2017年4月4日文書管理
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スマホ、デジカメで電子帳簿が作成できる!e-文書法改定で変わる業務効率化

これまで領収書契約書などの重要な文章は、紙媒体で保存することが法律で義務付けられてきました。
しかし、ITのさらなる発展と企業からの要請に応じ、2015年に1度目のe-文書法の改正が、2016年9月30日には2度目の改定が施行されました。これをうまく活用することができれば、企業は紙媒体での各種書類の保存から解放されることになります。

ただし、その改定内容、内訳の理解が浅いと、社内制度に落とし込むことは困難。そこで、改正後のe-文書法の概要と、具体的なメリットをお伝えします。

そもそもe-文書法って?

領収書、契約書など、法令で保存が義務付けられている文書の、電子媒体の保存を承認、規制しているのがe-文書法(電子文書法)。または電子帳簿保存法です。

この法令により、各種条件はあるものの、企業は電子帳簿における文書の保存が可能になりました。

e-文書法改正後のポイント

文書保存における規制緩和が行われたとはいえ、専門家でもない限り法令を頭から読解するのは難解です。いったい、どのような変更点があるのでしょうか。以下の3点が重要となります。

1.スマートフォン、デジカメでの撮影による電子化の容認

電子帳簿化するには、読み取り台付きのスキャナーを使用する必要がありました。しかし、この規制が緩和され、スマートフォンデジカメでの電子化が可能になりました。

2.受領者本人による署名要件、3日以内のタイムスタンプ付与要件の追加

スマートフォン、デジカメという誰でもどこでも使うことのできる機器による電子化を容認する代わりに、「書類を受領した従業員本人の著名」「3日以内のタイムスタンプ付与」の要件が追加されました。これは、領収書の改ざんや使いまわしを防止するための規定です。

3.相互けん制要件、定期検査要件の緩和

小規模事業者において、事業主1人で領収書への署名タイムカードの付与原本と相違ないかのチェックができるようになりました。そのため、定期的なチェック機能のみ顧問税理士に委託すれば足りるため、相互けん制機能の短縮が実現しました。

電子帳簿のメリット、デメリット

メリット

1.保存にかかるコストの削減
紙媒体で文書を保存する場合、プリンターのコピー用紙代、インク代、それをファイリングする作業、必要なときに探す作業…。このように、様々な費用と手間がかかります。これをスキャナーやスマートフォンで電子帳簿にしてしまえば、少ないコストで大量の文書が管理できます。

2.収納スペースの節約
電子帳簿として保存すると、オフィス面積の節約にもつながります。電子媒体にしてしまえば、ハードディスクやUSB、オンラインドライブなどにほぼ無限に保存することが可能です。意外と重く、場所をとる紙。すべて電子化し代わりに花などを置けば、紙ばかりで殺伐とした雰囲気のオフィスに彩も生まれます。

3.低い導入コスト
電子化と聞くと、何か新しいシステムや機器の導入が必要に感じるかもしれません。しかし、新しく改定されたe-文書法は、スマートフォン、デジカメでの電子帳簿化を認めています。つまり、誰もが持っている、すでに使いこなすことができるものを使用できるのです。
そのため、導入する際に新しいツールを購入する必要がありません。さらに新しい試みであるものの導入時の従業員へのガイダンスも簡単なもので済むでしょう。

デメリット

1.税務署への申請が必要
スキャナー、スマートフォン、デジカメで電子帳簿化し保存する場合、事前に税務署への申請が必要になります。申請後、承認までに3か月間時間を要するため、電子帳簿化への切り替えを決定した直後に導入できるわけではありません。

2.一時的な導入の負担
制度として定着するまで、幅広い従業員に負担が拡散するという側面もあります。一つ目の理由は、上記に示した通り、領収書受領者本人が署名タイムスタンプを付与しなければならないことです。

二つ目に、大きな企業の場合、上長の承認が必要となる「相互けんせい要件」があるからです。これまで経理といった、一部の部署のみで完結していた仕事が、小さな負担と言えど、全従業員に及ぶことになります。

また、契約書など社内だけでなく社外の関わってくる書類については、相手側の企業が電子化に対応していないとなかなか導入するのが難しいのも現状です。まずは領収書など、社内の書類から電子化を進め、社内の従業員間で定着してから、電子化に対応している企業とのやりとりに導入して行った方が安全だと言えるでしょう。

長期的にはメリットが大きい

メリット、デメリットはあるものの、企業にとってはさらに電子帳簿への移行がしやすくなっています。電子化は、ノウハウさえ社内に浸透させてしまえば、コストの削減が可能。短期的には導入の負担がかかりますが、長期的にはメリットを享受している企業も多いのです。

また、コストの削減はもちろん、環境負荷も軽減するためエコ活動にも繋がり、CSR(企業の社会的責任)としての機能も期待できます。この改定を機に、電子帳簿への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

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