IT機器の保管方法は?法人向けの管理方法や保管先の選び方を解説

退職者から返却されたPCや、新入社員用に準備した端末、修理待ち・予備機などのIT機器が社内に増え、「どこに保管すればよいのか」「誰がどの端末を管理しているのか分からない」と悩んでいませんか。IT機器は企業の資産であり、端末内に業務データが残っていることもあるため、盗難・紛失だけでなく保管環境にも配慮が必要です。
法人でIT機器を保管する際は、施錠できる場所を確保するだけではなく、端末ごとの管理番号やシリアル番号、利用状況、保管場所を記録し、必要なときに取り出せる状態を整えておくことが大切です。台数が多い場合や複数拠点で利用する場合は、外部倉庫や法人向け保管サービスも選択肢になります。
この記事では、IT機器を安全に保管する方法、保管中の管理方法、社内保管と外部倉庫の使い分け、法人向け保管サービスの選び方を解説します。PCや周辺機器の保管場所・管理方法を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 法人のIT機器を安全に保管する方法
- 保管中のIT機器を管理する方法
- 社内保管と外部倉庫の使い分け
- 法人向けIT機器保管サービスの選び方
法人のIT機器を安全に保管する方法

IT機器を保管する際は、盗難・紛失を防ぐ物理的な対策と、機器の状態を損なわない保管環境の両方に目を向ける必要があります。PCやタブレットは、保管時にセキュリティや環境条件への配慮が必要な電子機器です。機器の仕様や保管期間に合わせ、適した方法を選びましょう。
施錠できる保管スペース
PCやタブレット、記憶媒体などは、誰でも出入りできる場所へ置かず、施錠できるキャビネットや保管室などで管理します。退職者から返却されたPCのように、端末内のデータ消去や再設定が終わっていない機器は、特に持ち出しや紛失への対策が重要です。
保管場所へ入れる人を必要な担当者に限定し、鍵や入退室権限の管理方法も決めておきましょう。共有スペースへ一時的に置く場合も、そのまま放置せず、保管期限や担当者を明確にします。
外部倉庫を利用する場合は、倉庫内への入退室をどのように管理しているか、監視体制が整っているかも確認しておきたいポイントです。
温度・湿度と結露への対策
IT機器は、高温や高湿度、急激な温度変化を避け、メーカーが示す保管条件に合った環境で保管します。寒い場所から暖かい室内へ移した際などは結露が生じることもあるため、温度差が大きい環境では注意が必要です。
「屋内だから問題ない」と判断せず、空調の有無や直射日光、湿気がこもりやすい場所ではないかも確認してください。長期間保管する端末では、必要に応じて温度・湿度を継続的に管理できる環境を選びます。
適切な温度・湿度は製品によって異なります。一律の数値を基準にするのではなく、仕様書やメーカーが案内する保管条件を確認しましょう。
長期保管時のバッテリー管理
ノートPCやタブレットなど、バッテリーを内蔵する機器を長期間保管する場合は、電源を切るだけでなく、メーカーが案内する保管方法も確認します。リチウムイオンバッテリーは使用していない間も自己放電するため、長期間充電しない状態が続くと過放電につながることがあります。
保管前の充電量や再充電の間隔は製品によって異なります。50%程度の充電状態を案内しているメーカーもありますが、すべての端末に共通する基準ではありません。端末ごとの取扱説明書やサポート情報を基準にしてください。
バッテリーに膨張や破損が見られる場合は使用を中止し、メーカーやサポート窓口の案内に沿って交換・処分しましょう。
ラック・キャビネットによる収納
複数台のPCや周辺機器を社内で保管する場合は、機器を安定した状態で収納できるラックやキャビネットを活用します。床へ直接置くよりも保管場所を区分でき、必要な端末もすぐに取り出せます。
収納時は、端末本体とACアダプター、付属品の組み合わせが分かるようにしておくと、再利用時の確認もスムーズです。機器を積み重ねる場合は、メーカーが示す保管姿勢や耐荷重にも配慮しましょう。
充電しながら複数台を収納する場合は、放熱や配線にも対応した専用キャビネットが選択肢になります。一方、電源を切った状態で保管するのであれば、台数や利用方法に合った設備を選ぶことが大切です。
保管中のIT機器を管理する方法
安全な場所へ置くだけでは、法人のIT機器管理として十分とはいえません。台数が増えるほど、「どの端末が、どこにあり、どのような状態なのか」を追える仕組みが重要になります。端末情報や現在の状態を共通のルールで記録し、貸出・返却や棚卸しまで含めて運用しましょう。
端末情報・利用状況の台帳管理
IT機器の台帳には、端末を識別する情報と現在の状態を記録します。社内で必要な項目をそろえ、担当者が変わっても同じ基準で更新できる状態にしておきましょう。
| 管理項目 | 記録する内容の例 |
|---|---|
| 端末情報 | 管理番号、製品名、型番、シリアル番号 |
| 利用状況 | 使用中、返却済み、予備、修理待ち、廃棄予定 |
| 利用者・部署 | 利用者名、所属部署、管理担当者 |
| 保管場所 | 社内の保管室、キャビネット、外部倉庫など |
項目を増やしすぎると、更新作業そのものが負担になります。自社で実際に使う情報に絞ることも大切です。
Excelなどの表計算ソフトでも管理できますが、台数や拠点が多い場合は、複数人で更新・検索できる仕組みを検討すると管理しやすくなります。
貸出・返却履歴の管理
現在の保管場所だけでなく、誰がいつ持ち出し、いつ返却したかを記録しておくと、機器が見つからないときに経緯を追えます。特に予備機や検証機、デモ用端末などを複数部署で共用する場合は、貸出・返却履歴を残しておきましょう。
貸出時には端末の管理番号、利用者、貸出日、返却予定日を記録し、返却後は実際の返却日や端末の状態を更新します。
返却された端末に初期化や修理が必要な場合は、「返却済み」と「再利用可能」を分けて管理することもポイントです。履歴と現在の状態を区別すれば、誰が利用していた端末なのか、次に利用できる状態なのかを判断できます。
定期的な棚卸し
台帳と実物のずれを防ぐため、定期的に現物と管理情報を照合することが大切です。保管場所、台数、利用状況に違いがないかを確認し、必要に応じて台帳を更新します。
棚卸しでは、所在が確認できない機器だけでなく、長期間使われていない予備機や、修理待ちのまま止まっている機器も見直しましょう。利用予定がない端末については、再利用・売却・廃棄など次の対応を検討する機会になります。
入社・退職が多い時期やPCの一斉入れ替え後など、機器の動きが大きいタイミングに合わせて実施すると、現状を確認しやすくなります。
IT機器は社内と外部倉庫のどちらに保管するか

IT機器の保管先は、社内と外部倉庫のどちらか一方が常に適しているわけではありません。保管台数、取り出す頻度、社内スペース、配送の必要性などによって選択肢が変わります。
日常的に使う機器と、すぐには使わない予備機・返却機を分けるなど、用途に応じて保管先を使い分ける方法もあります。
| 保管先 | 適しているケース | メリット | 課題点 |
|---|---|---|---|
| 社内保管 | 台数が少なく、頻繁に取り出すIT機器がある場合 | 必要なときにすぐ取り出せる、情報システム部門が動作確認しやすい | 施錠できる保管場所や台帳との紐付けが必要、入社時期やPC一斉交換などピーク時に社内スペースが不足しやすい |
| 外部保管 | 予備機や返却済みPCなど、すぐには使わない機器が多い場合 | 社内スペースを確保できる、複数拠点への配送に対応しやすい | 取り出し方法・配送先・保管環境が機器の条件に合うか事前の確認が必要 |
社内保管が向くケース
社内保管は、台数が少なく、頻繁に取り出すIT機器に向いています。日常的に貸し出す予備PCや、情報システム部門がすぐに動作確認する機器であれば、担当者の近くに保管した方が対応しやすいでしょう。
ただし、社内に置く場合でも、空いている会議室やデスクの下へ一時的に積み上げるだけでは、所在や状態を管理しにくくなります。施錠できる保管場所を確保し、台帳と実物を紐付ける仕組みが必要です。
入社時期やPCの一斉交換で台数が急増する企業では、ピーク時の物量まで社内スペースだけで対応できるかも考えておきましょう。
外部保管が向くケース
外部倉庫は、予備機や返却済みPCなど、すぐには使わないIT機器が多い企業に向いています。社内の保管スペースが足りない場合や、複数拠点へ機器を配送する機会が多い場合も選択肢になります。
外部へ預ける際は、社内スペースが空くことだけで判断せず、必要な機器を指定して取り出せるか、配送先を選べるか、保管環境が機器の条件に合っているかまで確認してください。
頻繁に利用する端末は社内へ残し、予備機や待機中の機器だけを外部へ移すなど、社内保管と外部保管を組み合わせる方法もあります。
法人向けIT機器保管サービスの選び方

外部倉庫は、保管スペースの広さや料金だけで選ばないことが大切です。IT機器にはセキュリティや保管環境への配慮が必要で、利用時には入出庫や配送も発生します。預けられる機器や管理方法、集荷・配送への対応などを比較し、自社の使い方に合ったサービスを選びましょう。
保管できる機器・台数
最初に、自社が預けたいIT機器に対応しているかを確認します。ノートPCやモニターだけでなく、デスクトップPC、ルーター、周辺機器などをまとめて預けたい場合は、それぞれのサイズや重量、保管条件を伝えて対応可否を確認しましょう。
保管できる台数や契約条件もサービスによって異なります。数台の予備機を預けたい企業と、PCの入れ替え時に大量の機器を一時保管したい企業では、必要なスペースや入出庫方法も変わります。
現在の台数だけでなく、入社時期や機器更新時の物量まで想定しておけば、将来の増減にも対応できます。
写真付きのWeb管理
外部倉庫へIT機器を預けても、中身を確認するために毎回現地へ行く必要があれば、管理担当者の負担は残ります。写真付きで保管物をWeb上から確認できるサービスなら、オフィスから対象の機器を探せます。
写真だけでなく、物品名やサイズなど、必要な情報を確認できるか、複数の担当者で利用できるかも比較したいポイントです。
ストックマモル(Stock MAMORU)では、預けた物品を撮影・採寸し、Web上で管理できます。複数名で保管情報を共有できるため、社内のIT機器台帳とは役割を分けながら、外部へ預けている物品の管理に活用できます。
集荷・入出庫・配送への対応
IT機器の外部保管では、倉庫まで自社で運ぶ必要があるか、必要になったときに指定場所へ配送できるかによって担当者の負担が変わります。複数台のPCやモニターを扱う場合は、集荷から依頼できるサービスを選ぶことで、自社での運搬作業を減らせます。
また、本社へ戻すだけでなく、支店や店舗、キッティングを行う拠点などへ直接配送できるかも確認しておきましょう。
ストックマモルでは、物品の集荷・保管・配送まで対応しています。Webから取り出しを依頼し、指定した場所への配送を手配できるため、複数拠点へIT機器を送る場合にも利用できます。
セキュリティと保管環境
IT機器には端末そのものの資産価値だけでなく、内部に業務データが残っている場合もあります。外部倉庫を選ぶ際は、入退室管理や監視体制など、保管施設の物理的なセキュリティを確認しましょう。誰が機器へ触れられる運用なのかも確認しておきたい項目です。
保管環境については、前述したとおり機器ごとに必要な条件が異なります。温度・湿度、直射日光、ほこりなどへの対策が、預けたい機器の仕様に合っているかを見てください。
サーバーやHDDなど、保管条件を細かく指定したい機器については、必要な条件を事前に伝え、倉庫側で対応できるかを確認したうえで預けましょう。
IT機器の保管に関するよくある質問
IT機器の保管では、退職者から返却されたPCの扱いや、一般的なトランクルームを利用できるのかなど、実際の運用で判断に迷う場面があります。特に返却直後の端末は、再利用できるPCと同じ状態とは限りません。最後に、法人のIT機器保管で疑問になりやすい2点を紹介します。
退職者から返却されたPCはどう保管すべきですか?
退職者から返却されたPCは、そのまま空いている棚へ置くのではなく、返却済みであることを台帳へ反映し、端末の状態が分かるように管理します。アカウントの停止、データの取り扱い、初期化、再利用の可否などは、自社の情報セキュリティ規程や端末管理ルールに沿って対応してください。
再利用まで時間が空く場合は、施錠できる場所で保管し、誰でも持ち出せる状態を避けます。
処理状況を明確にするため、「返却済み」「初期化・設定中」「再利用可能」など状態を分けておくと、次に利用できる端末を判断しやすくなります。
IT機器は一般的なトランクルームにも保管できますか?
一般的なトランクルームでも、利用規約でIT機器が禁止されておらず、機器に必要な保管条件を満たしていれば利用できる場合があります。ただし、すべてのトランクルームがIT機器の保管に適しているわけではありません。
利用前に、まず禁止収納物や補償条件を含む利用規約を確認してください。あわせて、自社が預ける機器に必要な温度・湿度やセキュリティ条件を満たしているかも確認が必要です。
外部へ預けた後の管理負担まで減らしたい場合は、写真付きのWeb管理や集荷・配送など、法人利用に必要な機能へ対応しているサービスも比較しましょう。
まとめ:IT機器に合った保管・管理方法を選ぼう
法人のIT機器を保管する際は、施錠できる場所を確保し、機器の仕様に合った温度・湿度やバッテリーの扱いに配慮することが大切です。あわせて、管理番号やシリアル番号、利用状況、保管場所を台帳で管理し、貸出・返却履歴や棚卸しまで日々の運用に組み込みましょう。
台数が少なく頻繁に使う端末は社内保管、予備機や返却済みPCが多い場合は外部保管というように、使い方に合わせて保管先を選ぶこともポイントです。
ストックマモルは、法人専用宅配型トランクルームとして、物品の集荷・保管・写真付きWeb管理・配送までまとめて対応しています。社内の保管スペースや複数拠点への配送に課題がある場合は、外部保管も含めて自社に合った管理方法をご検討ください。