしまう。過去には業界大手の企業さんが個人情報漏えいで大きな問題になったこともあるため、社内ではセキュリティへの意識が自然と芽生え始めていました。また、弊社では従業員ひとりひとりが持つ業務の責任が大きく、新入社員が業務・セキュリティ上の判断を担う機会も少ないながらあります。役員陣、私含めこのままではいけないという危機感もあったので、情報セキュリティについては自信をもって扱えるよう知識を得たいと思い、ゼロから見直す機会だと感じていました。

また、SNSを活用した商品のプロモーションを重視し社内で運用していますが、それを専門として担う部署があるわけではなく、商品開発の担当者が行なっています。拡散力の強いSNSでの情報発信への不安も高まる中、手探りで運用していたんです。さらに、細かい部分でいうと社外秘文書がコピー機に裏紙として利用されようしている場面も度々ありました。意識レベルでは情報セキュリティの重要性を認識していましたが、実際に事件や問題が起きてからでは遅いですよね。

情報セキュリティ対策は企業の「コスト」ではなく最優先課題

桐渕様:
私自身、代表者になる前は商品開発の仕事をしていたので、現場レベルでの情報に関する取り扱いへの不安はよく理解していました。セキュリティへの認識を甘いままにしていると、いつかは落とし穴に落ちてしまう。どんなに健全な経営をしていても、一度の問題で会社が潰れるということが世の中で起きている。情報セキュリティは直接企業の利益にはつながらないため、コストと捉えがちですが、問題を事前に防ぐために必要な企業の最優先課題だと考えています。私が代表になってもうすぐ1年になりますが、手探りでやる中で、どこに落とし穴が仕掛けられているかわからない、わかっている落とし穴は埋めようと。

そこでまず最初に実施したのが、日本パープルさんのセキュリティボックス「保護くん」の検討でした。その後情報セキュリティ教育研修もやられているということで、社内での危機意識の高まりとともにお願いすることにしました。

情報セキュリティ教育研修の効果。

知識の詰め込みだけの研修では、自分の中で咀嚼し行動に移すまでに時間がかかってしまう。日本パープルが提供する情報セキュリティ教育研修の効果やよかった点について伺った。

桐渕様:
以前は不安意識だけを抱え知識が全くない状況で各自判断していましたが、教育研修を受けて学んだ知識によって、従業員みんなの共通言語が生まれました。「これをやるのは当たり前だよね?」 とか、会議や普段のコミュニケーションをする中で、情報セキュリティに対して非常にスムーズに解決できるようになりました。ゴミ箱の中身が明らかに減り、各自で判断できないものはセキュリティボックスに入れるというようなことができています。

現場目線では、「PCにスクリーンロックをかけるようになった」とか「個人情報が含まれる資料は机の上に放置せず引出しにしまうようになった」といった声を聞いています。情報セキュリティへの意識が少しずつ高まってきているように感じますね。

教育研修の中でも、ケーススタディで情報セキュリティ上の問題をディスカッションできたのは非常によかったです。「これはうちの会社の事例だ」とか、「昨日の自分だ」とか、従業員が自分ごと化して取り組めました。私自身、いろんな研修やセミナーを受けにいきますが、知識がドンと入ってきたまま会社に戻ると、頭の上に積み木が積んである状態で、ボロボロと崩れてしまう。ケーススタディは自分の体験として研修することで、頭の上の積み木が自分の中に入ってきたという感じがすごくしました。

企業が成長する中で、情報セキュリティへの対策は欠かせない

桐渕様:
現在、売上としては業界全体がジリ貧な状態で、子供たちに対するプレゼントも玩具などのモノ消費ではなく、テーマパークに連れて行くといったコト消費に需要が移っています。

ネット通販の拡大で価格競争もシビアになり、ヒットを出しても長続きしなかったり、ヒットそのものが出にくい状態が続いている。例えば日用品業界、シャンプーなどはひとつヒット商品がでると長く続きますが、玩具のライフサイクルは1年と短いため、ヒット商品を常に生み続けないといけない。そうした市場競争の激化を背景に、会社全体を変革していく必要があります。最終的な目標としては、ヒット商品を生み出す率と数を増やしていくこと。そのために、業務の効率化やターゲットの見直し拡大、マーケティング知識の向上が重要になってきます。

さらに並行した取り組みとして、安定した経営を続けるためにも、防衛手段で落とし穴に落ちないよう情報セキュリティを推進できればと思います。一回の情報セキュリティ教育研修をしていただいたから終わりということではなくて、人も入れ替わり空気感も変わってくる中で、毎年セキュリティへの知識を更新しながら自分たちを常に新鮮な状態にしていくということを続けていきたい。従業員全員が厳しい業界の中でも活躍できる体力をしっかり身に着け、ベストパフォーマンスを発揮し、仕事もプライベートも楽しく暮らそうということを目指していきます。