2026年10月27日文書管理

契約書のワークフローとは?申請・承認から締結までの流れと管理方法を解説


契約書の確認・承認をメールやチャットで進めていて、「今は誰の確認待ちなのか分からない」「承認が止まったまま締結日が迫っている」と困っていませんか。担当者ごとにやり取りが分かれると、最新版の契約書が見つからなかったり、承認漏れに気付くのが遅れたりすることもあります。
こうした状況を改善するには、契約書の申請から法務確認、社内承認、締結まで、担当者と手順を明確にし、進捗を一元管理することが大切です。承認する順番や差し戻し時の対応を決めておけば、どこで手続きが滞っているのか分かり、担当者が変わっても対応を引き継ぐことができます。
この記事では、契約書のワークフローの基本的な流れから、承認ルートの整備方法、進捗状況の管理方法まで解説します。あわせて、代表的な契約書管理・ワークフローサービスと選び方も紹介します。メールやチャットでの契約業務を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。

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この記事でわかること

  • 契約書の申請から締結までのワークフロー
  • 社内の承認ルートと差し戻しルールの整備方法
  • 担当者・承認期限・履歴を一元管理するポイント
  • 代表的なワークフローサービスと選び方

契約書のワークフローと締結までの流れ


契約書のワークフローとは、申請から法務確認、社内承認、取引先との締結まで、契約業務を進める際の一連の流れです。担当者と作業の順番を決めることで、誰が次の対応を行うのか明確になり、確認漏れや業務の停滞を減らせます。
実際の手順は会社の規程や契約内容によって異なりますが、基本的な工程を知っておけば、自社の業務で改善すべき箇所も見えてくるでしょう。

契約申請と必要情報の提出

契約業務は、営業部門などの担当者が契約書の作成や審査を依頼するところから始まります。申請者は、契約の目的や取引先、希望する締結日を伝え、契約書の案や見積書などの資料を提出します。契約更新であれば、以前の契約書も添えておくとよいでしょう。
申請内容には、契約金額や期間だけでなく、取引を開始する時期や相手方との交渉状況も含めます。背景が分からないまま依頼すると、審査担当者が追加で質問することになり、作業に取りかかるまで時間がかかってしまいます。
申請を受け付けたら審査担当者を決め、必要な資料を引き継ぎましょう。急ぎの案件では希望する締結日とその理由も伝えておくことで、ほかの案件との優先順位を判断できます。

法務確認と契約条件の調整

法務確認では、契約書の条項に法律上の問題がないか、自社が過度な義務や責任を負う内容になっていないかを審査します。特に、損害賠償の範囲や契約解除の条件、秘密保持、成果物の権利などは、取引の内容に応じた検討が必要です。
修正が必要な場合は、法務担当者が懸念点や修正案を申請部署へ伝え、取引先との交渉に反映します。相手方の要望をそのまま受け入れるのではなく、変更によって自社にどのような影響が生じるかも考えましょう。
なお、定型的な契約書と個別の交渉が多い契約書では、審査に必要な時間が異なります。判断に迷う事項があれば早めに関係部署へ相談し、必要な条件を詰めていくことが大切です。

社内承認と決裁

契約条件について社内で検討が進んだら、会社の規程に従って承認や決裁を受けます。承認者は、取引の必要性や予算、契約によって発生する義務などを踏まえ、会社として契約を進めてよいか判断します。
法務部門による契約条項の審査と、管理職などによる事業上の決裁は、目的の異なる手続きです。どちらを先に行うか、複数の部門で同時に審査するかは、社内の運用によって変わります。
また、社内で決裁を得ただけでは、取引先との合意が成立したことにはなりません。法律で特別な方式が求められる場合を除き、契約は当事者の申込みと承諾によって成立します。社内承認が完了したら、契約締結の権限を持つ担当者へ手続きを引き継ぎましょう。

取引先との契約締結

社内で必要な手続きが完了したら、取引先との契約締結へ進みます。紙の契約書であれば押印や郵送などを行い、電子契約であれば利用するサービスを通じて署名・同意の手続きを進めるのが一般的です。
この段階では、送付先や締結担当者、締結方法を確かめておきましょう。電子契約の場合は、取引先が利用するサービスや署名方式によって、必要な操作が異なります。紙の契約書では、郵送にかかる日数も見込んでおく必要があります。
取引先の署名・押印を待っている間は、社内での承認待ちとは区別して扱います。所定の締結手続きが完了したら、契約書を決められた保存先に登録し、契約を担当する部署へ完了を知らせましょう。

契約書の承認フローを整備する方法

メールやチャットで契約書を回覧していると、担当者によって申請方法が異なり、誰に承認を求めればよいのか迷うことがあります。こうした状況を改善するには、個人の経験に頼らず、社内で共通のルールを設けることが重要です。
申請の受付方法や承認者の決め方に加え、修正依頼が入った際の対応も明確にしておきましょう。誰でも同じ手順で進められる仕組みが、安定した運用につながります。

申請書式と受付窓口の統一

契約書の申請方法が部署ごとに異なると、依頼がメールに埋もれたり、担当者が必要な資料を探したりする原因になります。まずは申請に使用する書式をそろえ、受付窓口も明確にしましょう。
申請フォームを設ける場合は、必須項目を入力しないと提出できないようにするなど、記入漏れを減らす工夫が有効です。追加資料も個人宛てに送るのではなく、元の申請案件と結び付けて保管する運用にすると、引き継ぎの際にも困りません。
また、受付時に案件番号を付け、連絡や問い合わせの際に使用する方法もおすすめです。同じ取引先と複数の契約を進めている場合でも、案件を取り違えずに対応できます。
初めから複雑な仕組みを作る必要はありません。申請先と提出方法の統一から始めるとよいでしょう。

契約の種類・金額別の承認ルート

すべての契約書を同じ承認者へ回すと、簡単な案件まで決裁待ちになったり、重要な契約の審査が不足したりするおそれがあります。契約の種類や金額、取引上のリスクに応じて承認ルートを設定しましょう。
例えば、定型的な秘密保持契約は部門責任者が承認し、高額な業務委託契約では法務部門や役員の承認も求める、といった方法が考えられます。
承認する順番や、複数の承認者が同時に対応してよいかどうかも、社内規程に沿って決めることが大切です。さらに、担当者が休暇や異動で不在になった場合に備え、代理承認の条件も定めておくとよいでしょう。
承認経路を細かく分けすぎると管理が難しくなるため、まずは主要な契約類型ごとに基本ルートを設け、必要に応じて見直す方法がおすすめです。

差し戻しと再承認のルール

契約書に修正が入った場合は、誰が修正内容を反映し、どの段階から審査や承認をやり直すのかを決めておきましょう。差し戻し先が曖昧だと、担当者を探すところからやり直すことになり、手続きが停滞してしまいます。
承認後に契約金額や期間、責任範囲などが変わった場合は、社内規程に従って再承認の要否を判断します。すべての修正について一律に再承認するのではなく、契約条件への影響を踏まえて基準を設けることが大切です。
また、修正版を提出する際は、変更した箇所と理由を示し、ファイル名や版番号で以前の契約書と区別します。最終的にどの版を承認したのか明確にしておけば、承認前の契約書を誤って送付することも防げます。

契約書の承認状況を一元管理するポイント

承認ルートを整えても、進捗が担当者ごとのメールやチャットに分散していては、対応の遅れに気付きにくい状態が続きます。各案件について、誰が管理し、現在誰の対応を待っているのかを同じ場所で見られるようにすることが重要です。
さらに、期限や過去の判断も記録しておけば、担当者が不在の場合や部署をまたぐ問い合わせにも対応できます。日常業務で管理したい項目を紹介します。

案件ごとの担当者と進捗状況

契約書の進捗を一元管理するには、案件ごとに担当者と進捗ステータスを設けましょう。「法務確認中」「社内承認待ち」「取引先確認中」などの名称を統一すると、どの段階で作業が止まっているのか分かります。
また、社内で案件全体を管理する担当者と、現在対応を待っている相手は区別しておくことが大切です。例えば、取引先の回答待ちであっても、社内で進捗を管理する責任者は必要になります。

進捗ステータス社内の管理担当者現在の対応先
申請受付受付担当者受付・振り分け担当者
法務確認中契約担当者法務担当者
社内承認待ち契約担当者承認者・決裁者
取引先確認中契約担当者取引先
締結待ち締結担当者署名・押印担当者
締結完了管理担当者契約書の登録担当者

表の担当者やステータスは一例です。自社の組織体制に合わせて設定し、作業が終わるたびに情報を更新する運用を徹底しましょう。

承認期限と対応遅れの通知

契約の締結希望日だけを管理していると、途中の審査や決裁にどれだけ時間を使えるのか分かりません。案件ごとに目標となる締結日を設定し、法務確認や社内承認にも期限を割り当てましょう。
期限が近づいても対応が進んでいない場合は、担当者へ通知する運用が役立ちます。ワークフローシステムを利用する場合は、未承認案件への自動通知や、期限を過ぎた案件の一覧表示に対応しているかを確かめてください。
また、担当者が長期間不在の場合に誰へ連絡するのか、優先的に対応すべき案件を誰が判断するのかも決めておくと安心です。
催促する回数を増やすだけでは、業務の停滞は解消しません。遅れている理由を確かめ、必要に応じて担当者の変更や対応順の調整につなげましょう。

申請・承認履歴の記録

申請や承認の履歴は、契約書の内容だけでは分からない社内判断の経緯を示す記録です。誰がいつ申請し、誰が承認・却下したのか、判断の理由とともに残しておきましょう。
特に、条件付きで承認された案件では、その条件が満たされたかを後から確かめられる状態にすることが重要です。また、記録する際は案件番号を付け、ほかの契約と取り違えないようにします。
履歴を残しておけば、監査で承認の経緯を尋ねられた場合や、担当者が異動した場合にも、過去の判断をたどれます。ただし、情報を保存するだけで内部統制が十分になるわけではありません。
契約書には取引金額や秘密情報が含まれるため、履歴の閲覧範囲にも注意しましょう。業務上必要な担当者に権限を付与し、記録を適切に管理することが大切です。

契約書ワークフローの管理サービスと選び方


契約書の承認状況を一元管理するには、申請から締結までの進捗を扱えるサービスが役立ちます。ただし、契約書管理を中心とする製品と、社内の申請・承認を中心とする製品では、対応する業務の範囲が異なります。
導入後に必要な機能が足りないと判明することがないよう、費用や操作性、既存システムとの連携を比較することが大切です。 代表的なサービスの特徴と、選ぶ際のポイントを見ていきましょう。

費用・操作性・システム連携の比較

管理サービスを選ぶ際は、機能の多さだけでなく、実際に利用する部署や担当者の負担も考えましょう。まずは契約案件の件数や利用人数、現在使用しているシステムを洗い出し、導入の目的を明確にします。
特に比較したい項目は次のとおりです。

  • ・初期費用・月額料金と追加料金の条件
  • ・申請者や承認者にとっての操作のしやすさ
  • ・承認経路の変更や組織変更への対応
  • ・既存の電子契約サービスや社内システムとの連携
  • ・導入支援や運用開始後のサポート体制

電子契約サービスと連携できる製品でも、連携先や受け渡せる情報は異なります。また、追加オプションの契約が必要な場合もあるため、費用と機能を合わせて確かめましょう。
導入前に実際の申請・承認操作を試し、自社の運用に合うか判断することをおすすめします。

代表的な契約書管理・承認サービス

契約書のワークフローを管理できるサービスには、契約業務全体を扱うものと、社内の申請・承認を中心とするものがあります。代表的な4サービスを比較しました。

サービス名主な特徴導入時の確認事項
契約書管理システム コンパス(ConPass)契約書のタスク管理・ワークフロー、電子契約サービスとの連携、紙と電子の契約書の一元管理ワークフローの設定内容、電子契約サービスとの連携条件
マネーフォワード クラウド契約社内申請・承認から電子契約の締結、契約書管理まで対応プランごとの機能範囲、法務相談の案件管理オプション
Hubble契約案件の進捗管理、法務審査、承認、契約書の版管理に対応案件管理・承認機能の利用条件
コラボフロー社内の申請フォーム・承認経路・進捗を管理。電子契約サービスとの連携にも対応電子契約サービスとの連携オプションの契約条件

どのサービスも利用できる機能や費用はプランによって異なります。契約書の申請から締結までを1つの仕組みで扱いたいのか、既存の電子契約サービスと連携させたいのかを明確にすると、比較する際の判断材料になります。

契約書管理システム コンパス(ConPass)の活用

当社が提供する契約書管理システム コンパスは、契約書の作成から社内承認、締結後の管理までを支援するサービスです。タスク管理・ワークフロー機能を備えており、各社の運用に合わせて複数のワークフローテンプレートを作成できます。
また、契約書の作成に加え、条文ライブラリ機能では、契約書テンプレート単位で条文の修正履歴とその理由を保存できます。対応する電子契約サービスとの連携も可能なため、締結済みの契約書を管理する際にも役立ちます。
さらに、AIによる管理項目の自動抽出や全文検索、契約期限の通知にも対応しています。紙の契約書については、必要に応じてスキャニングや原本保管などのBPOサービスもご利用いただけます。
申請から承認までの業務と、締結後の契約書管理をあわせて見直したい場合は、ぜひコンパスをご検討ください。

契約書のワークフローに関するよくある質問


契約書のワークフローを整える際は、契約内容のチェックや管理方法の選び方について迷うこともあるでしょう。本文で触れていない疑問を中心に、よくある3つの質問に回答します。

契約書に書いてはいけないことはありますか?

公序良俗に反する内容や、法律の強行規定に反する特約は、契約書に記載しても無効となる場合があります。例えば、民法第90条では、公の秩序または善良の風俗に反する法律行為は無効とされています。また、消費者との契約では、消費者契約法によって、事業者の損害賠償責任を全部免除する条項などが無効とされることもあります。
こうした条項が含まれていないかを確かめるためにも、ワークフローの中で法務確認の工程を設け、契約内容を審査することが大切です。

Excelや共有フォルダでもワークフローを管理できますか?

契約件数が少なく、関係者も限られている場合は、Excelの管理表と共有フォルダを組み合わせて管理することも可能です。案件番号や担当者、進捗ステータス、期限などの項目をそろえておけば、最低限の進捗把握はできます。
一方、件数が増えると、担当者による更新漏れや、承認の履歴がメールやチャットに分散するといった課題が生じがちです。手作業での管理に限界を感じたら、ワークフロー機能を備えたシステムの導入を検討しましょう。

電子契約サービスだけで承認フローを管理できますか?

電子契約サービスの中には、社内承認機能を備えたものもあります。締結前の承認だけを管理したい場合は、こうした機能で対応できることもあるでしょう。
ただし、法務相談の受付や条件交渉の経緯、締結後の契約書管理まで含めて一元化したい場合は、サービスの対応範囲を確かめる必要があります。申請から締結後の管理までをまとめて扱いたいなら、契約書管理システムとの組み合わせも検討しましょう。

まとめ:契約書の承認から締結までを一元管理しよう

契約書の承認漏れや締結の遅れを減らすには、申請から法務確認、社内承認、締結までのワークフローを明確にすることが大切です。メールやチャットで個別に進めている場合は、まず申請窓口と承認ルートを統一し、契約条件に変更があった場合の再承認ルールも整えておきましょう。
さらに、案件ごとの管理担当者と現在の対応先、承認期限、判断履歴を同じ場所で管理すれば、手続きがどこで止まっているのか分かります。管理サービスを導入する際は、費用や操作性だけでなく、既存システムとの連携状況も比較してください。
当社が提供するコンパスは、契約書のタスク管理・ワークフロー機能を備え、締結後の契約書管理にも対応しています。契約業務の進め方や管理方法を見直したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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