2016年9月20日お役立ち情報

キーワードは“合わせ技”!?社内研修を効率化させる「eラーニング」の活用法

株式会社日本能率協会マネジメントセンターが国内企業360社に行った調査によると、80%もの企業がeラーニングを実施しているそうです。

多くの企業が社内研修のツールとして導入しているeラーニング。
しかし実際のところは、便利さに惹かれて導入したものの、「あまり上手く活かせていない」と悩んでいる企業の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、研修を担当する方に向けて、eラーニングの効果的な活用法を紹介します。既にeラーニングを知っている・使っているという企業の方も、ご自身の企業の研修方法について振り返る機会にしてみてください。

効率よく運用するためのポイントはコレだ!「eラーニング」でできること

eラーニングとは、インターネットを利用した学習形態のことを指します。全員で机に向かう従来型の学習形態と大きく異なるということで注目を集め、1990年代にパソコンが普及するとともに広がり、学校や企業で多く採用されるようになりました。

この章では、eラーニングのメリットを洗い出すことによって、どのような研修をするときにeラーニングを活用すべきなのかを考えていきましょう。

営業職の研修で威力を発揮!「時間や場所をの調整の手間をなくす」

eラーニングを活用する1番のメリットは、「場所や時間の確保をしなくていい」ことです。大勢の社員を同じ時間に一カ所に集めるためには、広い場所の確保をしなければならない上に、日程調整の手間がかかります。

しかし、eラーニングを活用して、1度コンテンツをクラウド上に作ってしまえば、同じ時間・同じ場所に社員を集める必要がありません。それぞれの社員が自分の好きな時間にパソコンで学習することができ、講師を呼ぶ必要もないので人件費の大きな節約につながるのです。

特に外出が多い営業職の研修を行うときには、eラーニングを積極的に活用してみるといいかもしれません。

コンプライアンス研修に最適!「全員が同じ質の教育を受けられる」

集合研修を行うときに懸念される問題として、「常に同じ人が指導にあたれるとは限らない」というものがあります。人数が多ければ、部屋を分けて別々の人が指導に当たることも出てくるでしょう。そうなると、教える人のレベルによって、定着度に差が出てしまう可能性があります。

社内研修では、規則や社内の秘匿情報など、正確に理解しておくべきコンプライアンス事項も当然学ぶことになるので、認識に差が出てしまうことはなるべく避けたいもの。eラーニングを使えば、教え方の上手な講師の講義を録画したり、情報をテキストにまとめておくだけで、「誰もが同じ質の講義を受けることができる」のです。

コンプライアンス研修を実施する際に、特に効果を発揮するメリットだと言えます。

テスト実施の手間が大幅に減少!「受講者の管理を簡単にできる」

講義を受けただけでは、誰がその講義を受けたのか、また、受講者が内容をどれだけ理解しているかは分かりません。したがって、出席をその都度とったり、別日にテストを実施し採点したり…と、考えただけでも手間の多さに嫌気がさしてしまいそうです。

eラーニングを使えば、一つひとつの講義でテストを行い、結果をすぐに表示することができます。テストの結果がクラウド上に表示されるので、それぞれの項目で誰が履修を終えているのかが一目で分かり、「受講者の管理も容易」に。合格点を設けることで、受講者を一定水準のレベルまで引き上げるように促すこともできます。

eラーニングのメリットを最大限に活用するために、テストを積極的に行うようにしましょう。

1人1人に合った研修体勢を確立!「受講者のレベルに応じた講座を提供できる」

社員によっては理解度のレベルに差があり、同じ講義を行っていても、「簡単すぎて退屈だ」と思う人や、「難しすぎて理解できない」という人が出てきます。こうした問題を解決するためには、レベル別の研修を設ける必要がありますが、集合研修でそれを行おうとすると、時間や場所を調整したり、レベルに応じて講師を呼んだりするのがさらに大変になります。

こうした問題も、eラーニングは解決してくれます。
レベル別のコンテンツを作れば、「その人のレベルに合った学習を提供できる」のです。

無駄な時間を最小限にとどめ、効果的な研修をすることができるようになるでしょう。

研修・教育現場の最先端!日本でも効果が証明された「ブレンディッドラーニング」ってなに?

最近では、“集合研修とeラーニングの良いとこ取りをしてしまおう!”という「ブレンディッドラーニング」という学習方法が、アメリカを中心に注目を集めています。

前の章で説明したように、eラーニングには、集合研修にはないさまざまなメリットがあります。しかし、eラーニングのみの研修にしてしまうと、知識詰め込み型の偏った内容になってしまうことに気を付けなければなりません。

研修内容を定着させるためには、集合研修で行う“ディスカッション”や“ワーキング”も非常に重要なのです。では、研修はどのようにあるべきか。そこで考えられた方法がブレンディッドラーニングです。次の例をご覧ください。

【例】eラーニング→集合研修

「営業力向上研修」の場だと仮定して考えてみましょう。
まずは、営業をするにあたっての心構え(=基礎)をeラーニングで各自学習します。そして基礎を習得した後に、集合研修では、各自が営業でどのような事を気をつけているかを共有、ディスカッションをします。

この方法なら、研修参加者は、基礎的な内容も身につけつつ、営業を上手く行う秘訣を体験談をもとに知ることができるのです。今説明した例のように、“絶対の正解がない”内容を研修に盛り込むときには、eラーニングと集合研修を上手く織り交ぜた方法をとることが、効果を高める秘訣になります。

日本では、岡山県総合教育センターが行った実施調査により、ブランディングラーニングの効果が実証されています。eラーニングと集合研修の順番を変えたり、eラーニングを用いた確認テストを最後に行ったりと、研修内容に応じて組み合わせに変化を加えてみてはいかがでしょうか。

eラーニングの特性を掴み、集団研修との合わせ技で効率的な研修を!

以上の内容をまとめると、eラーニングを効率的に活用するために必要なのは、次の2点です。
1つ目は、eラーニングの特性をつかみ、どのような研修ならeラーニングが活きるのかを考えること。
2つ目は、集合研修とeラーニングを上手く組み合わせたブレンディッドラーニングを行うこと。

ただ単に便利だからという理由で、ツールを使うのではなく、「どういう目的でそのツールを使うのか」という本質的な側面を意識することが、効果的な研修につながる第一歩です。研修を担当される方は今回紹介した内容を参考に、ご自身の企業の研修制度を見直してみてはいかがでしょうか。

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