個人情報を含む書類の廃棄方法は?安全に処理する方法と注意点を解説
顧客名簿や申込書、契約書、履歴書など、個人情報が記載された書類を「シュレッダーにかければ問題ない」「ほかの書類と同じように捨ててもよい」と判断していませんか。個人情報を含む書類を読める状態のまま廃棄すると、第三者に内容を見られたり、持ち出されたりして情報漏えいにつながるおそれがあります。
書類を安全に処分する方法には、シュレッダーによる細断のほか、溶解処理や焼却処理、専門業者への委託があります。処理する量や発生頻度、社内で作業に割ける時間によって適した方法は異なるため、安全性だけでなく日々の運用も踏まえて選ぶことが大切です。
この記事では、個人情報を含む書類を廃棄する際の基本的な考え方、主な処理方法、自社に合った方法の選び方、外部委託時の注意点を解説します。機密文書回収ボックス 保護くん(まもるくん)の活用方法も紹介しますので、社内の書類廃棄ルールを見直したい方は参考にしてください。
この記事でわかること
- 個人情報を含む書類を廃棄する際の考え方
- シュレッダー・溶解・焼却の違い
- 書類の量や運用に合った廃棄方法の選び方
- 機密文書の廃棄を外部委託する際の注意点
- 機密文書回収ボックス 保護くん(まもるくん)の活用方法
個人情報を含む書類は復元できない方法で廃棄
個人情報を含む書類を廃棄するときは、内容を読めない状態にするだけでなく、元の情報を容易に復元できない方法で処理することが大切です。特に、個人情報データベース等を構成する「個人データ」が記載された書類について、個人情報保護委員会は、焼却や溶解、適切なシュレッダー処理など、復元不可能な手段で廃棄することを安全管理措置の例として示しています。
なお、「個人情報」と「個人データ」は法律上同じ意味ではありません。個人情報のうち、個人情報データベース等を構成するものが個人データに該当します。社内では法律上の区分だけで廃棄方法を変えるのではなく、漏えいした場合の影響も考え、氏名・住所・連絡先・顧客情報・従業員情報などが記載された書類を適切に管理することが重要です。
また、個人情報保護法がすべての書類について一律の保存期間を定めているわけではありません。契約書や人事・労務関係書類などは、別の法令によって一定期間の保存が求められる場合があります。社内で不要になったという理由だけで処分せず、法定保存期間や契約上の保管義務、業務上残しておく必要がないかを確認してから廃棄しましょう。
廃棄対象となった書類は、内容を読める状態のまま一般の紙ごみなどへ混ぜるのではなく、社内で定めた方法に沿って処理します。誰が廃棄を判断し、いつ処理したのかを記録するルールも設けておけば、担当者が変わっても運用を続けられます。保管から廃棄までを一連の流れとして管理することが、個人情報を安全に扱ううえでの基本です。
個人情報を含む書類の主な廃棄方法
紙に記載された個人情報を復元しにくい状態にする方法として、シュレッダーによる細断、溶解処理、焼却処理があります。それぞれ処理の仕組みや社内で必要になる作業が異なるため、特徴を知ったうえで自社に合う方法を選ぶことが大切です。
| 処理方法 | 処理の概要 | 社内で必要になる主な作業 | 処理後の状態 |
|---|---|---|---|
| シュレッダー | 紙を細かく裁断する | 書類の投入、機種によっては金具やファイルの除去 | 細断された紙 |
| 溶解処理 | 製紙工程などで紙を繊維状にほぐす | 業者への引き渡しや回収準備 | 元の書類として復元できない繊維状の原料 |
| 焼却処理 | 処理施設で書類を燃焼させる | 業者への引き渡しや回収準備 | 焼却後の灰など |
シュレッダーによる細断
シュレッダーは、不要になった書類を細かく裁断する方法です。オフィス内で処理を完結できるため、個人情報を含む書類を社外へ持ち出さずに廃棄できます。日常的に使われている方法ですが、単に裁断すればよいわけではありません。
文字や氏名、番号などを容易に読み取れたり、裁断片を組み合わせることで内容を推測できたりする状態では、十分な処理とはいえません。扱う情報の内容を踏まえ、復元されにくい状態まで細断できる機器を利用する必要があります。
個人情報保護法では、「何mm以下で裁断すればよい」といった一律のサイズは定められていません。そのため、情報の重要度や漏えいした場合の影響を考え、適切な機種を選びましょう。裁断後の紙についても、回収されるまで誰でも触れられる場所へ放置せず、社内ルールに沿って管理することが大切です。
溶解処理
溶解処理は、回収した書類を製紙工程などで繊維状にほぐし、元の書類として復元できない状態にする方法です。文字が書かれた紙そのものの形が失われるため、個人情報や機密情報を含む書類の処理方法として利用されています。
処理後の紙繊維を再生紙などの原料として再利用する仕組みもあり、情報を適切に処理しながら紙資源を有効活用できます。サービスによっては、専用箱へ書類を入れた状態で回収し、そのまま溶解工程へ送るものもあります。
ただし、ホチキスやクリップ、クリアファイル、バインダーなどを付けたまま依頼できるかは事業者によって異なります。事前に分別が必要なサービスもあるため、利用条件を確認してから準備を進めましょう。書類をどの状態で引き渡せるかまで確認しておくと、廃棄前の作業負担を見積もれます。
焼却処理
焼却処理は、書類を処理施設で燃焼させ、内容を判読・復元できない状態にする方法です。紙そのものを燃やすため、適切に処理されれば元の書類として情報が残りません。焼却も、個人データが記載された書類を復元できない状態にする方法の一つとして挙げられます。
企業が外部へ焼却処理を依頼する場合は、書類の種類や地域の廃棄ルールを踏まえ、適切に取り扱える事業者を選びます。利用条件や受け入れ可能な書類、異物の扱いは事業者ごとに異なるため、箱詰めする前に確認しておきましょう。
なお、外部委託では最終的な焼却方法だけでなく、書類が事業者へ渡ってから処理されるまでの管理も重要です。委託先の安全管理体制や回収・運搬時の確認事項については、後半で詳しく解説します。
書類の量や運用に合う廃棄方法の選び方
廃棄方法は、安全性に加えて、書類の量や発生頻度、社内で処理に割ける時間を踏まえて選びます。同じ会社でも、数枚ずつ発生する日常的な廃棄と、年度末などにまとまって発生する廃棄では適した方法が異なります。
| 書類の量・発生状況 | 適した廃棄方法 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 少量の書類 | 社内シュレッダー | 不要になった時点で処理でき、回収まで保管する必要がない。処理量が増えると裁断作業や金具を外す手間が負担になる |
| 大量の書類 | 外部委託 | 書庫整理や一斉廃棄でも通常業務への影響を抑えられる。箱数や搬出環境を伝え、保存期間を確認してから対象を絞る |
| 継続的に発生する書類 | 回収サービス | 専用ボックスへ集約し、廃棄場所と手順を社内でそろえられる。書類量に合う容量・回収頻度・対応エリアを確認する |
処理方法の仕組みではなく、利用場面ごとの判断基準に絞って見ていきましょう。
少量の書類に向く社内シュレッダー
処理する書類が少なく、社内で無理なく対応できる場合は、シュレッダーが選択肢になります。不要になった時点で処理できるため、回収日まで書類を保管する必要がなく、外部サービスを手配するほどの量がない企業にも取り入れやすい方法です。
ただし、処理量が増えてくると、裁断作業そのものが担当者の負担になります。書類を1枚ずつ投入する時間に加え、ごみ袋の交換や紙詰まりへの対応、機種によってはホチキスやクリップを外す作業も必要です。
シュレッダーの前に廃棄待ちの書類が積み上がる状態になっている場合は、社内処理を続けるべきか見直すタイミングといえます。毎月どの程度の書類が発生しているか、処理にどれだけ時間を使っているかを確認し、担当者の負担も含めて判断しましょう。
大量の書類に向く外部委託
年度末の書庫整理や保存期限を迎えた書類の一斉廃棄など、まとまった量を処理する場合は、専門事業者への委託が選択肢になります。社内で1枚ずつ処理する作業を減らせるため、大量の書類がある場合でも通常業務への影響を抑えながら廃棄を進められます。
外部委託を検討するときは、処分する箱数だけでなく、書類が置かれている場所や搬出環境も伝えておきましょう。別フロアの書庫から運び出す必要がある、エレベーターを利用できない、複数拠点から回収したいといった条件によって、必要な作業や料金が変わる場合があります。
処分する時期が決まっている場合は、直前になって準備を始めるのではなく、残す書類と廃棄する書類をあらかじめ分けておくことも大切です。法定保存期間などを確認したうえで対象を絞れば、誤廃棄も防げます。
継続的な廃棄に向く回収サービス
申込書や顧客対応の書類、社内帳票などが日常的に発生する企業では、専用ボックスなどへ不要書類を集約し、一定のタイミングで回収してもらうサービスが向いています。従業員が書類ごとに処分方法を判断せずに済み、廃棄場所と手順を社内でそろえられる点も特徴です。
継続利用では、実際の書類量に合ったボックス容量と回収方法を選びます。容量が小さすぎれば交換回数が増え、反対に大きすぎる場合は設置スペースが必要です。本社・支店・店舗など複数拠点で利用する企業は、拠点ごとの発生量も踏まえて考える必要があります。
回収の頻度や申込方法、対応エリア、最低利用条件などはサービスによって異なります。現在の書類量や発生頻度を伝えたうえで相談すると、自社の運用に合う方法を検討できます。
個人情報を含む書類の廃棄を外部委託する際の注意点
個人データの取扱いを外部へ委託する場合、委託元には委託先を必要かつ適切に監督することが求められます。料金や処理方法だけで決めるのではなく、書類を引き渡してから処理が完了するまでの管理体制を見ることが重要です。
- ・委託先・再委託先の管理体制
- ・回収・運搬時のセキュリティ
- ・廃棄記録・証明書の発行
書類を外部へ渡した時点で管理が終わるわけではありません。処理が適切に行われたことを確認できる仕組みまで含めてサービスを選びましょう。
委託先・再委託先の管理体制
個人データを含む書類の処理を委託するときは、委託先が必要な安全管理措置を講じているかを確認します。情報管理に関する規程や従業員教育、施設への入退室管理、事故が発生した際の連絡体制など、実際に書類を扱う環境を見ることがポイントです。
回収・運搬・処理の一部を別会社へ再委託するサービスであれば、どの業務を誰が担当するのかも確認しましょう。再委託そのものが一律に禁止されているわけではありませんが、委託元として適切な監督を行える体制が必要です。
契約時には、個人データの取扱状況を把握できる内容になっているか、目的外利用の防止や漏えい等が発生した場合の連絡方法などが定められているかも確認します。サービス資料だけでは分からない点があれば、契約前に問い合わせておくと安心です。
回収・運搬時のセキュリティ
書類を溶解・焼却する施設が適切に管理されていても、そこへ届くまでの扱いが不十分では情報漏えいのリスクが残ります。外部へ持ち出すサービスでは、誰が回収するのか、どのような方法で運ぶのか、第三者が書類へ触れにくい仕組みになっているかを確認しましょう。
社内で回収を待つ間の保管方法も重要です。個人情報を含む書類を一般の段ボールに入れて共有スペースへ置くのではなく、鍵付きの容器や施錠できる保管場所など、関係者以外が触れにくい環境を用意します。
回収日時や受け渡し担当者も社内ルールに含めておくと、書類の所在を追えます。受け渡した箱数や容器数を記録するなど、回収前後の状況を社内で説明できる運用を整えておきましょう。
廃棄記録・証明書の発行
外部委託後は、いつ、どの書類を、どの事業者へ引き渡し、どのように処理されたのかを確認できる状態にしておくことが大切です。個人情報保護委員会も、個人データを削除・廃棄した際の記録を保存することや、委託先に廃棄を依頼した場合は証明書等によって処理状況を確認することを安全管理措置の例として示しています。
処理証明書や溶解証明書を発行するサービスであれば、委託した書類の処理完了を確認する資料として活用できます。監査や社内確認の際にも、どのように処分したかを説明できます。
ただし、個人情報保護法がすべての書類廃棄について証明書の取得を一律に義務付けているわけではありません。取り扱う情報や社内規程、契約条件などを踏まえ、必要な記録を決めます。証明書を受け取る場合は、発行後の保存先や社内での管理方法もあわせて定めておきましょう。
機密文書回収ボックス 保護くん(まもるくん)の活用
個人情報を含む書類が継続的に発生し、社内シュレッダーによる処理や廃棄待ち書類の管理が負担になっている場合は、当社の機密文書回収ボックス 保護くんをご活用いただけます。オフィスに鍵付きの専用回収ボックスを設置し、不要になった書類をその都度投入できるため、廃棄までの書類を1か所へまとめて管理できます。投入口は、一度投入した書類を取り出せない構造です。
回収が必要になった際は当社の専門スタッフが対応し、自社保有の専用車両で運搬したうえで、自社の機密処理施設で処理します。処理完了後には機密抹消処理証明書を発行するため、外部へ委託した書類の処理状況を社内で管理する際にも活用できます。
また、保護くんではホチキスやクリップ、クリアファイル、バインダーを付けたまま投入できます。廃棄前に細かな分別をする作業を減らせるため、シュレッダー処理に時間がかかっている企業にも適しています。書類の発生量やオフィスの設置場所に応じた運用をご案内していますので、現在の廃棄方法に負担や不安がある場合は当社へご相談ください。
個人情報を含む書類の廃棄に関するよくある質問
個人情報を含む書類の廃棄では、シュレッダーで十分か、証明書は必要か、保存期間が過ぎた書類をすぐ処分してよいかなど、判断に迷う場面があります。最後に、書類廃棄でよくある疑問へ簡潔に回答します。
シュレッダーだけで個人情報書類を廃棄しても問題ありませんか?
シュレッダーはオフィス内で処理を完結できる方法ですが、文字や番号を容易に読み取れたり、裁断片を組み合わせて内容を推測できたりする状態では十分とはいえません。情報の重要度に応じて、復元されにくい状態まで細断できる機器を選びましょう。処理量が多い場合や書類が継続的に発生する場合は、外部委託や回収サービスも選択肢になります。
マイナンバーや人事評価など「特に厳重な個人情報」を扱う際、他の一般的な書類と廃棄方法を分ける必要がありますか?
物理的に分ける必要はありませんが、廃棄方法には注意が必要です。シュレッダーであれば復元されにく状態まで細断ができること、外部委託であれば第三者が触れない、取り出せない仕組みにすることが重要です。
書類を廃棄する際は必ず証明書が必要ですか?
個人情報保護法がすべての書類廃棄について証明書の取得を一律に義務付けているわけではありません。ただし、個人情報保護委員会は、削除・廃棄した記録の保存や、委託先に依頼した場合の証明書等による処理状況の確認を安全管理措置の例として示しています。取り扱う情報や社内規程、契約条件を踏まえて、必要な記録を決めましょう。
個人情報保護委員会からの監査や取引先からのセキュリティ調査(Pマーク/ISMS更新含む)の際、外部委託の導入は「安全管理措置」として十分な証明になりますか?
単に外部委託しているという事実だけでなく、「委託先が適切な安全管理体制を敷いているか」を証明できるサービスを選ぶ必要があります。
日本パープルの「機密文書回収ボックス 保護くん(まもるくん)」の場合、処理完了後に発行する「機密抹消処理証明書」に加え、運搬時のGPS付き完全密閉車両、自社工場での24時間監視体制など、個人情報保護法が求める「委託先の適切な監督」と「復元不可能な手段による廃棄」を高い水準で満たしています。ISMSやPマークの認証も取得しているため、各種監査・審査時における強力な安全管理のエビデンスとしてご活用いただけます。
保存期間が過ぎた書類はすぐに廃棄すべきですか?
法定保存期間を過ぎたからといって、一律に廃棄しなければならないわけではありません。契約や社内規程、係争・監査対応などで引き続き必要ではないかを確認してから処分します。一方、利用する必要がなくなった個人データについては、遅滞なく消去するよう努める必要があるため、目的なく長期間保有し続けないことも大切です。
まとめ:個人情報を含む書類は安全な方法で廃棄しよう
個人情報を含む書類は、不要になったからといって内容を読める状態のまま処分せず、復元できない方法で廃棄することが大切です。少量であれば社内シュレッダー、大量処分なら専門事業者への委託、継続的に書類が発生する企業なら回収サービスなど、処理量や運用に合った方法を選びましょう。外部委託では、最終的な処理方法だけでなく、委託先・再委託先の管理体制や回収・運搬時の安全性、処理完了を確認する方法まで見る必要があります。
当社の機密文書回収ボックス 保護くんでは、専用ボックスへの投入から回収、運搬、機密抹消まで一連の処理をご相談いただけます。社内の書類廃棄ルールを見直したい場合や、シュレッダー作業の負担を減らしたい場合は、お気軽にお問い合わせください。