働き方改革だけじゃなく「休み方改革」にも取り組むべき理由!

近年、働き方改革が推進されているのはご存じのとおりですが、日本の職場環境・風土において、働き方を大きく変えるのは簡単なことではないようです。2019年度から年5日の有給休暇取得が義務化されていますが、気軽に休みをとれる企業はまだまだ少ないと言わざるを得ません。このような状況のなかで、新たに叫ばれるようになったのが「休み方改革」という考え方。今回は、働く人たちが気兼ねなく休みをとれる環境をつくる「休み方改革」について解説していきましょう。

休み方改革とは?

休み方改革とは、働く人たちが休みをとりやすい環境をつくる取り組みのこと。ゴールデンウィークやシルバーウィーク、夏季休暇や冬季休暇など、同じ時期に集中する休暇の見直しや、有給休暇の取得促進などを通して、官民一体となって休暇を取得しやすい環境づくりを目指すものです。

休み方改革の目的

企業が休み方改革に取り組む目的は、従業員が適切な労働時間で働き、ほどよく休暇をとり、ワークライフバランスを整え、仕事へのモチベーションを維持すること。そして、それによって企業全体の生産性向上を図ることだと言えるでしょう。

長時間労働が常態化し、有給もろくにとれない「ブラック」な職場では、従業員のメンタルヘルスに悪影響を及ぼし、仕事へのモチベーションも生産性も低下します。休み方改革を通して従業員がいきいきと働ける環境を整えることは、従業員のモチベーションを高め、企業全体としての生産性を向上させ、企業の成長を加速させることにつながります。

休み方改革が推進される背景

日本の有給休暇取得率は、世界的に見ても低い水準にあります。エクスペディアが世界19ヶ国を対象におこなった調査では、日本人の有給休暇取得率は19ヶ国中で最下位の50%でした。
◎参考:有給休暇国際比較調査2018│エクスペディア

また、厚生労働省の調査によると、平成30年の1年間に企業が付与した年次有給休暇は労働者一人平均18.0日で、そのうち労働者が取得した日数は9.4日、取得率は52.4%となっています。
◎参考:平成31年就労条件総合調査 結果の概況 | 厚生労働省

このように、十分に休暇をとれない日本の職場環境は過労死や子育て世代の長時間労働につながり、少子化にも拍車をかける要因になっていることから、休み方改革の必要性が訴えられるようになりました。

休み方改革の代表的な施策

休み方改革の代表的な取り組みをご紹介します。

年5日の有給休暇取得義務化

2019年4月から、法定の年次有給休暇日数が10日以上あるすべての従業員に対して、必ず毎年5日間の年次有給休暇を取得させることが義務化されました。「10日以上」という条件には前年から繰り越された日数は含まず、その年に新たに付与された年次有給休暇の日数で計算します。

キッズウィーク

学校の長期休業日を分散化することで、大人と子どもが一緒に休日を過ごせるようにする取り組みがキッズウィークです。地域ごとに、学校の夏休みや冬休みから一部の休業日を他の日に移して4~5日間の連休をつくり、この連休に合わせて大人も有給休暇を取得し、親子一緒に休日を過ごそうという狙いがあります。

仕事休もっ化計画

厚生労働省は、ワークライフバランスを整えるために、労使一体となって計画的に有給休暇を取得するための「仕事休もっ化計画」を推進しています。有給休暇を取得しやすい職場環境づくりや、年次有給休暇の計画的付与制度の導入、夏季休暇・土日に有給休暇を組み合わせて連続休暇を取得する「プラスワン休暇」などを呼びかけています。

ゆう活

ゆう活とは、政府が推奨する「夏の生活スタイルの変革」のこと。日照時間が長い夏に、朝早い時間に仕事を始め、早めに仕事を終えることで、まだ明るい夕方の時間を有効に活用して生活を豊かにしようという取り組みです。

プレミアムフライデー

月末の金曜日、いつもより少し豊かな時間を過ごすプレミアムフライデー。国民一人ひとりが、幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光など)をするための時間を創出することで、働き方改革や消費喚起につなげることを目的としています。「プレミアムフライデーは15時終業」など、終業時間を繰り上げている企業も見られます。

休み方改革を進めるうえでの重要ポイント

休み方改革を推進するうえで重要になってくる3つのポイントについてご説明します。

ポイント①:働き方・休み方の実態を把握する

「右にならえ」で休み方改革を進めるのではなく、まずは自社の働き方・休み方の実態を把握しなければいけません。休み方改革のプロジェクトチームを立ち上げ、自社の働き方・休み方の課題を明らかにしたうえで、その課題や従業員の要望に即した取り組みを採用することが重要です。アンケートやヒアリングで直接、従業員の声を聞くことで課題や要望を的確に把握できます。

ポイント②:休みやすい環境・意識を醸成する

有給を取得しない理由として多いのが、「みんなに迷惑をかけそうで罪悪感がある」「上司が働いているのに有給をとるのは気まずい」といった意見です。休み方改革を推進するうえで重要なのは、従業員が気軽に有給をとれる環境を整えるとともに、「いい仕事をするために休むことは大切」という意識を醸成することです。上司が率先して有給を取得する、自然な会話で有給取得を促すなど、職場の風土や雰囲気を改善していきましょう。

ポイント③:有給取得を阻害している業務体制を見直す

業務が属人化し、「その人でなければ対応できない業務」が多いのが日本企業の特徴です。このような状況では、「休むとその後が大変になる」「有給をとっても自分の仕事量は減らない」といったことが起こり、有給取得が促進されません。安心して休めるようにするには、業務の属人化を解消し、業務の平準化・見える化、負荷分散をおこない、従業員同士がお互いの仕事をカバーし合える業務体制をつくらなければいけません。

休み方改革ができれば、働き方も変わり、会社が変わる。

休み方改革と働き方改革は表裏一体なので、休み方が変われば働き方も変わっていきます。働き方改革がうまくいっていない企業は、少し視点を変えて、休み方改革に力を入れてみてはいかがでしょうか。

厚生労働省は、企業の取組事例から見る休み方改善のポイントを「休み方改善 取組事例集」としてまとめていますので、ぜひこちらも参考にしてください。
◎参考:休み方改善 取組事例集|厚生労働省