機密文書の処理はシュレッダーと溶解どちらがいい?廃棄方法ごとのメリット・デメリット
機密文書を安全に破棄するには、どのような方法を選ぶのが適切なのでしょうか。情報漏えいを防ぐためには、処理の確実性やコスト、作業効率など、さまざまな観点から判断する必要があります。なかでも、企業や団体で多く採用されているのが「シュレッダー」と「溶解」の2つの方法です。
本記事では、これらの特徴やメリット・デメリットを比較し、自社にとって最適な廃棄方法を選ぶためのポイントを解説します。
シュレッダー廃棄とは
シュレッダー廃棄とは、機密文書を細かく裁断し、内容を読み取れない状態にする処理方法です。
オフィスや家庭に設置できる電動シュレッダーを使ってその場で処分する方法と、業者に依頼して大型シュレッダーを使う方法の2種類があります。
業者依頼型には、作業員が書類を引き取り自社施設で裁断する「回収型」と、大型シュレッダーを積んだ専用トラックでオフィスを訪問し、その場で裁断を行う「出張型」があり、求める処理スピードやセキュリティレベルによって選択が可能です。
紙を一定サイズ以下に裁断することで情報漏えいのリスクを低減でき、日常的な書類処理から大量廃棄まで幅広く対応できます。
近年では、クロスカットやマイクロカットなど、より細かく裁断できる機種も普及しており、セキュリティレベルや安全性の向上が図られています。
シュレッダー廃棄のメリット
シュレッダー廃棄は、日常的な機密文書の処理方法として非常に便利です。オフィスに設置したシュレッダーを使えば社内で完結でき、外部への持ち出しが不要なため、情報漏えいリスクを抑えられます。また、業者に依頼して大型シュレッダーを利用する方法もあり、特に大量処理や高セキュリティを求める場合に有効です。
手軽に書類を処分することができる
オフィス用シュレッダーはスイッチを入れて紙を投入するだけで機密文書を裁断できるため、誰でも簡単に利用できます。複雑な手順や特別な知識が不要で、社内のどの部署でも手軽に導入可能です。これにより、書類の廃棄が習慣化しやすく、不要な情報の長期保管を防げます。
業者依頼型のサービスを利用すれば、自社での作業負担を大幅に減らすこともできます。
必要な時にすぐに処理できる
オフィス内のシュレッダーは、印刷ミスの発生時、会議直後に使用した資料や下書き、メモなどもその場で廃棄でき、必要なタイミングですぐに処理できるのが魅力です。
業者のサービスでも、予約した日時に訪問してもらえるため、計画的に大量処理を行いたい場合に便利です。
コストが比較的かからない
社内設置のシュレッダーは、一度本体を購入すればランニングコストが比較的低く抑えられ、日々少量の機密文書を処理する場合に経済的です。電気代や刃のメンテナンス費用はかかりますが、処理費用自体は発生しないため、長期的には費用対効果が高い方法といえます。
業者に依頼すると費用は発生しますが、自社での裁断作業などにかかる人件費削減につながるため、結果的にコストメリットを得られる場合もあります。
シュレッダー廃棄のデメリット
利便性の高いシュレッダー廃棄ですが、すべての状況で最適とは限りません。処理量やセキュリティ要件によっては、溶解処理など他の方法を選択する方が望ましい場合もあります。導入前にデメリットを理解しておくことで、より安全かつ効率的な運用が可能になります。
大量の書類の処分の際に時間がかかる
オフィス用シュレッダーは一度に処理できる枚数が限られており、大量処理には手間と時間がかかり、作業で業務を圧迫することがあります。特に年度末や決算期など、一度に大量の機密文書を廃棄する場面では効率が低下しやすい点に注意が必要です。
業者依頼型を利用すれば短時間で処理可能ですが、特に量がある場合は事前の予約や日程調整が必要で、緊急時には対応できない場合があります。
情報漏洩のリスクがある
裁断後の紙片は完全に粉砕されるわけではなく、復元可能なリスクが残る場合があります。特にストレートカットのシュレッダーでは、断片をつなぎ合わせることで内容を再現される恐れがあります。
高度なセキュリティを求める場合は、業者の大型シュレッダーやマイクロカット機を使えばリスクは低減しますが、溶解処理と比較すると安全性ではやや劣る場合もあります。
ゴミの処理が必要
社内シュレッダーを使用すると、裁断された紙屑の回収や廃棄が必要になります。廃棄コストや保管スペースの確保も課題となり、紙粉の発生による定期的な清掃負担も無視できません。
業者依頼型ならこれらのデメリットを省けますが、回収型では裁断前の書類をそのまま外部に持ち出すことになるため、搬送中の管理には注意が必要です。
溶解処理とは
溶解処理とは、機密文書や個人情報を含む書類を、パルパーと呼ばれる溶解釜の中で水と混ぜ、鋭い刃で粉砕しながら液状化し、原型を完全に破壊する廃棄方法です。これは製紙メーカーにおける紙のリサイクル工程の一部でもあり、処理後の溶解文書はパルプ原料として再利用され、段ボールやトイレットペーパーなどの紙製品に生まれ変わります。
この方法は復元不可能な状態まで分解されるため、日本国内では情報漏えい防止の観点から高く評価されていますが、欧米では正式な機密廃棄方法としては認められていません。そのため、一部の機密廃棄業者では溶解処理の前に独自の破砕処理を行い、より確実な抹消証明書を発行するケースもあります。
溶解処理は主に専門業者に依頼して行われ、現地回収型や出張型など、処理規模やセキュリティ要件に応じてサービス形態を選択可能です。
溶解処理のメリット
溶解処理は、焼却のように二酸化炭素を排出することがなく、機密性の高い書類を安全かつ環境配慮型で処分できる点から、多くの企業や団体で採用されています。特に情報管理が厳しく求められる金融機関、医療機関、官公庁などで利用が進んでいます。
情報漏えいリスクの低減
裁断後も紙片が残るシュレッダー処理に比べ、溶解処理は文書を分子レベルまで分解するため、復元は事実上不可能です。印字された文字や画像が物理的に消滅するため、最高レベルの情報セキュリティを実現できます。機密廃棄業者によっては、溶解前に独自の破砕処理を行い、抹消証明書を発行することで、より高いセキュリティを確保しています。
また、方式にもよりますが、ホチキスやゼムクリップを外す必要もありません。基本的にそのまま廃棄することが可能なため、作業員が段ボールを開けられることなく廃棄されます。
特に機密情報や法的拘束力のある契約書、個人情報を含む書類など、絶対に外部に漏らせない書類の処分に適しています。
大量の書類に処分に手間がかからない
大量の文書でも一度に溶解処理できるため、オフィス用シュレッダーのように何度も紙を投入する必要がありません。業者が回収や出張処理に対応してくれるため、社内でのゴミ処理などの作業負担もほぼゼロにでき、従業員の業務効率向上にもつながります。
資源の有効活用になる
溶解処理後のパルプ原料は再び紙製品として生まれ変わるため、資源循環型社会に貢献できます。廃棄と同時にリサイクルが進むため、環境配慮型の企業活動としてCSR(企業の社会的責任)やSDGsへの取り組みにもつながります。
溶解処理のデメリット
高い安全性と環境性に優れた溶解処理ですが、こちらもすべての状況で万能というわけではありません。依頼先や運用方法によっては注意点があります。
業者により品質にばらつきがある
溶解処理の品質は業者によって異なり、処理の過程や管理体制に大きく差があります。完全溶解を保証する認証制度や証明書発行サービスを提供しているかどうかを確認することが重要です。信頼性の低い業者を選ぶと、処理の不十分さや管理不備による情報漏えいリスクが高まります。
運搬時のリスクがある
溶解処理は基本的に外部業者の施設で行われるため、文書の回収時や運搬、輸送をする過程で盗難や紛失による情報漏えいのリスクがゼロとは言えません。特に車両内の管理体制や運搬ルートの安全性は事前に確認すべきポイントです。回収から処理までの一貫管理や立会いサービスを提供する業者、封印付きの回収ボックスや追跡システムを導入している業者を選ぶことで、リスクを低減することができます。
依頼から処理までに時間がかかることがある
業者の処理能力や施設の稼働スケジュール、大量に資材が集まる繁忙期によっては、回収から実際の溶解処理までに数日から数週間かかり、長期間廃棄されないまま放置される場合があります。その間の保管環境やセキュリティ対策が不十分だとリスクが生じます。緊急性の高い文書の廃棄には、即日処理可能な出張型やスケジュール調整の柔軟な業者が適しています。
機密文書の処理を外部に委託する際に見るべき点
シュレッダー廃棄、溶解処理ともに、外部に廃棄をお願いする場合は、コストや利便性だけでなく、情報漏えい防止のための安全性や信頼性を十分に確認することが重要です。
ここでは、安心して廃棄を任せられる業者を選ぶ際に、チェックするべきポイントを解説します。
Pマークなど各種認証を取得しているか
機密文書の処理を外部に委託する際は、業者が取得しているセキュリティ認証を確認することが重要です。代表的なものに、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISO27001」と、個人情報の保護に特化した「プライバシーマーク(Pマーク)」があります。ただし、プライバシーマークは個人情報の取り扱いに限定されているため、契約書や営業秘密などの機密文書全般を守るためには、ISO27001など幅広い情報管理を対象とした認証も重要です。
しかし、セキュリティ認証を取得しているからといって必ずしも安心できるわけではありません。企業ごとに、どのような情報に対して、どのような対象範囲でマネジメントシステムを構築しているかが異なるため、委託前に具体的な管理体制や運用範囲をしっかり確認する必要があります。
輸送・運搬方法
機密文書を処理施設まで運ぶ際の輸送方法は、情報漏えいリスクの大きな分岐点になります。段ボールや麻袋に書類を入れての運搬や、ほかの荷物との混載は、破損や事故が心配です。施錠密封した専用ケースを使用しての運搬をしているかや、監視カメラ・GPS追跡機能付きの車両かどうかは重要なチェックポイントです。また、運搬時の立会いや、現場での出張処理サービス(大型シュレッダーや溶解処理設備を積んだ車両で対応)に対応している業者であれば、輸送に伴うリスクを大幅に減らせます。
廃棄証明書を発行してくれるか
廃棄証明書(抹消証明書)は、文書が確実に処理されたことを証明する公式な書類です。これがあれば、トラブル防止や社内監査や外部監査、コンプライアンス上の証拠として活用できます。業者によっては溶解処理や破砕処理の工程を写真付きで記録し、証明書に添付してくれる場合もあります。特に個人情報保護法やマイナンバー法の適用を受ける場合、証明書発行の有無は非常に重要です。
詳細な廃棄方法・手順
同じシュレッダー廃棄でも業者によって、廃棄方法(シュレッダー処理・溶解処理・焼却処理など)や手順の透明性、セキュリティレベルに差があります。事前に実際の処理フローや使用設備、処理場所のセキュリティ体制について説明してもらいましょう。欧米基準では溶解処理が正式な機密廃棄方法と認められていないため、国際的な取引先がある場合は追加の破砕工程や高度なセキュリティ基準への準拠も確認が必要です。
手間をかけずに書類を安全に廃棄したい際の一番いい方法は?
企業にとって機密文書は、会社の信用を左右する情報を含んだ重要な資産です。自社でシュレッダー処理を行う手間を避け、大量な書類を安全かつスピーディーに処理するためには、専門の機密廃棄業者に委託するのが効率的な選択肢となります。
日本パープルの機密廃棄サービス「保護くん」は、オフィスに鍵付きの専用回収ボックスを設置し、そのなかに機密文書を投入するだけで廃棄作業が完了します。ホチキスやバインダーも外す必要がなく、そのまま廃棄できる手軽さが特徴です。また、回収から運搬・処理まですべて一社完結で行い、処理完了後は機密抹消処理証明書が発行されるので、徹底した情報漏洩対策が行えます。コンプライアンス対応や監査資料としても活用可能です。さらに、廃棄物のリサイクルも考慮し、環境負荷の軽減にも配慮しています。
シュレッダーよりも手軽に効率良く、溶解処理よりも安全性の高い「保護くん」なら、業務への負担を軽減しながら安心して機密文書の処理を任せたい企業に最適なサービスです。
機密文書の安全な廃棄方法をお探しの方は、ぜひ「保護くん」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
機密文書の適切な廃棄は、企業の情報漏えいリスクを防ぎ、信頼を守るために欠かせません。シュレッダー処理は手軽でコストも抑えられますが、大量処理や高いセキュリティが求められる場合には限界があります。一方、溶解処理は確実な情報抹消と環境への配慮が魅力ですが、業者の選定や運搬時の管理が重要となります。
安全かつ手間をかけずに機密文書を処理したいなら、日本パープルの機密廃棄サービス「保護くん」のように、鍵付き回収ボックスで簡単投入、専門業者が一貫して回収・処理し、しっかり処理証明書を発行するサービスが非常に安心です。
廃棄を外部に委託する際は、PマークやISO27001などの認証取得状況や輸送・処理方法の安全管理、廃棄証明書の発行有無を必ず確認して、自社に合った方法を選びましょう。
機密文書の廃棄は、ただ処分するだけでなく、企業の信頼を守り、安心を提供する大切な役割があります。ぜひこの記事を参考に、安心して処理できる方法を見つけてくださいね。